取捨初志シェル。

ふと振り返ってみる。
あの日々が存外に遠くなっていることに些かの驚きを隠せず。
其処へ向け慌てて精一杯手を伸ばす。
価値を侮り置き去りにしたままのあれやこれをかき集める。

埃塗れで色褪せて中には使い物にならなくなったあれやこれ。
あの日々の中ではガラクタだったはずのもの。
今更になって大切に想えたもの。

想い出を懐かしむが故の気の迷いなのか。
捨てた欠片にさえ縋らずに居られないほど追い込まれ失くしたのか。

あの日々の手触りは心地よいのですか。
あの日々の居場所は暖かいのですか。

其処に現実は在るのですか。
逃げ込んだ陽だまりには進むべき先へと繋がる何かが在るのですか。

これまで何時も何処も伸ばす先を掴むものを過って来たこの両手。
其の手が今回に限って正しく伸ばされ過たず掴んだと想えるのか。
疑問にも想うまい。

茫洋圧縮へ後退展示。

水面ならば見えるのか。
何処の水面へと向かうのか。
綾なす遺漏は容易く塞ぎ込む幇間は難い。

弛むからこその紅綬を育む。

色めく紋を辿るのか。
幾つの色が載せられるのか。
織り成す早速はただ只管に尽く日を待つ。

撥ねるからこその戴冠と謀る。

行き交う音の潤むに任せて明かす。
他聞無く儘ならぬ其れは方々へ曳かれる。

宣旨の撓みを手繰る先に天たる拾遺を嵩む。
紫檀の悼むを上乗と覚える。

止まることの無く移ろうことの無い後遺を知る。
幸甚を挟む界隈ならば元より利く道理も無い。

相似も添えば容と成す。

チーニー報謝果然。

アナタは自分の愚行を棚に上げて、
何時の間にやら何もかもすっかり人の所為。

都合が悪いことは忘れて人を悪人にするバカと、
そんなアナタを持ち上げ尻尾振ってるバカと。
それじゃ確かに永遠にアナタは正しい女王様だ。

アナタと子飼の豚に寄って集って総てを否定され、
人格すら否定されて打ち捨てられる人はきっと、
単なる邪魔者、敗北者でしかないわけだ。
それが女王様と豚の完全世界ってわけだ。

人を不当に傷つけ、生きる場所を潰して回って、
女王様と豚はへらへらのうのうと楽しんでるんだ。

さぞかし気持ちのよい毎日だろう。
人を弄んで慰み物にして笑い者にして打ち捨てて。
何をしてもアナタが正しくて、何もかも赦されて。
不本意は駄々こねてりゃ豚どもが解決してくれて。
さぞかし心地のよい日々なのだろう。

異常な過保護世界の中で生きていけばいい。
腐れ果てた完全世界で生き朽ちていけばいい。

二度と消えない想いをアナタと豚へ。

虐使考オブザーブ。

赤い午前には此処が跪くのだという。
視界の境界に見る音さえも華々しく折れ込む。

包む所以は抱懐の錐に吊られて頬に染むのだから。

斯かる遠因は寂々なれど増す似絵に辟易とする。
間も無く掌握される仮葬ならば零す灯を異にする。
嘴から浮付く霏霏の二つは色めきたって満悦という。
笹目に悖る泥濘の上には至誠の引き攣れた皮膚がある。

妥当な粒子から見下ろす自覚なら降り注ぐ典麗となろう。
下方が横柄と移ろえば銀の苑に拝謁は儘ならないだろう。

振り落としたとの恣意を御商の加点とするがいい。
臥して結ばれた鴛持て浸る紫波の二転は工藝とされる。
松林と異音故の芳崖から手ずから笑むから。

皮相は編めども一つを寄りて潰すことに執心せよ。
永逝な不堪ならば木地と見紛う蒼蒼へ誘え。

隔世の惰気を彷徨に見立て収受は愉しめるものらしい。
灯と藻の端斯くも零石隣り果てる古都画家の雨なのか。

笑め。

零と壱の綴れ織。
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