サレンダー衆生連綿。

踏み抜かれた床は既に腐っていて、
埃以外の何者を支えることも出来なくなっていたんだ。

常軌を逸した歴史は閉じ込めなきゃ。
煤を払って暖炉の裏の隠し戸に手を掛けよう。
いつか音は無くなってしまうよ。

踏み潰された夢は既に腐っていて、
誇り以外の何者を抱えることも出来なくなっていたんだ。

正気を罰した歴史は閉じ込めなきゃ。
蜘蛛の巣を除け階段を下りて地下に行こう。
いつか画さえ無くなってしまうよ。

解けた鎖は錆を浮かべてその役割を果たさず、
暴れる想いは力を得て勢いをいや増すばかりで。

あたしの空に色は邪魔なんだだって誰かが云っていた。
幾つかに区切られていればそれがとても良い空なんだとも。
その顔も無色だからとても麗しいんだ。

横一列に並んだ痛みはバラバラになって辿り着いた。
目指していたのは三角の風だったんだ。

それはひどく鋭利で。

あなたに重ねた遮蔽物は今でも隠し戸の奥に。
あたしに連ねた疲弊物はいつまでも地面の下に。

あの良い子は季節ごと過ぎ去ったから。

零円回転エスコート。

気に入らない人間には他人のフリすりゃいいよね。
気に食わない人間には彼の前から消えること仄めかしゃいいよね。

気に障る人間が強気になったら被害者気どりゃいいよね。
目障りな人間が弱気になったら嵩にかかって叩きのめしゃいいよね。

それでも困ったら最後にゃ黙っちまえば完璧よね。
何をしても優位に立ちたくてたまらないでしょ。
他人を見下ろしてる気になってりゃ幸せでしょ。

ほっぺの赤いお嬢さん。

利用できる人間は誰かに成りすましてでも働かせりゃいいよね。
利用したい人間は子飼にして常時躾けときゃいいよね。

他人のフリで都合よく利用して形ばかりの感謝?絆?友情?よね。
飼ってる人間が思い通りに動いてりゃご機嫌でしょ。
自分に逆らわない関係作れりゃ調子にも乗るでしょ。

鼻息の荒いお嬢さん。

そもそもいい歳してるでしょうにお暇なんですね。
いい歳してるでしょうに礼儀知らずなんですね。
いい歳してるでしょうに。

夢見がちなお嬢さん。
大きなお嬢さん。

他人宛の花を必死で摘み取るのはさぞかし楽しいのでしょう。
必死で演じて他人が騙されていると想ってさぞかし心地良いのでしょう。
他人はそれを解って貴方の必死さを見守っているのでしょうにね。

貴方の一人芝居が余りにお上手なのでしばらく見守っています。
貴方の空回りが余りにお見事なので黙って眺めています。

必死に摘んだ他人のお花を手にお鼻を膨らませたお嬢さん。
得意げな勝ち誇ったご様子の大きなお嬢さん。
お呼びじゃないことにいつ気付くのでしょう?お嬢さん。
ずっと気付かずに主人公と想い続けるのでしょうか?お嬢さん。

お幸せに。

私法適用も発砲姉妹。

密度のみに関して云うならば高い其の場所よ。
予め定められた二度手間など存在したと想うのか。
避けられぬことは四度の手間を底辺として拡がっていた。
目を逸らそうとも。

訃音も消される片想いを述べよ。
色とりどりの誤記舞う頭持つ保護者か騎士を気取る赤。
奮起する其れに踏み躙られる誠心を笑う。

二の舞を洗浄するように投げつける仕草も見えぬまま。

乗っ取りがさも正しいかのように威風堂々と。
浅ましき無音は正義感と自覚するのだろうか。
余りに拙く微笑ましきかな。

見も知らぬ先人に不意の讒言も然るべき異句か。
されば功徳も見違えるまでの両村に過ぎまい。

「必死に其れを守っているつもりなのだなあ。」

さぞや美しき肖像をばら撒けば良い。
厭きるまで空回って頂こう。

零と壱の綴れ織。
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