シニカル不慮一過。

雲ひとつ無い青空を見上げている私。
この視線は何処に焦点が合っているのだろう。

高く遠く見上げているつもりではいるけれど、
きっと貴方の処までは届かない。

見上げたまま歩く私。
何処までも青い視界に光る何かを見つける。

大きな空だとか、人はちっぽけな存在だとか、
そんな使い古された誰かの言葉なんか捨てよう。
何かが変わっただとか、変わらないものを見つけただとか、
そんな大層なことじゃなくていい。

その空を見上げて歩こう。
笑ってる貴方を見つけるまで。
その空の下、歩いていよう。
貴方の場所に届くまで。

私の爪先は迷うこと無く、雲ひとつ無い青空へ向かう。

回礼スクィーズ。

貴方もあたしも歩く道はそれぞれ決まってる。
どんなに足掻いてみたって逆らってみたって、
そもそも足掻き逆らうことが決まってたんだから、
どこまでも予定調和。

誰もがそんな一本道を終わりに向かって歩いてる。

誰も他人の道を歩くことは出来ないし、
誰にも自分の道を歩かせることは出来ない。
一本道に選択の余地なんて存在しないし、
外力によって道が作り変えられることだってない。

誰もが自分だけの一本道を自分一人だけで歩いてる。

見渡す限りの青空の下にいたって雨が落ちてくることがある。
それは有り得ないことが起こったの?
違うね。
見渡せるだけの狭い空のずっと遠くにある雨雲から落ちた雨が、
風に飛ばされてあなたのいる場所まで届いたってだけのこと。

特別なことなんて何一つない。
決まりきった結末に向けて決まりきった時間を流すだけ。

反論するのも何をするのも初めから決まってるから。
それだけ。

だから。
しゃがみ込んだっていいじゃん。
決まってるんだし。
前向かなくてもいいじゃん。
決まってるんだし。
ずっと下向いてたっていいじゃん。
決まってるんだし。

一本道歩いてるだけの貴方が何処向いて歩いたって、
迷うことなんかないじゃん。
迷ったと思ってもそう思うように決まってるだけ。
順調な予定調和だから安心ね。

楽しい掌ライフを送って行きましょ。

功罪・la・View。

もう見飽きた風景と空模様。
纏わり付く空気を蹴り飛ばしてもダメ。

彼の予想は相も変わらず外れっぱなしで。
背負い過ぎた肩の荷で押し潰されちゃうのも有り?

そろそろ壮大な計画でも始めてみりゃいいさ。

綺麗なことだけが世界の全てなお姫様。
見てりゃうらやましいけどあたしはお姫様になれない。
なれないもんの気持ちなんて解りゃしないの。
苦しみ悩みも有るのかも知れないけどね。

道草食うには不安な空模様。
纏わり付くアンタを蹴り飛ばして行くよ。

壮大な計画っていざ始めてみるとショボイね。

綺麗な言葉吐けば無難と思ってるお姫様。
聞いても何も響かないしあたしはお姫様を信じられない。
履き違えた優しさは人を傷付けてばっかなの。
自覚出来ないから許されるもんでもないよね。

正面切ってぶつかってごらんよ。
逃げ道ばっか作ってないでさ。
尻尾出しっぱなしで人間のフリなんて
見逃してくれる人ばかりじゃないのよお姫様。

壮大な計画はもう一気に完結させちゃおうよ。

綺麗にまとめようとして動けないより
見切り発車でも勇み足でも動き出すほうがいいじゃない?
途中で間違えそうになっても動いてりゃ
それなりに軌道修正くらい出来るもんでしょ。

いつか気付いて見上げてみりゃ
真新しい空が広がってるかもね。

ピカレスク厚顔。

目の前に鏡があることに気付かない一例。
身をもって示した貴方に心ばかりの一礼。

被害者の相対。

夕餉の香漂う小路を駆け抜ける自転車。
遠くから聞こえる気の抜けた汽笛の音。

背なの土砂降りを飽和させる二枚舌。
落陽で上昇するはとどのつまり明日。

加害者は早退。

待ち続ける者は目的を見失うばかりの群青。
そこはかとなく中途に在るも見えぬその先。

累々と重なる暖簾を自らの歴史と思うも酒肴。
滔々と流れる不可逆を省みて躓かぬのも首肯。

ならば不意に流れ出した小雨をも無かったことにするのか。
一昔を越えた不釣合いな予定調和に笑む過保護。

零と壱の綴れ織。
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