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2003年03月30日(日) ループ!

私と彼が似ているとしたら
ストーカーのようにひとりの人を諦めずに気持ち悪く追いかけ続けるところと
その人と自分の相性はばっちりだ、
分かってあげられるのは自分だけだという
勘違いをしているふりを続けて
どうにか毎日を乗り切っているところだと思う。
でもそう思っているのは私が思っているだけで
本当のところなんて誰にも分からない。
というか、本当のところって結局何?
無いんだったらそんな言葉作るなよ、ばか。

だから別に私はもう、
あの人を呪う必要など少しもなく、
涙を流す必要もなく、
ただそれをしないと毎日が円滑に送れないから
儀礼的にやってるだけなんだよ
と気持ち悪いことをまた「高校教師」風にしか書けない自分の文才を呪う。

こういう文章を、よくウェブ日記で見るな、と思いながらも
書いてしまうのはただ長電話をして夜更かしをしたせいだ。
本当の私は、全くこんなところにはいない。
と言い逃れをしても、本当の私などと言うものはもともとないのだから仕様も無い。

畜生。



2003年03月29日(土) A5

一年振りのレッドピーマン
スギヒノキオオアワブタクサ
「あなたとのキスのこと」
人さし指
チーズハンバーグはとろけるチーズで作るのか
ビール
不在着信
イラク攻撃を映すために御社の衛星は使われていますか?
卒業
たこやき少女
他人の悪いことに手は貸したくないですよね
情念や嫉妬
まつりちゃんときむらくん
プチ愛人
御破産御破算
詩人
タクシーの中
エクスタシー
窃盗に遭う母
芸術新潮
「さよならさよならさよならって聞こえねえよ」
髪を撫であう男女は同じ駅で降りた
目に見えないものの良さを、伝えたいのです
町田康はずるい
鳥肌
ベンチャー
「もう世界はおしまいだ」と3回
麻生久美子のポスター
明日こそ可愛くなる
さぼうる
パラキス最終回
あやのこうじきみまろ
かっぽれ
江戸東京博物館
じゃあ一番前に乗るね
両国のちゃんこ屋
椎名林檎をみんな見たという
いいとも
デッドエンド
落ち込んだ時にでもいいけどね
「まいったなあ」
ユリイカバックナンバー
あの人にもう一度会いたいから舞台に行こう
東京タワー
言ってきたことは同じ
僕はワタナベくんだ、僕はスマイルだ、違うけど

私は、何をいっているのか
Xデー
春雨
四月四日
チャーパン
安いところ
ルサンチマンなだけで嫉妬はしない
ごちそうさま



2003年03月28日(金) ニューズデリは騒がしい。(フィクションです)

拝啓 王子様

色とりどりの袴が、大学構内を埋め尽くす季節になりました。
桜のつぼみは今か今かと
主役になる瞬間を待っているように見えます。
とはいえ、花開く前の
樹がぼおっとピンク色に色付いている様も
大変趣き深いもので、私は大好きです。

御無沙汰して申し訳ありません。
お変わりありませんか。

ここのところ、私用で少しばたばたと慌ただしく
便箋が切れたのに買いにいけないという不本意な日々を送っておりました。



あなたからホワイトデーに頂いた
マーク・トゥウェイン「ハックルベリーフィンの冒険」、
大切に読ませてもらったわ。

私、一年生の時に偶然「米文学史」という授業のテストで
98点をとって。
それ以来米文学は大好きです。
学校でしっかり歴史をやったおかげで
作家のだいたいの立ち位置が分かるから面白い。

いつもメルヴィルのMoby Dick(「白鯨」)に挑戦しようと思うのだけれど
恐くてやめてしまう。
先生も難しいからと講読はしなかった作品なの。



生活は、相変わらずです。

あなたの小説、私が最初に読者になりたいから
書き上げたら何処にいても連絡をください。
楽しみで今からわくわくします。

ただ、あなたが遠い有名人になるのは何だか悲しい。
だからといって傲慢になるような人でないことは知っているけれど。



ニューオーダーのベスト盤ばかり聞いています。
映画「24HOUR PARTY PEOPLE」の予習がしたい、と友達に相談したら
じゃあこれも、といって
ストーンローゼスも貸してくれました。

映画の予告編にかかっているあの曲。
聞く度に気持ちがよくって、映画館で踊りだしそうになる。
詩の意味が通じない音楽に
高揚できるようになったのはごく最近です。
本当にこの楽しみを知れて良かった。

そういえば私は、あなたがどんな音楽を聞くかさえ知らないわ。



先日のヴェルサイユ展、楽しんでいたようで良かった。
私もあなたとの再会には感無量だったけれど
展覧会自体には正直あまりのめり込めなかったの。

満員電車のようだったから。

先日木場の東京と現代美術館で見た「days」という展示は
人もまばらでとても気持ちが良かった。
白い空間に、こつこつ響く靴音、ガラス張りの壁に反射する木漏れ日。

春の日に向いているのは
あちらの辺鄙な美術館なのかも知れません。

あなたはしばらく東京に留まっていらっしゃるのかしら。
この間神保町でおいしいカレー屋さんを教えて頂いたから
是非食べにいきましょう。
どこか遠くへ旅立ってしまう前に。

とりたてたこともなく淡々と過ぎる日々。
これを幸福と呼ぶとして。
そこに狂気を見るとして。


かしこ 

れいこ



2003年03月27日(木) 「それはただ時が経ちゃ 忘れてく問題だろうか それは無いな今もまだ 空っぽのままで生きてるよ」

■就職試験の帰り、上野駅で高崎線を待ちながら
コンビニで買ったチロルチョコを食べようとしていたら
「あれ?れいこさん」

サークルの後輩(男子)だった。

恥ずかしいなあ、チョコ食べてる時にー。(ぶりぶり)

「スーツ着ると大人っぽいっすね」
「そんなことないよおー(ぶりぶりぶりん)」
「ていうかふけてますね」



■「グっとくる言葉もいいけど、まずは腰にくる感じだよね。
ロックンロールは標語じゃない、教訓じゃない、セックスだ!」

雑誌にこんな言葉を見つけて
それこそグっときた。

でもセックスについては相変わらず良く知らない。
という意味深な発言でヒット数を増やしたい。



■「『君の文章はひかるものがある』先生の言葉をまだ信じていたい」
数日前の日記に、私はこう記している。

今日、上野駅のホームを歩いていて
突然思った。

ああ、自分はなんて傲慢だったのだろうかと。
傲慢なやつが嫌いと言いながら。
腰の低い編集者になりないなどと宣いながら。

そんなの信じるなよ。
信じたら駄目だよ、信じられるものなんてないでしょ、
それ一番知ってるのあなたでしょ。

一年だか二年だか前に
「あたしっ、あなたのこと信じるっ」
と言った人に簡単に振られてるでしょ、ああた。

それとこれとは別だけど。
まあでも一緒ですよ。
おおきくカテゴライズしたら。
横文字なんか使ってみたら。

ちょっと松尾さん風に書いてみたけど。
彼に失礼だけど。
彼のみたいに面白くないけど。
でも今日はSPA!の発売日だったし。
週に一度の楽しみだったのよ。
書かせて頂戴よ。
ね、ああた、書かせてよ。

話は戻って。
そうだ。
私は今日から就職活動をするにあたり、
自分に期待をすることを一切やめることにした。

私は受かるはずだ、私は編集者に向いている。
無意識にでもそんなことを考ているから
落ちた時に悲しいのだし
やりたいことを言うのも恐くなるんだよ。

だいたい、シリアスになって良いことなんてほとんどない。

この前友達に、
「過ぎた日々のことを、あなたったら全然覚えていないのね」
と、物凄く真剣につめよったら
「杉田玄白!」と返ってきたよ。
もう完敗だと思ったよ。

松尾さんも書いている。
「アホらしさ」が足りないと。

私は精一杯アホを体現しよう。
人生をエンターテイメントに!とか真面目に言う程気持ちが悪い。

笑いについてrelaxで語るまっちゃんより、
大真面目に泣いてるのに
笑われる山崎邦正のほうが好きだもの。

楽観でも、悲観でもない肯定。
希望でも、絶望でもない肯定。
あくなき肯定。
満を持しての肯定。

(だいたいこの文章が、巧妙に書かれ過ぎてて全然駄目!)



2003年03月26日(水) 「美味しいお蕎麦屋さん 見つけたから 今度行こう」(「ex.人間」)

■心のこもったメールを頂き、 
久しぶりに泣けた。
気持ちいい。

泣くことは、セックスだ。
(と、早川義夫「たましいの場所」(晶文社)風に言ってみる。
けどセックスについては良く知らない)

馬鹿だけれど、ワードに張り付けて文字数を数えたら
2655字もあった。
長い手紙だった。

恋愛のことを「色恋沙汰」と書いてあった。
とても大人だと思った。
こんな大人になりたい気がした。

>ひとつの家を円満に運営していくことがどれほど難しいか。
>わたしが雑誌をつくったら、「早く帰れ」というキャンペーンをしたいです。
>消費に焦ってるから不況になるんじゃないでしょうか。
>みんな必要なものは買いますよ。
>他人に口だして他人から奪おうと思うから戦争になるんだし。

誰かが、こんなものを作りたいんだよと
話すのを聞くのはとても好きだ。

そして、自分はきっと
そういう素晴らしい人たちの言葉をひたすら素直にうんうんと聞いている役回りが
とても向いている気がする。

本当は。

だけど私がやりたいのはそんなことじゃないんだから
進んでいくしかないしなるようにしかならないって
あの人も言ってる。



■ということで気合いの入れ直し。
以前、現役編集者の方に
メールで志望動機を見て頂いたものを添付する。
(返信メッセージ)



以下のいくつかのれいこさんの文章を読み、
「思い」があふれていて、課題の文字量に収めきれないもどかしさが、
痛いほど伝わってきます。
試験秀才は、たとえて言えば規定の文字量に収めるのがうまいわけで、
「思い」があるのかどうかは定かではない。
ぼくは「思い」がなければモノを作る資格がないと考えるタイプなので、
れいこさんの姿勢は、たいへん好ましく思えます。
それが、まず基本的な感想。

その上で、試験に受かるには、やはり出題者の意図をふまえて、
自分を理解させなければなりません。
その点で言えば、ちょっと工夫の余地がありますよね。
それは自覚されているとおりでしょう。

ざっと指摘していきます。
基本は自分の「思い」を抽象化し、客観視すること。
次に、そのことを具体的な事実や情報を使って、相手に説明することです。

>「見のがされている人やものにスポットをあてたいから」です。
>
>(↓ここから書くことはあくまで私の心の動きであり、面接には適さないと思われますが「本当はこう思っているのだな」
>ということを分かって頂いた上でのうまいアピール方法をアドバイスして頂けたらと思います)
>
>私が何故このようなことを思ったかには、いくつかの理由があります。
>
>■松尾スズキさんの本との出会い
>とかく上に上がろう、のし上がろう、という上昇志向が当たり前のようにいわれる社会
>で、だめなことを「だめだあ〜」と情けなく書いて売れてしまっているのが彼でした。
>私はそんな彼の生き方を、素敵だなと思いました。通り魔に襲われた自分の体験までネ
>タにし、笑いに返るエンターテイメント人生を私も見習いたいと考えています。

まず、「上昇志向が当たり前」というのは本当でしょうか。
むしろ、「上昇志向」が持てないからこそ、
松尾スズキが受けているのではないでしょうか。
時代の気分とマッチしているわけです。
これは「前提」の誤解。
松尾スズキのスタンスを見習いたいというのは素直な感想なのでしょうが、
素直すぎる。というか、すれっからしの編集者にとっては、当たり前。
なぜなら、時代の気分がそうなっているから。
なので、一考を要する。
なぜ、松尾スズキに引きつけられるのか。
もう一歩、踏み込んで考えてみてください。

>■(精神的に)マッチョでない男の子の魅力
>繊細すぎる神経が、私には新鮮でした。格闘技ブームからは程遠いナイーブ君は、
>不景気の日本に新しい価値観を提示してくれていると思います。

「新しい価値観」に惹かれる自分、というのは、
いい視点だと思います。

彼の言うこと(グローバル化がもたらす南北問題)は正論です。
経済誌にいるから、そのことは理屈としてよく分かる。
スターバックスが火をつけたカフェ・マーケットの盛り上がりは、
一面では「新しいアイデアによる産業活性化」の事例として語ることができる。
経済誌はみんなそのように書きます。
ただ、その華やかさの陰で、世界のコーヒー市況が暴落して、
アジアや南アメリカのコーヒー農園が壊滅的な打撃を受けているという現実がある。

でも、れいこさんはスタバやマックに行きませんか?
個人の行動として、ハンバーガーを食べない、という選択は構わない。
でも、だからどうした、という感じもありますよね。
自分がハンバーガーを食べないことが、南北問題の解決の一歩になる、
といわんばかりの安っぽいヒロイズムも感じてしまう
(その男の子はまじめに考えているのでしょうけど)。
難しいところですね。

>■綺麗なものだけをカタログのように並べるだけのファッション誌に違和感を感じるから。

>以下作文 「10年後の自分」( に、一応通ったものです)
 「女性の汚いところを服に出していきたいんです」雑誌「装苑」でTOGAのデザイ
ナー古田泰子のインタビューを読んではっとした。私は古着屋の展員さんとの会話を思
い出していたーー。

 幼い頃、私は服を選ぶことや縫うことが好きで、将来はデザインやパターンを学びた
いと考えていた。しかし、10代の半ばになると、私の興味は服自体から”着飾るこ
と”に移っていった。雑誌に載りたい、目立ちたい、その一心で派手な服や高価な服を
選び、いつしか私は自分の本当に好きなものが分からなくなっていた。

 そんな折、大学のレポート取材で古着屋のスタッフの方にお話を伺う機会があった。
私が「古着を合わせてもどうもおしゃれに見えないのでブランド品ばかり選んでしまう
のですが」と言うと、「それはあなたがまだ、服に追い付いていないからよ、との答え
だった。「本当に格好いい人は服の権力にすがろうとせず、自分に服をあわせる。だか
ら歴史のあるヴィンテージが似合うのよ」

 私は自分がいかに恥ずかしい、分不相応なセンスをしていたかに気付いた。クールな
女性に見られたくてコム・デ・ギャルソンの黒を着ても、私の内面はそれと大きく異な
る。私がファッションを楽しめなくなっていた理由は、表層のみを塗り固めようと必死
で、中身がすかすかだったからだ。
 
 TOGAのブランドコンセプトは、今の私の等身大だった。「情念・嫉妬・生理」どろど
ろした部分を隠さずに出している。ようやく着こなせる服を見つけたと思った。
 
 10年後、あらゆるブランドーー夫の地位や会社の権威に寄り掛からずとも品格を失
わない女性になっていたい。それが、歴史ある服を着こなせる時だと思う。醜い自分を
覆い隠すファッションの限界を知ったから目標が見えた。


違和感は良いですね。
ぼくも感じます。
このように挑戦的な命題を歓迎する編集者と、
煙たがる編集者とがいる。
いずれにしても既存の雑誌に対する批判的な意見なのだから、
その違和感は、きっちり説明できるように、分析しておく必要があります。

>「本当に格好いい人は服の権力にすがろうとせず、自分に服をあわせる。だか
>ら歴史のあるヴィンテージが似合うのよ」

よい言葉を拾ってますね。
いい感覚です。

> 私は自分がいかに恥ずかしい、分不相応なセンスをしていたかに気付いた。

すぐ反省してまうのは、素直で良いけれど、
あえて店員さんに反論する理屈も考えてみたら?(思考の訓練として)

>クールな
>女性に見られたくてコム・デ・ギャルソンの黒を着ても、私の内面はそれと大きく異な
>る。

じゃあ、れいこさんがその時に思い至った「内面」というのは、
どういうものなのか。

>私がファッションを楽しめなくなっていた理由は、表層のみを塗り固めようと必死
>で、中身がすかすかだったからだ。

ここも「中身」って何なのか、
自分で理解していますか?

>「情念・嫉妬・生理」どろど
>ろした部分を隠さずに出している。ようやく着こなせる服を見つけたと思った。
> 
> 10年後、あらゆるブランドーー
>夫の地位や会社の権威に寄り掛からずとも品格を失わない女性になっていたい。
>それが、歴史ある服を着こなせる時だと思う。

これは、抽象化ができている。
でも、ありきたりな結論であるとも言える。

>醜い自分を覆い隠すファッションの限界を知ったから目標が見えた。

「醜い」というのは、
どのようなことを指すのか。
「内面」の説明がないからわからない。




>■裏側(今は見のがされているもの)を見せることでものごとはいっきにおもしろくなる

感じは分かる。

>以下   編集部に送った志望動機(400字)
>(新卒の採用ではなく、試しに送ってみただけです)
>
> 1月30日のNHK「にんげんドキュメント」は、
>岡八郎の吉本新喜劇復活の舞台裏を
>やっていた。妻の自殺、アルコール依存症、癌。脳挫傷のために64歳の彼は台詞を覚
>えられない。半分くらいに痩せて、娘に怒られ、後輩に指導を受けてまで何故舞台に立
>つのか。これじゃあ少しもお笑いじゃないよ、涙が流れて、いたたまれなくなって、そ
>れでも目が話せなかった。
> 
> 舞台の上には、何があるのだろう。本番で、見事に台本以上のことを演じ切った彼を
>見て、不思議な気持ちになった。たった一日の、舞台の上の一瞬の為に人は生きること
>ができるのだ。彼の「一瞬」ははっきりと、日常の世界=こちら側に存在していた。お
>酒の中でも、死の中にでもなく。そのことに一筋の光を、見たように思う。
> 華やかな世界、綺麗な世界の背後に潜む決して綺麗なだけではない人間模様を、御誌
>を通じて伝えてゆきたい。表層だけをを飾ったカタログでは雑誌では、人は変わらない。

それなりにわかるけれど、
やっぱり挑戦的ですね。
「カタログ」と「非カタログ」と、
れいこさんのアタマのなかで、どのように違っているのか、
もうすこし具体的に知りたいところです。





>軸となる動機は上のような心の動きから発生しています。
>長くなりましたがアドバイスを頂きたいと思います。

心の動きは、よくわかりました。
「松尾スズキ」
「ナイーブ君」
「古着屋さんの店員の言葉」
「岡八郎」
とても、人にれいこさんの思考を理解させやすい素材ばかりですね。

で、その上でアドバイスを、ということですが、
これは簡単ではない。
ちょっと角度の違う素材をもってきて「補助線」を引いてみたいところですね。

自分発見のための思考実験ですが、
れいこさんが「好きなモノ」と「きらいなモノ」を100づつ書き出してみる、
というのはどうでしょうか。
ものでも人物でも雑誌でも本でも芝居でもブランドでも構いません。

>たくさん書いてしまいました。
>志望動機が  さんに「伝わっているのか」
>「私の言っていることがひとりよがりになっていないか」
>が今の私の一番の課題です。

よりよく伝えて、
ひとりよがりにならないために、
工夫の余地はあります。
冒頭で書いたように、
「思い」がある以上は、それをよりよく伝えることを考えればいいのです。
「思い」がないやつより、よっぽどいい。
焦らず、やりましょう。



■御指摘通り、好きなもの100個を書き出してみる。
1松尾スズキ
2林真理子
3村上春樹
4ママレイド・ラグ
5齋藤美奈子
6syrup16g
7手紙を書くこと
8日記を書くこと
9人から何かを勧めてもらうこと
10全く新しい興味分野の話を聞くこと
11「君はこういう人だね」と意外な意見を言われること
12初対面の人と会うこと、話すこと
13作文を添削してもらうこと
14いつも謙虚で腰が低い人
15これが好きだ!とおたくなものがある人
16ジーンズメイト着ても、少しも恥ずかしいと思わないくらい飾らない人
17中野ブロードウェイ
18深夜のデニーズ
19大学構内
20神保町
21初めて行く駅
22高崎線から見える利根川、東京郊外の風景
23装苑
24SPA!
25サイゾー
26シンプルという贈り物(アーミッシュの写真集)
27僕の地球を守って
28鉄コン筋クリート「ソコカラナニガミエル?ココカラハナニモミエナイ」
29考える人
30講演会
31添い寝
32ニンゲン御破算
33中学のころの、成績表
34リィリィシュシュのすべての、伊藤歩の役
35バスケットボールでフェイントが決まった時
36

途中で寝た。



2003年03月23日(日) 世界文化社を書かなければいけない。

24日早朝、起きたらメールが届いていた。

ごめん今度は張り付けて数えてないけど
凄く長い。
メールで二回泣いた日は初めてだ。



「松尾さんの演劇で俺が好きなのは、
悪い人がでてこないこと。
弱い人とかだめな人は出てくるけど、
悪い人が出てこないことですね」

『大人計画の歴史、松尾スズキの歴史』(wowow)で
宮藤官九郎が話していた。

「悪い人たちは出てこないのに
状況がどんどん悪い方向にいくっていう」



2003年03月22日(土) キャラクター日記第二回(「阿修羅ガール」読んだ後)

変わる。

「あの子に会えたなら
伝えてくれ
ずっと待ってると
がらんどうの心を
抱えながら
ずっと待ってると」
(目抜き通り)

必ず変わる。
変わるとかかわんないとか
よく考えたら
学者が調べたら
そういうのないのかもしれないけど
絶対変わる。

「代わる?
やりたいなら代わってよ。
ほんとに出来るの?」

欲しかったらとってみやがれ(体育会系)
欲しいならくれてやる(文系)

代わりじゃなくて私がやる。

君が出来ることを私は絶対出来ないけど
でも代わりじゃなくてちゃんとやる。



晴天。

高崎線の昼下がり、ウォークマンでママラグを聞きながら
うとうと。
まどろんでいる途中に、
空爆が始まっていた。

薬を飲み忘れたから
花粉症がひどい。

遠くの町に爆弾が落ちることと
今くしゃみが止まらなくて最高にイライラしてること、
あそこの会社に受かって
こっちの会社に落ちたこと
すきなひとのすきなひとにすきなひとがいること

どれが一番大切なのかを私は知らない。

この48時間で、
戦争について誰とも話さなかったのは何故だろうか。
デモ隊を見た。
AERAをみた。
サイトを見た。
でも何故か、口には出さなかった。



変わる。
決めた。
強いとか弱いとか
ちゃんと定義できないし
弱いのが好きとか言ってるのに
強くなりたいだとか矛盾してるけど
こんなこと書いても
またうだうだするかもしれないけど。

「あの子に会えたなら
伝えてくれ
ずっと待ってると
がらんどうの心を
抱えながら
ずっと待ってると」
(目抜き通り)






絶対に弱音を吐かない君は、
とても素敵だ。
代われるわけが、ないじゃないか。



2003年03月19日(水) うだうだうだうだ。涙も出ない。

うだうだうだうだ。



明らかに、
受からなければならないところがESで落ちる。

友達が電話をくれて、またうだうだうだうだ話していたら少し落ち着いた。
ありがとうございます。

「君の文章はひかるものがある」
先生の言葉をまだ信じていたい。
「どうにかなると思えばどうにかなるよ」
前の彼氏の金言も胸に留めておきたい。
先は長い。




昨日、就職活動の相談等で電話した人は
泥酔していて
「僕は生きるのが辛い」と
セクハラ親父並みにぐだぐだと絡んだ後に
受話器の向こうで寝てしまった。

「そういう傍若無人が許されるのもはげるまでだと思い知りなさい」
怒って言ったら
「ごめんね。
でも君は、はげても許してくれると少し思ってるんだけど」

ああ、つくづくだめに弱いなあ、私。
ちぇ、と思いながらげーげー泣く。



BUZZの休刊号を購入。
松尾さんの連載「にゃ夢ウェイ」はジャパンに移るらしい。

今日は18日だけれどsnoozerは出ないらしい。
でもそういういい加減なところが、読者は好きなんじゃないかしら。

syrup16gのニューアルバムにある「ex.人間」という歌はやばいらしい。
死にたくない人まで死のうかってところに連れて行くらしい。
「何としても受け入れられない」そういわれると聞きたくなる。

馬場の芳林堂にチョコボール向井がサイン会に来るらしい。
ちょっと行きたい。
(よね?とうごうちゃん)



2003年03月18日(火) なんだよ失われてるって。

3/11(月)
「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」を
ベローチェで読む。
歯医者
バイトは休み
活字中毒。あのクソ店長と違う世界を私はここに持っていたいのだ。

3/12(火)
バイトで失敗。花粉症。  
  さんに電話してレッドピーマンで一緒に夕飯を食べる。
ヘドロのような一日だった。
今日はアンアンと  さんの塾のバイトについて話す。

3/13(水)
6ー16(時)でバイト。店長は相変わらず。
「国境の南、太陽の西」を読む。

3/14(木)


なし


3/15(金)
「スプートニクの恋人」
小説と言う世界に逃げられる幸せ。

中、高の日記を読んだ。  へのラブレターも。

3/16(土)


なし


3/17(日)
九段下のスタバで抹茶クリームフラペチーノ。
私って食べるためだけに生きてるのかしら。

昨日の飲みは楽しかった。
私はある一部の人にしか心を開けない人間なんだなあと切に感じる。
本を家に忘れて読書できない。

3/18(月)
  さんに会う。スプートニクの恋人を読み終える。
「私たちが知っている(と思っていること)は誤解の総体に過ぎない」
とスミレは書いている。

私はスミレを好きだと思った。

私は一体何を分かっているのか。
でも彼が「分かってるよ」と言ってくれるのが
私は本当に嬉しいのだ。

(追記)
「スプートニクの恋人」でスミレは自分は書くことで思考している、
と書いている。
私にはそれがとても良く分かる気がした。

私は小説を書くような力を持っていない。
そういう意味でスミレとは才能が異なる。
でも私にとって書くことは、本当に自然な行為なのだ。
読むことよりも、話すことよりも。

中学と高校のころ、私は明らかに今とは違う人間だった。
私はすこしずつ変化して、すり減って、失われて、今ここにいる。
それでも1つの、はっきりと流れている線がある。

書くことだ。

書くことで私は私になれるんだ、と何度も思った。
だから何があっても平気だと。
ひとりで救いのないくらい孤独でも、誰も私を愛してくれなくても、
私には書くことがあるのだと。



3/19(火)


なし


3/20(水)
歯医者と昼寝。
夢の中に生きたいなと思う。
形あるものは必ずその価値を失ってしまう。

でも本当に嬉しかった。嬉しかったというその気持ちはずっと私の中にある。
それを信じるしかないのだ。

3/21(木)
本がないと何処にもいけない。
絶望?絶望とは。
希望。希望。

3/22(金)
私の求めているものは  さんの求めているものとは違う。

3/23(土)
「実のある話ができたかどうか分からないけれど」と私が言うと、
「分からないよね」と。

私は「話せてよかったよ」と言ってほしかったのだろうと思う。
でも本当はそんなこと―実のある話が何かなんて誰にも分からないのだと思う。





去年の今頃の日記。(隠してあった、紙の)
うふ。

こんなのを公開されるなんて、
いい迷惑でしょうね、当時の私は。

宗教家か思想家か、と思うような思いつめぶり。
そして語彙が村上春樹。(失われてる、とかね)

何を隠そう、
今日は日記のすすめを書こうと思ったのです。

こうして痛い文章を書いていたポエマーな日々も、
「読んだら捨ててください」と月並みな、でも可愛いラブレターも、
読み返すと学ぶことは非常に多い。
「忘れないだろう」と書いたことをすっかり忘れてること、良くあるし。
そんなものだ。

松尾スズキさんが
7年付き合っていた暴力女のことを繰り返し発表しているのを見るたび、
ああ、人生何でもありなんだなあといつも思います。

かっこつけたweb日記もいいけれど、
鍵をかけた紙の日記帳もいかがですか。
それ公開しちゃったら、鍵の意味ないけどさ。



2003年03月16日(日) 「愛なんて興味ないし いいかっこしたいだけ 遊ばれてない?憧れてない?こんな僕に」

■池袋リブロで齋藤美奈子の講演会を聞いてきた。

最新刊、『趣味は読書』(平凡社)の内容が中心の話だったので知っていたけれど、
改めて目から鱗の発想法にひれ伏してしまった。

私の師匠。
斜に構えてる隊隊長。

一番面白かったのが
本を読む人間自体がマイノリティなんですよ、という視点。
ベストセラー100万部、といってもテレビの視聴率に直すと
3%に過ぎない。

まして、
「ハリーポッターなんてねえ・・・」とバカにし(読まない)、
毎日本屋に吸い寄せられるように通い
文庫本が鞄に入っていないと落ち着かない、
「ねえねえ何読んだ?」と暇があれば話題にし
ローリングストーンズを差し置いて今日ここにいらしている皆さんは
御自分が「変人」なのだということを知ってくださいと。

ああ、ごめんなさい。
それは私です。

大した考えもなくベストセラーを買ってくれる
善良な読者(辛口書評なんてしない、斜に構えてない)が
いるからこそ、
そのお金でマニアックな専門書が出せたり、
私みたいな者が作品をかけるのだ、と彼女は話していた。

就職活動のヒントになった。

正直、私が作りたい本はベストセラーにはならないと思う。
それがいつも志望動機を構築するうえでの壁になる。

でも、松尾さんの本が「売れている」という状況は確かにある。
ただ、それは全体数から見たら、物凄ーく「一部」にしか当たらないということだ。




余談だが私がお話を聞きに行く人たちは皆、
「ここにくるよりもっと他のこと・・・(することないんですか)」という。
今日の齋藤さんも、
学園祭での田中宗一郎も。

さらにいえば好きになった男性も、
頼りにするお友達も、
「僕はやめたほうがいい」と繰り返す。

自分の好みの一貫性が、恐ろしいわ。



■「あなたはいつになったら心を開いて本心を話してくれんの?」

どきりと胸を貫く一言を、突然友達から言われる。

驚いたのは、壁を見抜かれたためではなく
それを作っていた自分に無意識だったから。



2003年03月15日(土)

前略 れいこ様

久しぶりに手紙を書く。
先週の再会は、僕としてはとても楽しかった。
君はあんなに嬉しそうに
ふわふわ笑う女の子だったかと
こちらまで明るい気持ちになった。

いいことだと思う。

考え過ぎて、何か一つのものを求めようなんて
そんな考え捨てたほうが
どれだけ自然かってこと。

僕も当分はあの中野の家に定住する予定でいるから
いつでも遊びにおいで。
四畳半風呂なしに、君が耐えられるならの話だが。

それから、来月には花見をしよう。

神田川の桜がいい。
大学の側の、商店街に囲まれてのんびりと咲いている
あの穏やかなピンクが、僕はとても好きだ。



さて、定住すると書いたけれど
僕は本格的に小説家を目指すことにしたよ。
まずは今月末の文藝賞に投稿してみる。

しばらく貧乏になると思うけれど、
ブロードウェイの時計屋でアルバイトをするから
食べていけるくらいの金は捻出できるだろう。

僕は才能があるわけでもないし、
コネクションでのし上がれるでもない。
ただひたすら続けることだけが大切だと
今は考えている。

だけど好きな世界を好きなように造り出すことをメインにして
毎日を過ごせるなんて、
素敵だと思わないか。

いつまでもこうやって、学生のようなことを続けている僕は
他の友達から見たら
随分生きやすそうに見えるのだろう。
実際、僕もそう思うし、感謝もしている。

君は僕みたいなのにまた憧れるのだろうが、
色々な縛りに抵抗を感じながらも日常をつつがなく送っている人々が
僕の何倍も努力していることを
どうか忘れないでほしい。

弱そうにしていることは
じつは物凄く楽なことなんだ。

最近料理をよくする。
節約しないとね。
今日はだしまき卵に挑戦したよ。
絶対に君のよりうまい。
今度食べさせてあるよ。

他愛のないことだった。
今日書いたのは、ホワイトデーだから。
飴の代わりにお薦めの本を同封します。
気に入ったら読んでみてほしい。


敬具





2003年03月14日(金) 「放っておいた 音が前触れもなく こみ上げたせいで 泣き崩れそうになる」(「夜汽車」)

メモ。

■「決められたレールの上をつつがなく走る幸せ」


電車でGOプロフェッショナル2の
中吊りに驚かされた。

いや、沿線で火災が起きるかもしれないぞ。



■ナムコの採用情報
求める人物像に
「文章を書くのがすきなひと」とある。
こういう条件を初めて見た気がして、感動した。

出版社のエントリーシートに「本が好きです」と書いたことがない。



■「あなたは絶対行けるわよ」

出版志望の友達を励まし続けていたら(本当にそう思うから)
「なんかこうやっていわれていると受かるような気がしてくる」と。

褒めると嫌がられることが多いので
とても嬉しかった。

勿論一方で、否定することを覚えない限り
誰とも議論できないままだと反省もする。



■心のこもったメールを二通、頂く。

私の書いたことひとつひとつに
頭がこんがらがるほど向かい合って頂いたことが
文面からあふれ出ていて、心にしみた。

触れること、向かい合って話すこと、肉声。
それらばかりが生々しいコミュニケーションだという意見に
やはり私は反対だと思う。



嬉しかった近況を並べた。
「普通」などない。
「本質」などない。
そう思うことで最近とても楽になっている。



2003年03月13日(木) 「あなたは困難を克服し、何を得ましたか?」

週刊ダイヤモンドの副編集長の方にお会いする。
非常に人間ができた方で
さすが、という踏み込んだ一言をくれた。

だいたい、答えが出ないことを
さも答えがありげに書かなければならない就職活動において
テクニックの先にあるものをしっかりと見据えてくれる方がいるというのは
非常にありがたい。

それでこそ
うんうんうなって
うなりにうなって
「これを得ました!」と
はっきり明るく言えない私の、悩む意味もある気がする。



以前(「考える人」の雑誌研究のとき)に書いた
伊丹十三のエッセイの話を作文にした。
「私自身は無内容な容れ物でしかない」という文章。
伝える仕事がしたい、しかし伝えるものは私自身の内面ではなく
人から聞いた話、人の生き様、人の技に過ぎぬのだと。

「よく分かるしそのまま出していいと思うけど
こういう姿勢って、本当はずるいんだよね」ということだった。

うすうす気づいてはいたが
話を綺麗にまとめるために省いていた核心を言い当てられた気がした。



本当に無内容な人は、自分のことを無内容などとは言えないし、
本当に不細工な子は、自分のことを不細工だなんて恐縮しない。


「自分のことを頭が悪いなんて言わないで」と友達に怒られたことがある。

そんなあたりまえの事実を、わざわざ口に出していた私の
未熟さ、傲慢さをいまさら思う。



2003年03月12日(水) 旅行日記 京都三日目-大阪



2003年03月10日(月) キャラクター日記 第一回

キミと映画を見た帰り、
駅を降りたら
西の空にきれいなみかづきが見えた。

他の星は空のまん中に
堂々と散らばっているのに
それははじっこに、
ひとりぼっちで
でもちからいっぱいひかっていた。

もうすぐはるがくるなんて
ぜんぜん信じられないくらいさむいよ。
でももうオリオン座はいない。



ボクはコンビニで肉マンを買う。

ひとりの部屋でふうふうしながら食べると
なぜだかはらはらとなみだがこぼれる。

キミの顔や、

鼻にかかったコエや、

ディオールの香りや、

骨張った細い指にはまったボクがあげたリングや

抱き締められた時のごつごつした肩や

そういうのが全部、いとおしすぎて声にならない。


たまたまつけたテレビではフランス映画を流してて
キミも見てるのかなって思いながらぼんやり目をやる。

この瞬間に、キミはボクのことを考えてくれてる?
ほんとにほんとに、ボクとおんなじくらいの強さで?





北川恵吏子+浜崎あゆみ+愛内里菜+江國香織+魚喃キリコ(の細部)
というつもりで書いてみました。

最近キャラクター小説というものが
大変面白そうだ、と思ったので
自分というものの匿名化を日記からはかっていこうと思います。

「そういう分裂病みたいのは
援助交際してる女子高生が
学校だといい子やってる原理と同じことだよ」
と友達にはいわれたのですがまあ、とりあえずストレス解消になるので。

実はこのあいだひとつへにょへにょキャラものを書いて
あまりに気持ち悪いのですぐ消したら
たまたま見てくれた人がいらして。
あれは気持ち悪くて良かったよとおっしゃって頂いたので
新しいのを載せてみる次第です。



2003年03月09日(日) 宮沢りえちんになりたい(切実)

御無沙汰の方も多いし、
日常の報告もしないとね。

手紙日記だけと言うのはあまりに狂気の沙汰だ。



■一冊の本に出会った。本当に面白い本だった。
もしかしたら私の人生を変えてしまうかもしれない。
どうしよう今さら。

大塚英志「キャラクター小説の作り方」(講談社現代新書)。
キャラクター小説
(いわゆるオタが読みそうな、漫画が表紙のやつ)の位置付けと
その可能性について。

私が今まで分からなかった
「スターウォーズやガンダム、SF、を好きだ」
さらに言うなら「椎名林檎は嫌いだ」
と言う人々の気持ちがやっと理解出来た。

いま、オタが読みそうな、ということを書いたけれど
この本は決してオタのみに向けて書いた内輪ものではない。
キャラクター小説家を目指す人でなくても楽しめる。

何より、私を一日にして
「角川書店第一志望」の女の子に変えてしまった。
(本当に今更、ねえ)



>仮構にしか描けない、と自覚することをもって、
>初めて描き得る「現実」があるのです。
>とうに「現実」と向かい合うことを止めた多くの文芸誌的「文学」の
>真似をすることはないのです。

著者はキャラクター小説を目指すオタたち(で失礼ならばサブカルチャー好きな彼、彼女・・・私も含んでくれるかな)
に訴えている。

手塚治の素晴らしさは、記号であるところのキャラクターを用いて
現実の「死」「壊れやすい体を持つ人間」という現実に挑んだことだと。

>いいですか、人が撃たれたら、血が流れるものなんです(村上春樹)

それを忘れてはいけない。
現実と全く違う世界をつくり出す君たちだからこそ、
忘れてはいけないのだ。



自分の内面を曝け出さない表現に、一体何の意味があるのだろうかと
ずっと思ってきた。
しかし、今新しくやりたいことが見えたという事実を前にして、
私は変化した自分に気付く。



魚喃キリコ「短編集」の女の子全員が、
あまりに私そのままで
でも泣けなかったのはそのためなのかもしれない。

(言ってることがわかんねえよ、という方は本を読んでください。
絶対面白いから)



■「戦場のピアニスト」
「水戸短編映像祭セレクション」
「アレックス」
「曖昧な未来」
「青の稲妻」
「アカルイミライ」
ゴダール二本立て

最近(結構前のもあるけど)映画を見ている。
映画好きの人にお勧めしてもらっているうちに
帰りによっていくのが少し癖になって。
ささやかな楽しみ。

とやかく言えた身ではないけれど
「戦場のピアニスト」は実際にあったお話の物語化らしく、
そのせいかだらだらしてしまりがなかった。
ドラマティックでもないから泣けない。

まあだらだらしてしまりがなく、ドラマなんてないし
ノイズだらけなのが
実話というものだというなら
それはそれで大変賛成である。



■一人称
魚喃しかり、林檎しかり。
どっかのポエマーしかり。
「ボク」という表現を文語で使う女の子が増えているのは何故?

ちなみに私は
ワタクシ、ワタシ、という表現を使う男性を
折り目正しくて素敵だと思います。

貴乃花の引退会見のときに感じたこと。



■夜中、陰気に「GOOGLE鬱」になってたら面白いものを見つけた。
松尾スズキと天久聖一を足したような陰気?

http://death.s15.xrea.com/



2003年03月07日(金) 手を伸ばして その冷たい指先 触れてみたいけど 君は窓の外見てる(「夜汽車」)

前略 王子様

完全に沈み切っています。
わけもなく。

なにかっていうと思慮が足りなくて呑気にしていられそうで
あなたよりずっと躁な人間であるところの
私が、実は何も持っていないのだと思い知らされる瞬間が
一番辛い。

そうか。「わけもなく沈む」というのは嘘だ。
何の因果関係もないのなら、状況の変化など起こり得るはずもないんだ。



ななめに構え過ぎて、もう元に戻れなくなっているのよ。
部屋の隅でひざを抱えて、「おえっ」となっている自分
を見ているもうひとりの自分がいて、せせら笑っている。
それをみるもうひとりの自分が本当は痛いやつのくせにななめだとよ
とせせら笑っている。

そういうのが50人くらいで外側に鉄壁を固めた結果
私は今、至極安全なところに来てしまいました。

前はもう少し、未熟な感じではなかったでしょうか。
いじらしくて、痛々しくて、ひりひりした女の子ではなかったでしょうか。



映画の帰り道、
夜中に電車に乗ることが多くなりました。
山手線最終電車の、一本前くらいに。

微睡みの入り口くらいから、
ママレイドラグの「夜汽車」が頭の中に流れます。
いつも、誰かが隣に座っているような気がして
目がさめ、涙ぐんでいる自分に気付くのです。

人間の生理、排泄物は正直です。



生活のこと。

オムライスに凝っています。
毎日作ってはいろんなおソースをかけて楽しむの。
(例の)男の子との食事も
私のオムライス味見の日々に変化しました。

私自身は全く飽きが来ない素晴らしい料理だと思うのだけれど、
いい加減にしてよ、とクレームがきたから
そろそろハンバーグ三昧に方向転換するわ。

三島由紀夫「レター教室」を
お友達に借りて読みました。
それにしてもお手紙と言うものは、なんと
折り目正しく清らかなものなのでしょうね。

改めてあなたとの文通を、愛おしく思います。



こんなことを書いたけれど
先日は肉声のお電話、本当に有難う。
日本に帰っていらしたのね。
近いうちにお会いしましょう。
それまでには気持ちを持ち上げておきますから。
スポーツ選手みたいに、管理は自分の責任だと思っています。

日曜日、上野の森へヴェルサイユ展を見に行きませんか。
私はベル薔薇を読み返したせいで、オスカルに夢中なの。



ではまた。
春はまだかしら。



かしこ

れいこ



2003年03月06日(木) お蔵だしで更新をしたことにする売れっ子作家のような手口

今日は疲れたので、就活用に書いた旅行記をそのまま張り付けます。


なんだか出来過ぎなくらいの「いいこちゃん」文が
普段のぐだれ日記と違いすぎて可笑しいわ。

私は小学校中学校と頑張り抜いて優等生をやっていた関係上、
(そのあとやさぐれてしまい今に至る)
「賞がとれる文章」というのを感覚的に体得していました。

だからこのような文体が私の原点なのかなという気がします。
起承転結が決まり過ぎると、作品としては面白くなくなるという好例です。

注)加筆、修正前のものですので誤植など至らぬ点は多々あります。




「もどかしいから伝わるもの」

 大学二年生の夏休み、一人でベトナムを旅行しました。一ヶ月間も日本を離れるのは、初めての体験でした。旅行初日に参加したメコン川クルーズで突然2万円をぼったくられ、私はホーチミンの街で途方に暮れていました。その日に泊まる安宿を探していたとき、バイクタクシーの運転手であるャンおじさんが助けてくれました。その出会いをきっかけに、私と彼の「ベトナム南北大移動バイクの旅」が始まったのです。


 おじさんは職業柄、なかなか流暢な英語を話し、私もそのおかげでどうにかコミュニケーションをとることが出来ました。
一ヶ月の間に、私はホーチミンからスタートしてメコン川の町カントー、ミトー、ソクチャン、ヴィンロン、さらには海岸沿いのリゾート地ファンティエット、最後に古都はフエまで、ずっと彼の運転するバイクの後ろにまたがっていました。


 ガイドブックのない旅は、「冒険家っぽい」日本人旅行者にはひとりも会えなかった代わりに、沢山のベトナム人の生活に肉薄することが出来ました。

 ャンさんはあらゆるごちそうで私をもてなしてくれました。彼の家族(私と同じくらいの娘さんがいました)と一緒に家庭料理を食べたり、市場の屋台でフォーと呼ばれる麺をすすったり。


 ソクチャンでは彼の大学時代の友達だという男性の家庭で、子供たちと鍋を囲みました。カンボジアの国境に近い町は、ホーチミンとは違って貧しい生活があからさまに垣間見られ、船の中には物乞いをする人々が沢山寄ってきました。日本人相手の店で、売春婦をしている女性たちにも沢山会いました。ャンさんは彼女たちと仲良く話しながらも小声で、「あの子たちに近づいちゃだめだよ。」と言うのです。まるでテレビのドキュメンタリーみたいだ、と思いました。


 しかし、一週間ほど一緒に旅を続けていると私は慣れない英語でコミュニケーションをとることにも疲れてきて、ャンさんの欠点も目に付くようになりました。初めのうちは「親切」と感じていたものが、わたしの中で「おせっかい、押しつけがましさ」に変わりました。彼は私にはとうてい食べられない量の食べ物を出してきて、「もうおなかいっぱいだよ」と言っても「遠慮するな、遠慮するな」と言って自分の分まで差し出してきます。

 
 断言するようなものの言い方にも疑問を感じました。「日本の男の子はみんなピンサロに行く。女の子は若くてハンサムなガイドを買うんだよ。」   「東京は物価が高い。ゴミで汚い。ベトナムは何でも安いし果物が新鮮だ。」事実だからこそ苛立ったのかもしれません。居心地の悪さや疲れを感じたときも、わたしはそれを彼には伝えず、いつもへらへらと笑顔でいました。英語で日本の文化的背景を説明するのが面倒くさかったし、何より、ャンさんと気まずくでもなったら私はこの異国の地にひとりで放り出されてしまうのだ、ということが怖かったのです。


 旅の中盤、二週間たった頃に、私は食中毒になりました。のたうち回るような腹痛と吐き気が一晩中襲ってきて、眠れない苛立ちと不安で私は一人で泣きました。ムイネーという小さな海岸の町に泊まっていたときでした。原因は、昨日たっぷりごちそうしてもらったム「食べさせられた」とその時の私は思ったのですがムシーフードにほぼ間違いありません。「下痢」「ここでしばらく安静にしていたい」「病院に行くには保険証がない」英語はすぐに浮かばなかったけれど、我慢の限界に来ていた私は、すべてをャンさんに伝えなければ、と思いました。


 翌朝、おなかを押さえながら辛い病状を話しました。予想通り、ャンさんは本気で心配してくれたのですが、また食べ物を出してきました。「食べないと元気が出ない」「遠慮することはない」・・・なんて無神経なんだろう。”LEAVE ME ALONE!”(ほっといてよ!)私のいらいらがついに噴出し、叫んでしまったのを覚えています。ャンさんは驚いた様子で、“Sorry, sorry”と繰り返しました。興奮していた私は、その場でただ泣くばかりでした。


 ャンさんはしばらく黙ってから、きれいなホテルを手配し、「ここで今日は一日寝ていなさい」と言って出ていきました。薬と沢山のミネラルウォーターも買ってくれました。


 次の日、またバイクで迎えに来てくれた彼に私はすべての本音をうち明けました。日本のガイドブックには「生ものは食べるな」と書いてあるので不安だったこと。それでも好意に背くのが嫌で断れなかったこと。この人も“ぼったくり”ではないかと常に疑ってかかっていたこと。つたない英語では伝わりにくい、ベトナムと日本の文化の違いがあること・・・時には辞書を引き、紙に単語を書きながら必死で説明しました。彼はすべてを受け入れ、父親のように優しく私を理解してくれました。私は、両親以外の他人に対してこんなにも自分をさらして向かい合ったのは久しぶりだということに気がつきました。


 言葉が通じる日本では、どうでもいい話でとりあえず人間関係をつなぐことができます。伝わらないもどかしさを知るまで、私はそのことにさえ無自覚でした。本音を語らずに、すこしずつの我慢を重ねていても、それほど苛立つことはなかったのです。しかし、それは本当のコミュニケーションではなかったことに、ャンさんとの交流が気づかせてくれました。


 浅く広い交友関係は居心地がいいけれど、私にとっては意味のないものだったと思います。ベトナムでは日本では見ることのできない大自然や、食べ物、貧しい生活、片足のカンボジア人、日本の工場群、きれいなアオザイの女性の存在を直接体験しました。


 しかしもっとも大きな収穫は、どこの国でもあるはずの人間と人間の、一対一の暖かい交流だったと思います。暖かい、というのは生ぬるい(=どうでもいい)ということとは違います。わがままとも言える本音を受け入れてくれたャンさんのおかげで、私はそれを思い出すことが出来たのです。それと同時に、自分の人間の小ささ、自己中心的であったことを思い知らされた良い機会でもありました。



2003年03月03日(月) 渋谷

過食症の悩みをチョコケーキを食べながら打ち明ける
デルフォニックスで眼鏡を選ぶカップル
リクルートスーツの女子学生とサラリーマン風の男性が焼肉屋に入る
透明少女っていわれればそう見えるよね、って言われても
私には全然そんなふうに見えないけれど
銀座線は外苑前を過ぎた
傘の盗難
「アレックス」
体がずっとだるいんだけどこれは花粉症の薬の副作用なのかなあっていう人がいない
二人で楽しそうにフレッシュネスバーガーを食べる
帰りに買った流行通信に松尾さんの連載がないのが、今になってこたえた




・・・と
最近不思議系・手紙系に走りつつある私であるが、
勿論相変わらず
普通の女の子としての日常も嫌と言う程こなしている。

なんとなく不思議なことや「ふわふわ系」のことを言っておけば
アーティストっぽく見えるだろ、という文章が私はあまり好きではない。

のにも関わらず王子が海を見てしまったりして申し訳ない。

上の単語日記を想像力丸つぶれにして訳せば

「今日入ったカフェで隣の席が過食症悩み相談の女の子だったけど
それをケーキ食べながらやっていて、これはどうなのかと思いました。

その後渋谷のパルコの地下をぶらぶらしていたら
仲睦まじげに眼鏡を選んでいるおしゃれカップルを見て
羨ましくなりました。

リクルートスーツで歩き回るのは嫌なものです。
あ、仲間がまたいたよ、と思ったら
彼女は社会人ふうの彼氏と焼肉しにいくとこでした。

渋谷を歩いているといつもナンバーガールの
「透明少女」を思い出します。
ナンバガ好きの友達が以前
渋谷を歩いてる女の子はたしかに透明に見える!と言っていたが
そういう電波系の話は私には理解できないよ、と思うのです。

銀座線は千代田線とにかよったところを通るのねえ
でも外苑前が違うわ。

東急の前の映画館で「アレックス」を見たら
傘を忘れてしまって、急いで戻った時にはもうなかったのよ。
ふう。

体がずっとだるいのよ、とか
花粉症つらいのよっていろんな人に言いたいけど
最近あんまりお友達に会えていないなあ。

フレでバナナケーキを食べていたら
向いのカップルがべたべたしてました。

装苑と流行通信を買って帰ったんだが
ああそうだ、今号から「顔はやめて!私は女優よ」が打ち切りなんだった。
就活で辛い時期だから
松尾さんに助けてほしかったよー。
だるだるだる。」


という、ふつうの駄目日記を
まるでさも脳裏を貫くナイフのような言葉!みたく
かっこ良くお送りしていただけなのである。

おやすみ。








2003年03月01日(土)

前略 れいこ様

毎日眠っている。
眠っているだけだ。

夢を見た。

海の夢だった。
とても高いところから
僕は海を眺めている。

海は透き通って、白でもなく青でもなく
ただ透明にきらきらと輝いている。
美しい世界だった。
世界は美しい、そうはっきりと口に出したかった。
口に出したら目が覚めた。



誰にも会っていない。
眠っているだけだからだ。
誰にも会いたくないのかもしれない。
日本の友達から電話がかかってきた。
スペインに来るので案内して欲しいという。
突然、誘いを断ったら怒ってしまった。
人にまで迷惑がかかった。



僕は小説を書こうと思う。
君との手紙のやりとりで気付いた。
僕には書きたいことが沢山ある。
考えることは、誰にでも出来るのだという。
それを文章にしたり、音楽にしたり、絵画にしたり、
表現に変化させられる人が才能のある人なのだという。



僕には何も降りてこない。



でも書きたいんだ。
モデルは君にしようと思う。



体がだるい。
最近ずっと調子が悪いよ。
言い訳に聞こえるかもしれないけれど。

ではまた。


敬具


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