きまぐれがき
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2004年06月30日(水) 食べなきゃ痩せると鳳蘭は言った



3日にあけず登場するエリンギのフライに、家族はあからさまに
嫌な顔をするが、私はすっかりはまってしまっているのだ。
「7日間脂肪燃焼ダイエット」では決して許されない食材ばかりを、
ふんだんに食べてしまう至福の時。

ダイエットを本気でする気があるのか、どうなのか、ということ
なのだが、ハリウッドヨガのDVDを見ることは見た。



見ているだけで力が入って、心もち体重が減ったような気が。。。。。
そんな奇跡を願って楽したいと思っていた数日前......私はインシュリン
ダイエットで驚異的に痩せました。
というメールをいただいてしまった。
その方はなんと20キロ痩せられたとか。

ああ、ならばこのインシュリンダイエットにしようかなあ。
幸い(というか何というか)まだなんのダイエットも初めてないこと
だし.......


そしてその方は、幸せなご結婚をされたばかりであるのに、
エンゲージリングを失くしてしまい、涙にくれていらっしゃるという
ことも書かれてあった。
そりゃあ泣いちゃうだろうなぁ。
思い出が一杯詰まっているだろうに、なんとか見つかって、また元の
ようにしなやかな美しい指で、燦然と輝いて欲しいものだと願って
いるこの私は...........わずか数ヶ月嵌めただけの自分のマリッジ
リングをうっかり捨てちゃったのだい。

             ××つづく××



2004年06月22日(火) 今度こそ励めよハリウッドヨガ

お財布を忘れてしまった為に、[ただ食い」をして来た前回の
日記のお店には、お詫びに清々しくて甘くて妖しげな香りを放
つカサブランカを持って支払いに行き、そのついでにシナモン
たっぷりのトーストをブランチがわりにいただいて来た。



仕切りなおして今週から「7日間脂肪燃焼ダイエット」に突入
しているはずなのに、あ〜あ食べちゃってます。


先週末、なんだか気合が入らず野菜スープを作るのも億劫だよ
なあと思っている私のところへやって来たのが、たぷろうさんだ
った。
仕事帰りに、光ファイバーへ変更すると「こんなふうになって、実
にいいのだよ〜」の説明をしに、我が家に寄ってくれたのだ。
しかしADSLと光ファイバーを比べて、速度よりも主に料金ばかり
が気になる私。

それよりもなによりも驚いたのが、久しぶりに逢ったたぷろうさん
の体型だ。
上半身の厚みというものが無くなって、風が吹けばヨヨ〜と吹き
飛ばされてしまいそうに、華奢な姿となっていたのだ。
激痩せして世間をアッ!と驚かせた時の宮沢りえのようである。

訊けば「1日15分DVDでレッスン美しくやせる!ハリウッドヨガ」
効果なのだとおっしゃる。
ハリウッドと名の付くものを選ぶあたりが、たぷろうさんらしいと
感じなくもないが、だいたいハリウッドヨガって普通のヨガとはどう
違うのだ?

わずらわしい野菜スープなどを作らなくてもよくて、特に食事の制限
もなさそうで、わずか15分かそこいらの時間をDVD見ながらヨガに
励んでいるうちに、あのような華奢な身体に生まれ変われるものな
らば、迷わずこっちにしようと決めちゃった私を誰も責めないで。
さっそくDVD付きの本をネットで購入。
「7日間脂肪燃焼ダイエット」を奨めてくれたN子ちゃん許して。

「へへ本人の意思次第」だなんて、耳たぶでスキップしているこの声
を静まらせるためにも、意志薄弱なりに頑張ってみようか。



米国でクリントンの回顧録「My Life」が刊行された。
売れ行きがいいらしい。
モニカ騒動の時にはヒラリーからも娘からも口をきいてもらえず、
ソファーで寝る毎日だったとか。
ご夫婦間の危機を、よ〜く乗り越えたわね、とあの騒動を思い出して
笑いそうになってしまう。

日本語版は9月に朝日新聞社より刊行だとか。



2004年06月17日(木) 支払う時にハッと

そんなわけで「7日間脂肪燃焼ダイエット」は、来週から(喜)
翌日から取り組めばいいものを、わずかながらでも先送りする
ところに、やる気のなさがうかがえるというものだ。

なので今週は、身は重たいが心は軽い。
軽くなったついでにスーパーまで40分かけて、日傘をさして
スイスイと歩いて行ってしまう。
辿り着いた時にはやれやれと、このような甘味に手を出すとい
うお決まりコース。
それでもいちおう、カロリーが最も少なそうなプディングに。



さて支払いの段になり、バッグの中を引っ掻き回せどお財布が
ない! 家に置き忘れて来たらしい。
お財布がなければカードだってないのだ。

結局ツケなどにしてもらったのだが、以前梅田のホームの階段を
踏み外して、周りの人間を巻き添えにしながら14・5段ほど落ち
て行った時よりもずっと恥ずかしかった。


あの時、バッグの中身がばら撒かれてた階段下で、行き交う人の
間をぬって、しゃがみ込みながら移動しつつ中身を拾い集める私
の姿はどんなにアホっぽかったか。
それでも、今回のお金が絡む失敗に比べたらどおってことない。

「アンタ、落ちたんかいな」なんて分りきっていることを嬉しそうに
訊いてきて顔を覗き込むおじさんから逃れたい。
「このバファリンもアンタのやろ」とわざわざ固有名詞を言いながら
拾ってきてくれたおばさんは、私のお財布も拾い上げた時に「わた
しの財布とおんなじや」と言って、手さげからご自分のお財布を見
せてくれたりした。
「な、おんなじや」と言われても、こんな状態でくつろいでいる場合
かと、おばさんからも逃れたかった。
ただそれだけで、羞恥心は感じなかったものなあ。


で、お財布を忘れたのなら仕方がない。
書店に寄って立ち読みでもしてから帰ろうと、書棚をぼんやり眺めて
いると、なにやら向こうの棚から磁力を感じる。
呼び寄せられるようにそこに行ってみると、むむ「帰郷シチーリアへ」
が目に飛び込んできた。 ダーチャ・マライーニではないですか!
ほとんど新刊しか揃えてないような寂しい書店で、ダーチャに逢える
なんてとしばし感激。

もちろん取って置いていただくことにして、また40分かけて歩いて帰
って来たので、日傘からはみ出した手足の日焼けがお土産となった。


2004年06月14日(月) 挫折の繰りかえし、ダイエット

今日から、友人のN子ちゃんが1ヶ月で5キロ痩せたという「7日間
脂肪燃焼ダイエット」を私もはじめるつもりだったので、糖分なしで
も凶暴にならず最初の一週間を無事に乗り越えられるよう、昨日は
甘味まとめ食い。

まずはクリームフルーツあんみつ。
黒蜜じゃなかったのが残念。




そして作夜は、ダイエット食となる野菜スープを煮込んで今朝に備
えた。
6月にしては湿気少なくうるわしい目覚め。
そんなスープのことなどけろりと忘れて、何時もとおりにトーストと
紅茶の朝食をとってしまった。
小麦粉に、バターとジャムも絶対口にしてはいけないのに。
「おんや?あのお鍋は?」
中の野菜スープを見て「あっ!」と気がついたけれど時すでに遅し。
何故だかほっとしている自分。

N子ちゃんに言わせると、ダイエットに励む前にそもそもダイエットして
やろうという決意に欠けている、らしい。スタートからこれでは、もともと
が欠けている決意なんだもん。ぐらぐら揺らいで今回も始める前にもう
挫折?

もう一度しきり直しで来週から。 えっ?




2004年06月09日(水) それぞれの思い出.......ダーチャとフォスコ・マライーニ

朝刊の死亡欄にフォスコ・マライーニの名前を見つけて、添えられて
いる略歴を読んでいるうちにさまざまなことが脳裏を駆け巡った。

かつて読んだ須賀敦子のエッセイに、イタリア人のユキ・Mという人と
初対面だったたにもかかわらず、別れる時間が惜しいほどに話がはず
んだことなどを綴ったものがあった。
これを読んでいる途中で、このユキとはマライーニ家の娘なのではない
かと気がついたのは、学者の父親とその長女でユキ・Mの姉にあたる
ダーチャの記述のくだりまで来たときだった。

父親は人類学者で家族とともに北海道で過したことがあり、長女ダー
チャは作家として成功しているとあったので、イタリア文学をほとんど
知らない私でも「ああ あのダーチャ・マライーニだな」と、これより何年
か前に観た宮本亜門演出のストレート・プレイ「メアリー・ステュアート」
を思い浮かべたのだった。

ダーチャ・マライーニの戯曲「メアリー・ステュアート」は、生涯会うこと
のなかったメアリー女王とエリザベス女王を、夢の中で会わせて互い
に許し合うという設定のもとに描かれた二人芝居だった。
一旦舞台の幕が開いてしまうと最後まで場面転換はなく、役者は舞台
に終始出ずっぱりという、役者にとって緊張と集中力を強いられるだろ
う芝居だった。
さらに二人の役者がメアリーとエリザベスを演じながら、それぞれの
侍女にもなるという二役、場面によっては三役を演じるので、観客も
ぼんやり観ていると混乱の極みとなって、さっぱり訳がわからなくなる
芝居でもあった。
演じる側も見る側も気は抜けないが、宮本亜門の演出はリズム良く運
ばれていき胸をうつ終幕となっていた。


須賀敦子のエッセイには、須賀がユキ・Mと会ったずっと以前、まだ
ローマで勉強をしていた頃に、M家の蔵書の整理の依頼を受けて数日
間M家に通ったおりに、ユキ・Mとダーチャの父親であるM氏と、それに
ダーチャにも会ったことがあると書かれていた。

このM氏が、今日訃報を伝えられたフォスコ・マライーニだ。91歳。
第2次大戦末期に、シチリアの貴族出身の妻、まだ幼かったユキ、ダーチャ
ら子供たちと名古屋近郊の強制収容所に入れられたそうだが、解放された
後イタリアに帰られてからも変らずにずっと日本を愛してくれていたのだ。


2004年06月07日(月) デヴィッド・ルヴォーを探して、トニー賞

トニー賞授賞式
毎年この賞になにかしらノミネートされている常連デヴィッド・ルヴォー
を見るために、いそいそと録画のセットをする。
今年のルヴォーはミュージカルとプレイ、それに演出賞だ。

オープニングは12頭身童顔ヒュー・ジャックマンのラインダンスですよ♪
歌は「ワン・ナイト・オンリー」ですよ♪ キャーーーーー
画面の中の熱気に負けじと、私もつられて朝っぱらから声高らかに歌い
ひと踊りしてしまう。

「ララバイ・オブ・ブロードウェイ」にも自然に身体が揺れてくる♪
実にご機嫌な気分の時に、ふといやな予感が過ぎったので録画途中の
ビデオテープを巻き戻して見てみると、やっぱり音声しか入っていなか
った。
たまにこうなる。こうなったらお手上げ。
なぜ我が家のビデオは、録画ボタンを押しさえすればそれでいいという訳
にはいかないのだろう。
仕方がない。録画はあきらめ外出の予定も変更して、3時間TVの前に座
りこんで見ることに。

結局わがルヴォーは受賞をのがしたけれど、この秋にはtptの「ナイン」で
来日してくれるので、もはや心はそこに飛ぶ。

http://www.tpt.co.jp/

亜門に「趣味悪くない?」と言われていた豹柄ラメ入りキラキラシャツに
黄金テカテカパンツのヒュー・ジャックマンの禁断のダンスとやらには
ノアさん、さぞかし身もだえしたことだろう。
そして予想とおりの受賞では、客席の妻にむかっての「ダーリン愛してい
るよ」のスピーチに、ノアさんどんなにへこんだことだろうよ。

ところでこの中継、日本のスタジオでの進行役の亜門は適材だと思うけれ
ど、NYでのあの3人娘は必要なものなの?
ピーチク五月蝿いだけだったのですが。


そうそう女優賞候補にあがっていたアイリーン・アトキンス。
彼女とヴァネッサ・レッドグレイブとの二人芝居で、アトキンスが書い
た脚本「ヴィタとヴァージニア」の日本での版権を買ってくれる人が現れ
ないものだろうか。
ヴィタとは「オルランド」のモデルにもなったシシングハーストの主ヴィタ
・サックヴィル=ウェスト。
ヴァージニアとは言わずと知れたヴァージニア・ウルフ。



「危険な関係」の演出で日本に初お目見えした頃のルヴォー。
20代!若っかい!



2004年06月06日(日) 泣いてしまうニュース

フリージャーナリストの橋田信介氏と甥の小川功太郎氏のご遺体は
バンコクで火葬にされた後、日本に戻られるそうだ。
この時には、今度こそ、わが国の総理に心からの哀悼の意を表して
もらいたい。
お二人が襲撃された時の総理のコメントは、死者を悼むというあたり
まえの礼儀を忘れた冷たいものだった。
ご子息とお孫さんを同時に亡くされ、故郷で待つ橋田氏のお年を召し
た母上のためにも、その心情を思いやる心を表してほしいものだ。

過去にも、橋田氏のようなジャーナリストによって現地で何が起こっ
ているのか本当のことを知らされてきた。
真実を知るすべを持たないものは、どこかの将軍さまの国民と同じ
ではないのか。
このニュースを見るたびに、気丈なご家族を見るたびに、
私は涙が出てきてしかたがない。


2004年06月04日(金) アダムの誘いで古きよき時代へ?

ジンマシンを抑える薬を飲むと、それが半量であっても指先から
しんしんと眠気とだるさが襲ってくる。
先月末、そんなダルダルの身体を引きずるように行って来たのが
アダム・クーパーの「オン・ユア・トウズ」。

フェスティバルホールはどうも苦手な劇場だ。
前の方の席だと舞台に立つ人の足元がまったく見えなようにでき
ている客席なのだ。
それを知らずにバレエを観てしまった時の悲劇は忘れられない。
足元を観ることができないバレエなんてと、ずっと座席でもがき
ながら設計者を呪っていたほどだ。

今回は5列目。ここなら大丈夫だろうと踏んでいたところ、この
辺りの席でも座高を高めにしないと観ることができないのだった。

リチャード・ロジャースといえば、オスカー・ハマースタイン2世と
コンビを組んでからの作品しか知らなかったけれど、この「オン・
ユア・トウズ」はそれ以前にロレンツ・ハートとのコンビで一時代を
築いた頃の作品なのだそうだ。
これがアダムの初ミュージカル。

そんな往年の作品にと、以外な感じがしないでもなかった。
だってあの白鳥のアダムが、だもの。

ところが、おぉう!歌もうたえちゃう!
タップも軽快かつダイナミック!
コメディーセンスもあるじゃない!
待たせて待たせて、待ちくたびれた頃に炸裂するダンスの「10番街
の殺人」。 
ほんとのところは、ここの場面でジワ〜ッと満足感が沸いてきたりして。

ジュディ・ディンチ主演の「リトル・ナイト・ミュージック」もそうだっ
たけれど、古きよき時代の作品をこうして甦らせて成功にもっていく
アダムの心意気には、英国人かたぎなるものを感じる。
それに比べて、古いものを大切に扱おうとしない我が国のありさまを、
嘆きたくなってくるのは、飛躍? 
だって演劇界、イプセンの作品にかなり冷淡な時代があったのでは?と
ひそかに思っているのですよ。




いただいてしまったポスター。




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