comfortable diary



打ち上げちゃった。

前の日寝たのは4時を過ぎていたのに、えらい爽やかに眼が覚めた。
打ち上げだ!今日は飲むんだ!うおおおおお!仕事も炎のごとくこなし、会場へ
向かう。私が会場に着いた頃には、撮影部隊はもうすっかり席についていた。
「これから編集作業に入るわけですが、本当にとてもいい作品になる自信が僕に
はあります!」という監督の挨拶&乾杯で宴が始まる。本当に嬉しそうだ!
監督、主演の小山田さん、脚本の鵜野幸恵さんにそれぞれ花束を渡し、挨拶を
ちょうだいする。

監督始め、こんなに自分達の街を褒めてもらったことがあっただろうか?
「函館は俺に任せろ。監督は洗濯機でいいから」という絶妙なギャグを飛ばし
つつも、地元スタッフに喝を入れてくださった美術の小沢さん。
「僕の目には素晴らしい函館が映っています」と撮影の上野さん。
「函館の雰囲気もちゃんと撮ることができました」と録音の伊藤さん。
「オー・ド・ヴィはたくさんの神さまに守られていた」と助監督の阿部さん。
本当に本当にどの言葉も胸を打った。プロの方々のあの自信に満ち溢れた言葉は
「オー・ド・ヴィ」が想像を超えた素晴らしい作品になる予感を感じずにはいら
れない。絶対にこの作品はじわりじわりと人の心に染みを作り続けるんだろう…。

普段はキリリとした方々のお酒の入った真っ赤な顔や、ちょっと恐い…と思って
いた方のとてつもなく優しい表情や(しかもありがとうとお礼まで言われて恐縮
してしまう^^;)、ハジケきった皆さんの表情が妙に心地よく、私も美味しいお酒
が飲めました。久し振りのお酒で少々酔いの周りが早いのを除いては順調、順調!

しばらくして監督が近くにやって来て、ちょっと話していると何時の間にやら
潰れていた(笑) きっと自分がどんな状態で寝ているのかは絶対にわかっていない
だろうと確信できる見事な潰れっぷり。さっき日本酒飲んでたもんなぁ・・・。
あぐらをかいて寝ていたはずが、コテって横になり隣の女性の膝枕で寝始めた。
うわ、かわいい…。彼の外した眼鏡をこっそりかけてみて写真を撮ってしまった
のはアタシです。ごめんね、監督(*^-^*)
そうそう、そういえばその席で、私は監督に写真を撮ってもらったのだ!
監督が私にカメラを向け激写!うわー、宝物!キレイに写っていますように…。
間違ってもシワだらけはいやっ!私らしく写っていますように…。

美術の小沢さんといろいろな話をしていて、号泣する。「オー・ド・ヴィ」は
ここにいる全員で作ったんだって力説してくれる。私もその一員だって言って
下さる。有り難くて、嬉しくて、そして淋しくてがんがん流れる涙。
(もう随分酔っている証拠だわ^^;)
助監督の阿部さんは非常にナイスガイ。年齢当てクイズとかみんなでしてた(笑)
最後に写真を一緒に撮ってもらう。感謝の言葉を弾丸のように浴びせていたら、
「ありがとう!」って抱きしめてくれた。感動(T_T)

宴もたけなわ。バスがきたので、一部のスタッフはホテルに帰り、残った人数で
また飲みにでかける。もちろん場所は「g」。
またもやそこで皆さんが気を遣ってくれ、私を監督の隣まで連れて行ってくれた。
でも実はアタシ、一昨日からあまりのラブラブ光線だしまくりで、少し反省して
いたのだ。相手のことも考えず自分のラブラブビームを放射しまくれば、大体は
ヒクよなぁ…。それでいてまた隣なんかに座っちゃったら、あまりにアレぢゃ
ありません…?

でも監督はそんなことお構いなしって感じで、今回は特別にたくさんの話を聞け
た。周りがみんな撃沈状態だったので、アタシと監督2人だけで1時間以上はお話
できた気がする。監督といるといつも緊張して、すっとぼけたことしか言えてな
かったアタシが、初めてリラックスしてお話できた記念すべき日だった。
敬語のオンパレードも抜きにして、ちょっと上の仲良しの先輩とお話している
ような気持ちになれた。聞きにくいこともたくさんきいた(笑)
例えば奥さんとの馴れ初めとか、好きな作品ベスト3とか。
でもこれは監督との大事な会話だったので、私のココロに鍵をかけてしまって
おきます。聞いても誰にも教えてあげないよ(笑)←自己満足(*^^*ゞ

監督がまた潰れた。そろそろ寝せてあげたいなぁ…。相当疲れているんだろうなぁ。
私もいい酔いだった。心地よい酔いだった〜。
みんなが一斉に腰を上げた。さぁ打ち上げも終わったぞ。
監督が起き、ジャケットを着て、立ち上がった。監督はいつものあの笑顔。
ミチヨはなんだか勝手に身体が動いちゃって、監督の首に手を回す。
監督も抱き返してくれた。「ありがとう、ありがとう!すっごく楽しかった!」
って呟いていたような気がする。ココロからの言葉だった。

外にでて監督を見送る。一緒に帰りたかったなぁ。←思い上がりにもホドが…^^;
それぞれに別れて手を振る。歩き出したらまた泣けてきた。
本当に終わってしまったって思った。太田さんに慰められながら、大門を泣きな
がら歩く。明日からぽっかりと空白の時間ができるんだって思ったら、悲しく
なった。…時間じゃない。心に空白ができるのが恐いんだ、きっと…。

街には枯葉がカサカサと舞っていた。
今年はもう紅葉は終わったんだっけ?そういうことに気付く間もなく、あっという
間に過ぎ去った10月。あ〜、そっか11月はその隙間を徐々に埋めていゆけばいい
んだね。そうだよね。

さー、明日からまた残業だ!くよくよしないでがんばるぞー!

2001年10月30日(火)

one more time,one more chance

とうとうクランクアップしちゃいました…。
駅前通を封鎖して(ボランティアスタッフ70人以上総動員)、雨の中スモークを
たき電車を走らせ…。人ひとりいない大門通りが狂おしいまでに幻想的に彩られ
それがなおさら寂寥感をかきたてるのです。穏やかな夜でした。願ってもいない
幸運の雨が降りしきりました。これが最後のシーンです。そしてとても大切な
シーンです。だけどこれで何もかもが終わってしまうという思いが、痛くて苦し
くて私は潰れてしまいそうでした…。
撮影終了の声を聞かぬまま、私はお夜食の炊き出しの準備に向かう。。
これも最後だから。最後の炊き出しだから…。

撮影はお昼から押し気味で、今日の撮影も時間いっぱいまでかかると思っていた。
が、予想よりかなり早くに撮影終了の電話が入る。え?まじ?もう終わったの?
ぎゃーーー!イモ団子汁が冷たいままだー!ココアも全て冷たいっ!
恐ろしい勢いで準備にとりかかる。みんな走っている。まるで形相は赤鬼だ。
(外のロケのお手伝いのつもりだったのでみんな非常に厚着だったの^^;)
準備を始めて何分もたたないうちに、みんな戻ってきた。ヤバい。150人分の汁が
何分で温まるワケがないっ。今までのなかで一番ビビった。一瞬地獄を見た(笑)
でも焦っても汁は温まらないので、もう開き直る。いつか沸くさ。

そんなこんなでロケ中最後の炊き出しは、とんでもない失態を演じて幕を閉じた。
でもこれもいい思い出。本当に楽しかった。

全ての後片付けを終えたのは2時も過ぎた頃だった。
このまま帰ろうかと思ったが、最後に皆さんにご挨拶をして帰ろうかということ
になり、2階のフィニステールに顔をだす。
スチールカメラのD氏に呼ばれ、床に座り楽しいヒトトキを過ごす。今回彼は
制作スタッフと映画祭スタッフ(主に女性だけど^^;)のいい橋渡し的な役割を
果たしてくれた。彼がいてくれたお陰で、仲良くできたスタッフがたくさんいた。
最後にお礼が言えてよかった。本当にありがとう。

そこに監督がやってくる。そして私たちの横に座りにこやかに微笑んでいる。
「最後の電車、いいシーンになりましたか?」と聞いたら、自信満々の笑顔が
返ってきた。少しでも不安があったら絶対にできない顔だった。いい顔だった。
本当に「オー・ド・ヴィ」は何かに守られている。こんなに絶妙なタイミングで
雨が降るなんて。絶対にすごい作品になる。自然までもがこの作品を応援して
くれている…。

ふと監督が私をみてこう言った。
「そのメガネ似合ってるよね」
うわっ。褒められた!もしかして監督、メガネフェチ?(爆)
「えー、ホントですか?メガネ外した方がいいって良く言われるんですよ〜」
「いやいや、本当に似合ってるよ」

そんなに似合ってますかっ、監督っ!
私はこれから寝るときもお風呂のときもメガネ外しませんっ!←バカ
あうー、この間買った遊びのメガネ(緑と茶色2個買ったの。だって1個8000円
だったんだもん)はしばらくしないでおくわっ。

フィニステールは異様に盛り上がっていた。
泣いている人も、疲れ果てて寝ている人もいた。でもみんないい表情してた。
何かを達成した人にしかできない表情だった。ちょっと羨ましかったよ…。
次の日も仕事があるので3時くらいで帰ることにする。
映画祭スタッフのTさんを送りがてら車を運転する。
狙ったわけでもなんでもないのに、山崎まさよしの「one more time,one more
chance」(月キャベのあの名曲)がカーステレオから流れてきた…。

どうしよう、もうだめだ。
張り詰めていたものがふっつり切れた。さっきまで我慢していたものが溢れ出す。

***************one more time,one more chance**********
いつでも探しているよ どっかに君の姿を 交差点でも夢の中でも
こんなところにいるはずもないのに
奇跡がもしも起こるなら今すぐ君に見せたい
新しい朝、これからの僕、言えなかった「好き」という言葉も
*******************************masayoshi yamazaki******

帰り道、ロケのあった電停、漁り火が灯る海、ハライソのカレー屋さん…をみて
彼たちを探していた。今日までこの街のどこかにいた撮影隊が明日からはもう
どこにもいない。監督もスタッフも…。淋しいなぁ…。淋しいなぁ…。
なんだか泣けた。これで終わるわけじゃ決してないのに。


2001年10月29日(月)

むぎゅぅ〜。

昨日は岸谷さんのアップの日だった。順三郎(岸谷さんの役名)らしく、
フィニステールでの終演だった。OKの声のあと、スタッフ全員「ドドドドっ!」
っと押し寄せ、大拍手で祝った。花束をもらった岸谷さんも心なしか嬉しそうで
とても晴れやかな顔をしていた。
それから夜食のおにぎりと、明日の夜食の仕込みに向かう。おにぎりを約100個、
イモ団子汁(これは北海道の名物料理らしい。私は初めて食べたけど^^;)の
団子を作る。ニョッキの丸いのを想像していただければいいかな?

前に話した今金町から参加しているM君が、自分の家で飼育している牛の絞りた
て牛乳20Lも持って来てくれて、急遽ココアを作ることにする。
全ての作業を終えると、夜中の11:00。岸谷さん用の打ち上げを行うため、私達
のホームグランドでもある「g」に向かう。

まだメンバーしか集まっていなかった。お酒を飲みながら、スタッフの登場を
和やかに待つ。徐々にたくさんの方々が集まってくる。小山田サユリさん、
ちょっと遅れて岸谷さん、寺田農さん。盛大な盛大な拍手でお迎え。みんなの
顔が笑っていた。みんな上気していて真っ赤だった。
そしてちょっと遅れて、篠原監督と撮影の上野さん登場!もうヤンヤヤンヤで
大興奮。俳優さん、監督、東京スタッフは奥の席に座る。私たちはドアの近くに
陣取り、今金町のM君と、監督がいかに好きかを熱く語り合う。
監督の周りにギャラリーがいなくなったら、ちょっと一緒に写真撮ってもらおう
と虎視耽々とチャンスを伺う。そりゃ岸谷さんはかっこいいし、初めてお会いし
た寺田農さんは目眩を覚えるほど渋くて素敵だし、隣でお話してみたいことは
たくさんあったけど、私たちにはそれよりも何よりも、監督と同じ空気を吸って
いることに意味があった。ここにいることに意味があったから、岸谷さんたち
からサインを貰おうとか写真を撮ってもらおうなんてあまり考えなかった。

そこに今回炊き出しで一緒にがんばったyouさんに手招きされる。youさんの隣に
は人なつっこい顔で微笑む監督の姿があった。仕込みをしながら、合間にお茶を
飲みながら、私がどんなに監督をスキかyouさんに語ったことを、彼女は忘れて
いなかったんだ〜。そんな心配りができるyouさんをとても好きだと思う。
M君も連れて行き、今まで聞きたかったたくさんのことを質問しようとするけど
なかなか言葉がでてこない。あんなに頭の中でシュミレーションしたことが、
全てぶっとんだ!しゃーないなぁ、自分の言葉で話すか(笑)

「月とキャベツ」はやっぱり緑とオレンジを意識して作ったのですか?
キャベツを食べるシーンで、窓に張られている一枚のキャベツの演出は、やっぱり
監督がしたのですか?ひとつひとつにとても丁寧に答えてくれる。ふふ、幸せ♪
「私、映画っていうのは、いい監督と、いい脚本と、いい役者がいればできるもん
だと思ってました。でもそれは大きな間違いでした。これから私は絶対に映画を
見る眼が変わると思うし、今回こういう機会に恵まれて本当に幸せでした」って
お話した。でも監督は「僕はカメラを覗くわけじゃないし、フィニステールを作っ
たわけでもないし、緑とオレンジだって美術さんとはなしてそうなっただけだし、
実際本当になにもしていないんですよ。」って謙遜する。監督を褒めて褒めて褒め
上げることは簡単なの。だって本当に彼のあの優しい視点が大好きだから。
でも彼がそうやって周りに助けられて作品を作り上げているということを、ずっと
念頭において仕事をしている以上、私は監督を褒め称えることができなくなったの。
そうかー、こういう監督だからこんなにいいスタッフが集まってくるんだなぁって
実感した。これ以上言葉がでてこなくなった。(もうすでにウルウルしている^^;)

気分を変えるために、「脚本にサインをしてもらえますか?」と言ったらOKが出た
ので、(デジカメと^^)脚本を持っていく。「もうお好きなところに書いちゃって
下さい!」っていったら、裏表紙に「○○美千代さんへ 篠原哲雄」ってサラサラ
と流れるような字で書いて下さった。もうその時点で撃沈!滝のようなナミダ!
だって、だってぇぇぇぇ!
私、自己紹介では「○○です」とは言った。彼のHPには「みちよ」とヒラガナで
書き込みした。まさか、まさか私のフルネームを、しかも漢字で、しかも私がお願い
したわけでもないのに、書いてくださるなんて思ってもいなかったのだっ!
もう、もうっ、もうっっっ!(T-T)

彼のこんなところがもうどうしようもなく好きだ。彼の作品が素敵なわけは、彼が
人とのつながりを大事にする人だからなんだ。私たちと同じ目線で物事を見ること
ができる人だからなんだ。監督と知り合えて本当によかった。私が愛してやまなか
った監督が、こんな温かい方で本当によかった…。

でも私のヨロコビはこれだけじゃないのだっ!
撮影の上野さんも大好きなので、彼と「日活ロマンポルノ」の話をしていると、
またもやyouさんが手招き。しかも監督が椅子から立ちあがっている。
「えっ、何・・・?」
みんなニヤニヤしている。私は確かにずっと前から、打ち上げのときには、私の
好きなポーズで篠原監督と写真を撮りたい。いや、撮ってもらう!などと豪語して
いた。しかも今日は「寄った勢いで抱きついてやるんだーっ」などと冗談も言って
いた。それをTさんが覚えていてくれて、youさんにそれを暴露したらしい。
youさんはそれを監督に耳打ち。うぎゃ〜!

「本当にいいんですかっ!(興奮)」と尋ねると、もう彼は腕を広げて待っている。
ぎゃーーーーーー!まじでぇぇぇぇぇ?
「ぽすっ」
彼の腕の中に収まって、彼の腰に抱きつき、カメラの前でにっこり♪
しかもお酒が入って、少々ホロ酔い気味の彼は私の顔にほっぺをつけ、そして私の
右手と彼の左手をからませてニッコリ(≧▽≦)/
うわぁ、うわぁ!もう死んでもいい!その十秒後、私は私の腰がついに砕ける音を
聞いた(笑)

私はそれから少々興奮気味にこう言った。
「私は篠原哲雄という監督が、とても傲慢でとても高飛車な人だったら、ここまで
がんばれなかった。監督に会って、監督に触れるたびに、監督のことがどんどん
どんどん好きになったんですっ。この監督だから、こんな作品が生まれるんだって
納得したし、本当に本当に監督のことが好きです!」

言えた…。これは完璧な告白だった。えへへ。
でも妙に気持ちよかった。監督もテレながらもちゃんと聞いていてくれたし。
もう悔いはないわっ。

とにかく素敵な夜だった。
今日も思い出してはなんだか泣けてくるほど。私の気持ちを汲んでくれる仲間の
素晴らしさや、監督のホヨホヨの笑顔や、みんなのはじけっぷりがイヤに心地よい
夜だった。次の日も朝早くからロケなのに、4時までつきあってくれた監督、上野
さんを送りに外にでる。車に乗りこむ前に監督が左手をつきだした。
「さっきは右手だったから、今度は左手で」って握手してくれた。
しなれない左手の握手のぬくもりを、アタシは一生忘れないだろう。
車から私と目があったとき、窓をあけて振ってくれた手も一生忘れない。

「オー・ド・ヴィ」に酔わされた夜だった。監督のココロに酔わされた夜だった…。

PS.これから夜中のロケに出陣です。雨も降ってます。でもがんばってきます。



2001年10月28日(日)

さいこうのご褒美。

昨日、夜食の焼きおにぎりを握っていたら、モーリエのYさんがこんな報告を
してくれた。モーリエっていうのは、映画祭スタッフのYさんの経営するカフェ
テリアで、今回の炊き出しのメニューから、味付けから、仕入れから全てを
取り仕切ってくれたお店だ。私たちが炊き出しのある日は、毎日通ったお店。

そのモーリエでYさんは嬉しそうにこんな話をしてくれた。

今日北海道新聞社から電話がきて、お話を聞かせてくれと頼まれたこと。
なぜ私が?と思ったけれど、話を聞いてみたこと。
北海道新聞が「オー・ド・ヴィ」の取材をしていて、監督と岸谷さんに両方から
お話をきいたところ、おふたりともボランティアでおこなった炊き出しにとても
感謝しているといったコメントを残してくれたこと。
それでモーリエに是非ともお話を伺いたいという申し入れがあったということ。

Yさんも、監督や岸谷さんのその言葉にとても感激したこと。
Yさん1人では絶対にこの炊き出しは無理だったということ。
私たちが一緒にがんばってくれたから、乗り切れたということ。

聞いてるうちに、アタシはボロボロ泣けてきた。
私たちのやったことには、きちんと意味があった。
監督も岸谷さんも、きちんと見ていてくれた。
喜んでくれていたんだ〜。感謝してくれていたんだ〜。
もう十分。この一言で、もう十分救われた。

嬉しい、ウレシイ、うれしいっ!!!!(≧▽≦)/


そして、今日の北海道新聞の函館版には、こんな「見出し」が載った。

************************************

『好評の炊き出し』←見出し!

映画「オー・ド・ヴィ」の撮影、市民ボランティア活躍

〜記事から抜粋〜
深夜に及ぶ撮影では、炊き出しが好評。「函館らしい味を楽しんでもらいたい」と
「モーリエ」を経営するYさんが、厚沢部の農家や函館朝市の人が提供してくれた
野菜や魚介類を材料にメニューを考え、約十人でてっぽう汁やシャケとイクラの
親子丼など手料理を作り、現場に運んだ。
主役を演じる岸谷さんは「本当に函館の人達の愛情を感じます。みなさんのため
にも素晴らしい作品にしたい」と話し、篠原監督は「ボランティアの協力に感謝
しています。撮影に入る前に予想していた通り、今までにない函館の街を映しま
す」と力を込めた。

************************************

すごいよ〜。もう感激だよ。この新聞は絶対に大事にとっておきます。
がんばったご褒美です。
ロケも残すところあと2日。心残りのないようにがんばります!
明日は岸谷さんがアップなので岸谷さんと打ち上げ、29日には全スタッフでの
打ち上げです。もうめちゃくちゃになるまで飲むぞー!(決心^^;)


2001年10月26日(金)

炊き出し隊、今日も出陣。

怒涛の一週間が終わりました。そしてまた明日から新しい一週間。
人間、充実してると本当に時間の経つのが遅く感じます。
1日1日がとても長いの。(でもそれは実はとても疲れます^^;)
さぼってた間のロケ日記、いっぺんに書き連ねます。ついて来いよ〜。

Oct.18(Thu.)
仕事を終え、ロケ下現場に直行。本日の献立はラーメン!
そのラーメンもそんじょそこらのラーメンとはちょっと違う。鶏がら、とんこつを
煮込み灰汁をとり、時間をかけてゆっくり作った特製スープだ。これはアツアツを
食べていただきたいっ。みんなで知恵を絞り、どうやったら一番美味しい状態で
出せるかを検討する。手順も決まったところで問題発生!
プロパンガスがなくなったのだ!熱いスープが冷めてしまう!ガスコンロは2台。
だけどスープはでっかい寸胴鍋なのでガスコンロだと支えきれない。
どうしよう?いろいろな人に連絡をとり、予備のプロパンの在処をやっと発見する
も、車で10分くらいの場所においてあるという。食事開始は次のシーンのOKが
でたらすぐ。急げ!急ぐんだーーーー!
ほんのタッチの差でプロパンも間に合い、みなさんに美味しいところを食べて
いただけた。皆さんとても喜んでくれて疲れも吹っ飛ぶ。
その後次の日の仕込みのため、モーリエに移動。Pm11:30くらいまで仕事する。
心地よい疲れ。

Oct.19(Fri.)
相馬倉庫にて仕出し。その前にセットを覗きにいく。
うわーーー!うわーーーーーー!これがあのボロボロの倉庫かい?
見事に順三郎の経営するお店の店構えになっているじゃないかっ!しかもしかも!
素晴らしい!想像以上!何十倍も想像以上!くぅぅぅぅ(>_<)
しかもそれだけじゃない!倉庫の横手に回ると、ぎゃーーーーーーーーー!
これはもう映像を観てもらうしかないぃ!すげー、すげーよ!
監督がにこやかにやってきた。思わず親指を突き出さずにはいられない!
「グーですよ!素晴らしい!」…もっと他の言い方はできんのか…(泣)
監督もちょっと満足げな様子。そりゃそうでしょう!もう溜め息がでちゃう。
きっと映画で観る人は、これは本当にある店だと絶対に思うに違いない。
でもこれは正真正銘の作り物なのだ。映画ってこういうもんなんだ。観客には絶対
にわからないけれど、たくさんの仕掛け。たくさんのチカラ。たくさんの労力。
美術さんに拍手を送らずにはいられない。本当に素晴らしいのよぉぉ(T_T)

倉庫のすぐ側の喫茶店で調理したり、そしてそこが俳優さんたちの控え室にもなる。
主演の小山田さんと函館の美味しいもの、アイスクリームの話で多いに盛り上がる。
ついでといっちゃーなんだけど、写真も一緒にとってもらう。
画像をみてぶっ飛んだ!顔ちいさーいっ!アタシの顔シワだらけーーーー!
デジカメを床に叩き付けたくなりました…。マジで。誰にも見せられません…。

そこに岸谷さん登場。いきなり洋服を脱ぎ始めてドギマギする。純情なアタシ。
食事後スタンバイまでの間、いろいろオハナシする。手作りクッキーを持ってきた
子がいて、みんなでご賞味。岸谷さんも「うまそーーー!」って言って、クッキー
を半分にパキって折ってパクリ。あとの残りを炊き出し隊のなかで争奪戦になる(笑)
ロケは深夜までに及び、明日のことも考えて12時くらいに失礼する。

Oct.20(Sat.)
仕事を終了後、講習会に出席。そのあと炊き出しに向かう。
本日のメニューはイクラと鮭の親子丼!合計8キロのイクラをふんだんに乗っけ盛り!
スタッフの間から「すごーーーい!」との声が漏れる。だって本当に凄いんだもん。
地元でもあんなの食べられないよ(笑)
戸井町のロケ現場では家を丸ごと借りて撮影。その家がまた素晴らしくイメージに
あった作りなのだ!溜め息が出ちゃうくらい想像どおり。素晴らしい!
鰐淵さんにもにっこり微笑んでいただいて、腰がくだけそうになる(笑)

食事も終わりに近づいた頃、撮影の上野さん発見。
前からどうしても聞きたかったことを聞いてみる。
「月とキャベツ」での草から舐めるように、踊るヒバナを撮っていたシーンの撮影
方法。とても躍動感があって、私の好きなシーンのひとつでもあるあの撮影の仕方。
とても丁寧に説明して下さる。「草の上の仕事」でもはやテスト的に使っていた
手法であること。とても重かったということ。そして「月の表情がとても豊かで、
感激した」と伝えたら、その苦労した点、夜中に監督から電話で「月がでている!」
と連絡が入ったこと、そして「最後の月が印象的でした」って言ったら、あれは
実は違うシーンで使うはずだったことなどなど、裏話をたくさん聞けたーー!
とてもとても感激して、今度ゆっくり伺いたいデス!と直談判(笑)
OKをとりつける。やったーーー!!

Oct.21(Sun.)
映画祭の仕事を終えたあと、炊き出しに向かう。本日はシチュー!
しかもこれもまたそんじょそこらのシチューとは違う。一手間も二手間もかけて
素晴らしく美味しいものになった。ホワイトソースを2回にわけて、濾しながら
入れるなんてなんて贅沢なのっ!もうめちゃうまですよ。
現場で焦げ付かないようにトロトロとかき回しているうちに、どんどん煮詰まって
きて、しょっぱくなってきた。これはいかん!しかもまだまだ撮影は続いている!
大急ぎで車を出動し、牛乳を調達しに走る!食事の時間まで間に合うのか??
焦っているからまた道を間違えて通り過ぎてしまった(T_T)←方向音痴

準備が整ったことろに監督がやってきた。
「今日は素晴らしくいいシーンが撮れたんですよ」ってもうトロけそうな笑顔!
本当に満足がいったシーンが撮れたんだなぁって伝わってくる。
「自信満々ですか?」って聞いたら、「どのシーンも自信があるんですけど
(ニッコリ)、今日はとても良かった」ってもう本当に嬉しそう!
こっちまでフニャフニャになる(笑)
するとK氏が気を利かせてくれて、監督と炊き出し隊の写真を撮ってくれた!
監督がシチューをかき混ぜながら、みんなでチーズ。いやーん、シアワセ(*^^*)
疲れなんて吹っ飛んじゃうわよ〜!ラブ♪

ってなところです。毎日炊き出して、でもやっぱりどんどん手際がよくなるし、
温かい物を温かいうちにお出しできるようになってきたの。
自分の役割分担をそれぞれみんなわかっているし、すごく連帯感が生まれてきた♪
その炊き出しも明日が最後。がんばるわよ〜!わよ〜〜〜〜!

昨日は監督の夢をみた。すごくいい夢だった。あまりに素晴らしい夢なので、誰に
も教えない。こればっかりは教えられない(笑)
ってなわけで今日はこの辺で。長くて読みにくくてすまんのう…。

2001年10月21日(日)

月の夜。星空の海。

眠いっ!非常に眠いっ!
だってねー、昨日のロケが終わって後片付けして、家に着いたらam3:40だったんだ
ものー!すごいでしょう?すごいよね?
だけど今日はボーっとしながらも、自分のノルマはきっちりこなしてきたぞ。
ふふふん、社会人のカガミだな。

昨日は海でのシーンで、お夜食の炊き出し&寒さ対策部隊でかりだされたの。
でも最初から海のシーンとわかっていたので、準備は万端。
長袖のシャツ、ニットのセーター、ニットのパーカー、それにダウンジャケット!
手袋、タイツ、靴下。どうだっ、この重装備!本当はニットの帽子があったんだ
けど、ハズカシイからやめた(笑)

その甲斐あってか、寒さは全然大丈夫だった。風もなかったし、絶好のロケ日和。
ギャラリーも全然いなかったし、時間は遅かったけど、私たちにとっては結構
楽だった。でも大変なのは監督を始めとするスタッフの皆さんと俳優さんたち。
砂の上で絡むシーンだったので、砂をならしたり、湯たんぽで温めたり、照明の
位置を決定したりととてもとても忙しそうだった。

でも一番大変だったのはヒロインの小山田サユリさんだったと思う。
あの寒空のなか、真っ裸で砂の上に横たわること数回。うぅ…見ているだけで
鳥肌がたってくるよー。しかも40人のスタッフの前で一糸纏わぬ姿となり、岸谷
さんと絡むんだよ?うわー、さすが女優だよなぁ…。
でも岸谷さんにぎゅっと抱きしめられたシーンでは、涎がでた。

羨ましかったのは岸谷さんに抱きしめられていたからじゃないんだよね〜。
ただ誰かにぎゅうって抱きしめられたくなってしまったの(笑)
えっちじゃなく、ただすっぽりと抱きしめられるだけですごく安心できることって
ない?相手の心音を聞いてるだけで、よしよしって頭をなでられるだけで、
フニャフニャになっちゃうこと。なんだかそれを想像してしまったのだ…。
なんだか無性に人肌が恋しくなっちゃったので、映画祭実行委員のTさん(♀)に
がばーっと襲いかかる(笑) しばらく2人で抱きしめあってた。危ない2人(*^^*)

残すところあと1シーンになったところで、お夜食のうどんの用意をする。
麺はとっくの昔に冷たくなっていて、いくら温かい汁をかけてみたところで、
一向に温かくならない。試行錯誤の末、まず汁でうどんを温め、固くなってしまっ
たうどんを柔らかくしてその汁をまた鍋に戻す。それでまたアツアツの汁をたっぷり
注ぐという手間をかけた方法にする。でも美味しい物を食べていただきたい気持ち
は手間をも超えるのだっ!

でもやっぱりうどんはぬるいままで、ちょっとだけ凹む。
今まで何回か炊き出しのお手伝いや仕込みをさせてもらったけれど、全てにおいて
ちょっとだけ惜しい失敗があるんだよね。

例えばこの間の、手違いで冷たくなってしまったカレー。
煮込みにしてしまえばよかったうどん。
早く詰め込みすぎて冷めてしまったゴハン。
お弁当で頼んだのに、折りに入ってこなくて焦りまくった一日目…。

きっとね、ロケが終わる頃にやっと慣れて来て満足できるものをお出しできるよう
になるんだろうなぁ…。誰もが何もかもに対して初めてで、暗中模索している状態
だものなぁ…。スタッフの皆さんはお世辞でも「ありがとう」「美味しかった」
って言ってくれるけど、本当かなぁって心配になる…。

お弁当だけじゃなくって。
ロケ地は本当にここでよかったのかなぁ…。もっと広い場所を探していたのに…。
地元のスタッフに対して、もっと要望はないのかなぁ。それとももう諦めている
のかなぁ…。ちっとも協力しないって思っているんじゃないかなぁ…。
もっといいも食べさせてくれ、もっとお金を集めてくれ、なんでもっと仕事して
くれないんだって不満に思っているんじゃないかなぁ…。

プロの領域はプロに任せておいて、私たちは縁の下でがんばればいいんだって
自分の中ではとっくに決着がついているはずなのに、やはり心配になるんだー。
難しいなぁ…。
ロケはやっと折り返し地点!がんばっていかないと〜。
昨日も3時、その前の日も3時過ぎだったらしいの。スタッフの皆さんの身体が心配
です。疲れからくるイライラは雰囲気をも壊すし、集中力は欠けてしまうしね〜。
本当にスタッフの皆さんには頭が下がります…。ふぁいとですっ!!!!!

でもね。
「今日はうどん♪」って教えてあげたら、監督の顔がホコロんだ(笑)
へへへ、ちょっとはお役にたてたようです(*^-^*)
漁り火の灯る海は妖しく、それでいてどこか寓話的で…。
ずっと地元にいたからこそ逆に気付くことのできなかったこの街の側面を、監督
や総ての皆さんに教えていただいたような気がしたよ。
月の夜、星空の海。夢のようなシーンになりますように…。



2001年10月16日(火)

監督と岸谷さんと松重さんとカレー。

いやー、久し振りにゆっくり寝ました。起きたら10時でしたー。極楽、極楽♪
でも夜には炊き出しが待っていたので、履きやすい靴と新しいエプロンを買いに
早く家をでる。丸井のRV専用駐車場が満杯だったので、有料駐車場に停めたら、
駐車場のおっちゃんに「パンクしてるよっ!」と指摘されたっ。
うおおおお、まただっ!どうしよう、ぺっちゃんこだ…。
そういやさっき、パキってなんか踏んづけたよなぁ…。
もうガソリンスタンドに持っていくこともできないくらいペチャンコだったので
途方に暮れていたら、駐車場のおっちゃんが1000円でタイヤ交換してくれるとの
こと。自分じゃジャッキの位置さえわからないので、お願いする。

お目当ての靴はサイズがきれてて買えず。他に良いと思う靴もなく。
何の収穫もなく丸井をあとにする。でもタイヤ交換代は500円にまけてくれた。
ありがとう、おっちゃん(/_;)
スペアタイヤのままボーニにいって、丸井でみた同じ靴を購入。\13800…。
高いっちゅーの。でも気に入ってしまったんだもの仕方ないっか…。

なんだかいいことがないまま本日のロケ地「ビロングス」へ向かう。
着いた途端、えへへ岸谷さん発見!
今日は出番じゃないはずなのに見れてラッキー♪しかも出番じゃない岸谷さんは
ニコニコで、なんだかこちらまで嬉しくなる。
今日の炊き出しは昨日も言ったけどシーフードカレー。サフランライスですげー
美味そう。仕出しの用意をしていたら、岸谷さんがこちらにやってきて、
「うわー、すげー美味そう!」って言ってくれた。徒歩10分くらいのところに
他のロケ地があって、そこでピアノの練習をしているカオルくんにもカレーを
持っていってあげたいから、用意してくれる?とお願いされる。
「車でお送りしますよ」って言ったら、「いいの、いいの、歩いていくから」
ってあくまで気さく♪しかもビニール袋に用意してあげたら、岸谷さんったら
人差し指をアタシに差し出したので、ビニール袋を指にかけて差し上げる(笑)
ふっふっふ、なんだか、なんだか、なんだか嬉しい!(←やっぱりミーハー^^;)

今日のロケはかなりエグいシーンが続出。
厨房のなかで生クリーム顔にかけーの、指を口の中にいれーの、喘ぎ声でーの…
で、見ていて恥ずかしくなる。しかもその相手役はあの松重豊さん。
あのフェロモンだしまくりーの面構えで、あんなことされちゃダメダメー!
1人でポ〜っとしていたのも束の間、食事タイムになる。

松重さんもカレーを取りに来たので、すかさず箸を渡したのはアタシ♪
「ありがとうございます」ってお礼を言われたのも私よぉぉぉぉぉぉ!
舞い上がっていたところに監督が、「これもみんなで作ったの?」って私に話し
かけてくださった!「はい〜!昨日みんなで仕込みました〜♪でも味付けしたの
はモーリエの吉田さんです」って答えたら、「マジに美味いよ、これ!」って
お褒め頂いた!うれしいですぅぅぅ(T_T)←味付けしてないのに(笑)

ただ今回は手違いでカレーが冷たくなってたの…。
本当はガスコンロで温めておいて、アツアツをかけてたべていただくはずが、
連絡がうまく伝わっておらず、もはやカレーも器に盛り付けてあったのだ。
食べる頃には冷たくなっていたカレー。冷たいカレーなんて美味しいはずがない。
でもそれでもみんな美味しかったって言ってくれた。確かにモーリエのカレーは
美味いのだ。だからこそ是非とも温かいカレーを食べて頂きたかったのに…。
でも今日は監督ともお話ができてとてもとても嬉しかった。満足(*^-^*)

同じ実行委員のYちゃんと松重さんの格好よさについて語った。
彼女はなんと「犯されたい…」と呟きおった(笑)
めちゃくちゃウケた。あはは、でもなんとなーくわかる気も…(*’’*)

さーてと、明日は映画祭のミーティングと、夜食の炊き出しだー。
がんばらなくちゃ。ふっふっふ。今日はパンクのほかはいいことだらけだった♪
明日も仕事をさくさく〜っと片づけて、ロケに行くのだ!明日はうどんだじょー。


2001年10月14日(日)

みんなのちから。


今日は朝から運転手だったのだ。
ヤブ男(あがた森魚さん)の乗るアルファロメオを借りに行ったり、ロケ現場に
駐車禁止の印を置きに行ったり、レストランシーンで使う食器をキレイに洗ったり
食事を買いに走ったり(笑)
現場ではなにもできないので、ちょっと中座して私用事を足したり、とにかく
車を運転していた。スタッフの方に呼ばれてロケ現場「プレーリーハウス」に
行って仕事を済ませたあとは何もすることがなくなったので、ロケを眺める。

岸谷さん、鰐淵さん、松重さん、小山田さんなども間近に見られ得した気分♪
でも慣れとは恐ろしいもので、あんなにミーハーだった私もさすがに俳優さんを
目の前にしてもだんだん平気になってきた。一応地元のスタッフなので、ミーハー
な態度はどうやってもできないし、写真を撮ってください…なんて口が裂けても
言えないだろうし。こんな経験なんてもう絶対にできないだろうから、いろんな
画像とともに記録としてとっておきたいのになぁ。格好つけすぎかなぁ…(笑)

何度目かの本番を終えた当たりで、炊き出し隊のYちゃんと一緒になる。
これから明日の仕込みだけど、一緒に来る?と言われて、お邪魔することにする。
明日のメニューはシーフードカレー。
玉ねぎ20個ぶんくらいのみじん切り(これはフードプロセッサーだけど^^;)を
飴色になるまで炒める!20個ぶんよ?どのくらい時間がかかると思う????
もう4人がかりで炒める…というよりはかき混ぜる。腰を入れて全身で炒めないと
強火なのですぐ焦げちゃうし。腕が痛いっ…!
人参15本のいちょう切り、40人分の米とぎ、イカの輪切り…。疲れた…。

炊き出し隊4人で仕込みを終え、束の間の休息時間。
賄いのお好み焼きをみんなで食べ(ワインも1杯だけ飲んじゃった♪)、ロケ現場
へまた向かう。その前に映画祭の実行委員長婦人のお宅へより、コーヒーを1杯
いただいて(これがまた美味かったぁ…^^)、いざ出陣。

モヘアのセーターの上に合皮のジャケット、しかも車に積んであったダウンジャ
ケットを着込み用意万端(笑)
金森倉庫群の橋のたもとでのロケ。寒さが身に凍みる…。
そのなか主演の小山田サユリさんは地べたに座ったまま。腰から冷えるだろうに…。
たった30秒くらいのシーン。私がロケ現場に着く前からやっていたから、実際
どのくらいかかったかはわからないけど、私がそこに着いてからは2時間くらいは
同じシーンのテスト、本番の繰り返し。通り過ぎる車も全てうちの映画祭スタッフ
で、通り過ぎるタイミングも、ライトの当て具合も監督の指示にて変更される。

寒い。とにかく寒いっ!
でもなかなかOKがでない。映画祭実行委員長から「もう帰ってもいいよ」と言われ
るけど、このシーンのOKをみるまでは帰れない。なんだか気持ち悪くて(笑)
OKを見届けてすっきりした気持ちで帰りたいじゃん。
結局12:30くらいにやっとOKがでる。身も心も冷え切っている(-_-;)

カオル役の村田充さんがホッとした顔でこちらにやってくる。
「お疲れさまでした!」と声をかけると、「ごめんねー、もっと早く終わるはず
だったのにね…」って本当にすまなそうに謝ってくれた。
いやいや、とんでもないっす!全然ノープロブレムっす!
だけどすっげーカッコいいのだ!聞くところによると、東京のほうでは売れっ子の
DJだそうなんだけど本当なのだろうか?誰か教えて(笑)

とてもとても丁寧に作られている印象をうける。
他の撮影の様子を見たことなんてないんだし、比べようもないし、もしかすると
どの現場もこんなふうに丁寧なのかもしれないけれど、とてもとても感動する。
私たちが何気に観ている映画が、こんなに大勢の人々の苦労の結晶なんだなぁって
痛感するし、着るもの、アクセサリー、エキストラ、車両の種類、色、何もかも
計算されていて。本当に本当に目からウロコなことばかり。

きっとこれからは映画の見方が変わるだろうな。
映画はいい脚本があって、いい俳優があって、いい監督がいればできるもんだと
思っていたアタシがバカだった。本当にバカだった。
これに気付けただけでも、無駄じゃなかったって思うんだ〜。

さあ新しいエプロンを買って、また炊き出しに向かおうっと!
今日は履きやすい靴も買っていこうっと。ずっと立ちっぱなしはさすがに疲れる
もんね。よっしゃ、がんばるぜ!


2001年10月13日(土)

炊き出し隊、出動。

前の日N氏から「ねー、明日の炊き出し、夕方4時半に行けない?」ってtelが
きた。仕事だよー、行ける訳ないよーって断ったんだけど、なるべく早く行かな
くっちゃって決意して、バリバリ仕事して5時きっかりに職場をでた。現場に
ついたのは5時半!すげー、みっちー!(やればこんなに早く帰れるんじゃんっ)
玄関先では、先発隊の炊き出し班が暇そうにしてた。やった、間に合った♪
ふと横をみると、今日は出番のないはずの岸谷さんがマネージャーと話をして
いた。私服だし。こちらをちらっとみたので、「こんにちわ!」って挨拶を
したら、「こんにちわー」ってニッコリ笑って下さった!いやん(*>0<*)

炊き出し先発隊に、「食事は何時くらいになりそう?」って聞いたら、7時くらい
だということでしばしボーっとすることにする。すると!
目の前に白い壁が!なんだ?見上げるとそこにはコックの格好をした松重豊さん
がっっ!うわー、本物だあああ!アドレナリンドライブの頃からずっとファン
だったんだよぉ!でかいー!でかすぎるーーーー!お店のドアが低いのか、始終
背中を丸めた感じで歩く。控え室でも不機嫌そうな面持ちでなんだか恐い。
役柄がとにかくちょっとイヤな奴なので、きっとそいつになりきっているに違い
ない。眉間にシワもよってるし。

7時になっても食事の声はかからない。今日のメニューは煮た鶏肉とサラダ、石狩
鍋、フルーツポンチ。早くしないと石狩鍋が煮詰まっちゃう!
するとスタッフの方から「すみません、このバケツに水を入れていただけますか」
と声をかけられたので、「はい、いーですよー」って水をジャーーーー。
すると周りが慌てている。なんだ?なんだ?
助監督がすっとんできた!「今本番中だから!」
げっっ!アタシのジャーーーーのせいで、NGを出してしまった…。反省…。
だって聞こえなかったんだもん…。監督、ごめんね…。

本番ってのはすごい。最中はもちろん、スタッフ全員が息を止めているんじゃない
だろうかってなほどの緊張感。もちろん建物の前の交通もすべて遮断。一切の人工
的な音はシャットアウトなのだ。その中での水ジャーーーはかなりの顰蹙だった。
う〜む…。ちょっと凹んだ…。

撮影は地下の狭いところで行われていて、私たちは入れない。
監督の「用意、ハイッ!」「カットーっ!」の声だけが聞こえてくる。その中に
交じり「救急箱!はやくっ!救急箱っ!」の声が飛ぶ!誰かケガしたのかな。
後からきいたら松重さんが指を切り、4針(7針とか5針とか噂がたくさん^^;)
縫ったらしい。後から聞いてびっくりした…。

9時になっても10時になっても食事は始まらない。うぅ、もうダメだ・・・。
でもスタッフの皆さんが何も食べずにがんばっているのに、私たちが音を上げては
失礼だと思い、辛抱強く待つ。N氏から電話がくる。

N氏「今日の炊き出しうまくいったかー?」
みっちー「まだ食べてませーん」
N氏「??まだ?うそっ」

本当ですよーっだ。でもやっと11時過ぎに食事開始になる。
口々に「美味しかったです」とか「ごちそうさま」と言われると、やっぱり
うれしいよなぁ…。美術の小沢さんからこんなことを言われる。
「普通のロケ弁ってのは冷たくなった弁当に、缶に入った味噌汁とかマズいもの
ばかりなんだけど、こうやって温かいものを食べられるというのは、本当に
有り難いよ。ありがとうございました。」って。
うわー、私たちのやってることに感謝して下さる方々もいらっしゃるんだ〜。
なんにもできないから、こんなことしかできないからやってるだけなのに、
それに頭まで下げていただいて。なんだか救われた〜。

それから撤収のお手伝いをする。お店を出たのが1時過ぎ。
そこのお店では洗い物ができなかったので、スタッフルームに戻ってからする
ことにする。でも仲間のご厚意で、明日の朝、別のお手伝いの入っている私だけ
先に返してくれる。家についたのは1時半過ぎ。疲れた〜!
だけど私たちがボーっと待っている間、役者さんはじめ全てのスタッフはみんな
仕事をしていて、私たちよりもずっとずっと忙しくて、本当に頭が下がる…。

地味な仕事の積み重ねが素晴らしい結果に繋がるんだよなぁ…。
こんな夜遅くまで、みんな文句もいわずに頑張って。素晴らしいものを作り上げ
ようという気持ちだけが奮起させているんだろうなぁ…。

みなさん本当にお疲れさま。明日もまたがんばりましょうね。
私も微力ながらがんばります。


2001年10月12日(金)

カニ汁で火傷しましたー(/_;)

今日は炊き出し隊でしたー。
メニューは肉団子、じゃがいものキンピラ、カニ汁。
っていっても、仕事を持ってる私たちが作れるはずもなく、映画祭実行委員で
プロの料理人Yさんの作ったものを、お弁当箱に詰め、汁を盛り付けて配り、
後片付けまでというのが私たちの仕事。

今日の私の仕事はカニ汁の盛り付け。タラバ蟹をうまく分配して盛り付けるのは
なかなか難しい!でもなんとか終了。ふぃー、疲れた。
でもね、でもね、私は厨房の奥のほうで仕事をしていたので、監督の声は聞こえ
ているにもかかわらず、お姿を拝見することができなかった(T_T)
拝見できないのはいいとしても、「私ががんばっている」姿を見てもらえない
ことが悲しかった…。加藤さんは毎日来てくれて、がんばってくれてるなって
思われたいのにー!(なんてアサましいのでしょう、アタイ…)

でも「ごちそうさまでした」「美味しかったです」なんて言われると、自分は
全く作っていないのにもかかわらず、「おそまつさまでした^^」なんて言って
しまったりして(笑)

スタッフルームの2階が岸谷五朗の経営してるクラブになっていて、リハーサル
の様子がモニターを通してみることができる。うわー、鰐淵さんキレイ…。
本当はずっと眺めていたかったけど、みなさんのお邪魔になるだろうと思い、
泣く泣く帰ってきました…。ずっと観ていたかったなぁ…。

そうなのですよ。もっともっと積極的に参加したいのですよっ。
でもね、所詮、映画はもっぱら観る専門だったアタクシに参加できるはずなんて
ないんだよねぇ…。きっと東京スタッフの方々からみると、「けっ、素人が現場を
ウロウロしてるんじゃねーよっ」って思ってるだろうなぁって思うと、引け腰に
なっちゃうし…。結局私たちにできることは、本当にごくわずかなんだなぁって
思うのも事実でした…。いやいや、ただのワガママです。
こういう機会に携われただけで、本当に、本当に、本当にシアワセなんだよ。
だけどやっぱりプロにはどうやってもかなわないってーことが悲しいんだよね。
ないものねだりだよね…。ごめんちゃい。素人なんだもん、仕方ないよね…。

でもね!
ギョーカイだけあって、挨拶は「おはようございます」なの♪
でもここでも「けっ、素人がギョーカイぶってんじゃねーよっ」って思われる
ような気がして、ボソリと「お疲れさまです」って言ってるアタシ(笑)
一度くらい「おはようございます!」って言ってみよう(*^^*)
もちろんそれは午前中に限るけど、てへ、めっちゃ小心者デス(-"-;)

2001年10月10日(水)

ヘナヘナ…。

いやー、しばらくぶりにゆったりの火曜日。
なんだか時間がもったいなく感じちゃう。いままでしばらく忙しくしていたから
それに慣れてしまったみたい(*^^*)

今日は仕事を終えてスタッフルームに寄ってみる。
仕事といえば、そうそう。仕事もサクサク進んじゃうのよ!
早く仕事を終えて、早くロケに合流したいって思うから、とにかく集中できる。
頭の回転もいつもよりグルグルだし、これが「心の張り」とゆーものなのか?
とにかく終業後、スタッフルームに直行。

いきなり監督はじめ助監督らが、撮影で使うグラス、酒瓶を選んでいる。
各俳優が使うグラスを100種類くらいの中からひとつひとつ決めていき、シーン
ごと俳優ごとに印をつけていく。その数20個以上!
傍らでは監督が、女優さんの吸う煙草の銘柄、ライターの色などを決めていたり。
あー、携わりたい。一緒に意見を出していきたいっ!
だけど制作サイドには全然タッチさせてはもらえず(てへへ、当たり前だよね)、
ちょっぴり寂しく思ったりもする。

すると、監督が何故かいきなり外へでてボーっとしているのを発見!
こ、これは神様が私に「話し掛けてごらんなさい」とおっしゃっているに違い
ない!すかさず駆け寄り、

「監督、友達がしんゆり映画祭に行ってきたっていってましたよ〜。」って
話し掛けてみる。昨日監督は、「しんゆり映画祭」にゲストとして呼ばれていた
ため一時東京へ帰っていたのだった。「東京で?」「はい、東京の友達です」
と会話を続けてゆく。「友達が、監督の話を聞きたかったのに、大女優の話
ばかりで残念だったって言ってましたよ」って言ったら、「それは全然構わない
んだけどね」ってニッコリ♪くぅぅ、その笑顔がたまらないんだってばー!
「それはそうと、映画のことは何か言ってた?」って今度は真面目な顔で質問
されたので、友達の言ってた通り「面白かったって言ってました!」と微笑んで
みたら、「それを聞いて安心した」ってまたニッコリ♪いやん、きゅーと!

しんゆり映画祭で上映された作品は「蝶の棲む家〜木曜組曲」といって、私が
今もっともハマっている恩田陸さんの「木曜組曲」の映画化されたもの。
6人の女性が登場し、謎を解いていく作品で、もう今年NO1ではなかろうかと
思うほどの秀作。出演者もすごいメンバー!鈴木京香、原田美枝子、浅丘ルリ子
冨田靖子、西田尚美、加藤登紀子。誰がどの役をやるのか考えるのが楽しい!
そこで、監督に「いま、キャストと登場人物をパズルしてたんです。」って
言ったら、「考えがまとまったらぜひ聞きたいな」といってくれたので、
「答えあわせしてくれますか?」って言ったら「もちろん!」ってまたニッコリ♪
あー、もうダメだー!もう彼に心ごと持っていかれてます。
ヘナヘナヘナヘナ〜…(*>0<*)

さっきその最終案を決定したので、監督のお暇なときに答えあわせしてもらう
んだ!いやん、ドキドキ!楽しみはあとにとっておこーっと(笑)
明日は炊き出し隊!監督に美味しいと言われたいがために、がんばりますっ。
あー、これはきっと完璧に恋だわ(笑)
ってーことは不倫だな凸(-_-メ)


2001年10月09日(火)

篠原監督、一生ついてゆく!

すごいハードな1日でした。朝10時からずっと立ちっぱなしで、終了したのは
AM0:30。ブーツをはいていたので、午後からは足の裏が痺れてきて大変!
でもなんだか充実してたなぁ。どんな1日だったのかというと…。

Am10:00、何年も使っていないスナックをスタッフルームにするため、大掃除!
ものすごい埃とカビ、しかも強烈な悪臭!拭き掃除に始まりトイレ掃除(これ
がまた凄いっ…)、くしゃみをしながら格闘する。そろそろ片付いてきたかな
と思って時計をみると、エキストラ集合時間まであとわずかで、急いで直行。

Pm0:00、集合場所に到着するも、30分待っても誰も来ない!不安に思っている
矢先、ロケグループを発見、やっと合流する。(ここであのお方にメール♪)
私をみた監督がにっこり微笑みながら、「加藤さん、今日は眼鏡は?」って
聞いてくれた♪「はいっ、晴れの舞台なので外してきましたっ!」と自慢気な
アタシに監督はこうのたまった。「加藤さんの眼鏡の雰囲気が良くて、指名
したのになぁ…。」

えっ!?えええ?そんなぁぁぁ…。
「でも、ま、いっか!」って言ってくれたので、ホッとしたけど、今日ほど
コンタクトを恨めしく思ったこともあるまいよ…(号泣)
空き時間に「ハライソ」のカレー談義を監督とする。やっぱり彼が好きだっ!

準備が整い、テスト、本番が始まる。岸谷五朗さんも、着るものも髪型もTVで
みる彼とはちょっと異質な感じでとてもカッコイイ。
路面電車を背景に使うシーンなので、電車がくるのをじっと待ち、電車の通過
にあわせて撮影を開始するというタイミングが非常に難しいショット。
映像にすると30秒くらいのシーンに、準備からいれると4時間くらいは軽く
かかったような気がする。私も「人止め」「車両止め」のスタッフとして、
張り切って働く。近くのお寿司屋さんで宴会をやっていて、本番中に人がでて
きてNGになるのを防ぐため、お寿司屋さんの中に入り待機していると、お寿司屋
さんの大将が「大変ですね」といって、カニと穴子のお寿司をご馳走してくれた!
なんていいお寿司屋さんなんだっ!うまかった(*^^)v

やっとOKがでて、私の出番がやってきた!
今回はその他大勢ではなく、たった5人のうちの1人だった!
ヒロイン小山田サユリさんが電車に乗っているシーンで、小山田→H氏→アタシ
という順番で吊革につかまる。「加藤さん、なるべくさりげなくね」と監督から
直に演技指導(爆)を受け、お化粧を直す間もなく本番。
電車といっても貸し切るわけではなく、いきなり監督、助監督、カメラ、照明
音声、俳優(私も含む!)が、普通に走っている路面電車に一斉にゲリラ的に
乗り込み、席を確保し、乗客に説明し、いきなり本番、降車するといった手順。
乗り込んだ次の駅では、窓の外に岸谷五朗さんと男女ふたりが演技をしていて
電車の中→電車の外を一気に撮りあげるというこれまた面倒なショット。

緊張しつつ窓の外を眺め、緊張しつつさりげなさを装い、そしてあっという間に
終了。なんと1発OK!いやったー!
カメラを通して監督に見つめられているという興奮で全身鳥肌で(実際はヒロイン
しかみていないだろうけど…さ)、なんだかちょっと官能的な一瞬でした(笑)
ゾクゾクしたぞ!

終わるとすぐに夜の炊き出しに向かう。
頼んでいた食事を取りに行き、調理しなおし、42人分の配膳、後片付けを行う!
もちろん監督も岸谷さんも私の手から食事を受け取り、至福(*^‐^*)
はるばる今金町(車で役2時間くらいか?)からボランティアで参加したMくんと
仲良くなる。何故参加したの?って聞いたら、監督がとても好きなので…という
とても好感の持てる答え。アタシってばそういうのにとても弱く、私でさえ監督
と写真を撮っていないのに、おこがましくも監督に、「M君と写真をとってもらえ
ませんか?」とおずおず尋ねると、「あ、いいですよ」とこれまた好感度大!
酪農家の素朴なM君に思い出をひとつ作ってあげられてとても嬉しかった♪

夜のシーンはこれまた長丁場!
八幡坂という、よくロケに使われる坂から海にむかって、約300mを通行止め。
しかも全ての道を濡らさなければならない。(路面濡らし)
消防局に応援を頼み、道を濡らす。水を撒かれた八幡坂は、ものすごくものすごく
キレイだった。途中道が乾けば、そのつど消防車出動。大規模ロケだった〜。
どんどん冷え込んでいく気温。だまって立っているだけで震えてくる。
またもや人止めを担当し、ずっとロケを見守る。思い返せば朝ゴハンを食べたのが
9時。それからお寿司を2カン食べただけで、夜中の11時!お腹すいたよー(T_T)
やっと23:30にハンバーガー1個を食べる。ふぅ。

結局途中で帰っていいと言われ、家に着いたのは1時過ぎ。疲れた〜。
でもね、初めて篠原監督の「スタート!」「カーット!」「オッケー!」を生で
聞けた。普段の柔らかな声とは全然違って、とても緊張感のある声だった。
それだけで今日の疲れがふっとんだよ…。偉大なる映画監督と冗談を言い合ったり、
カメラを通してみてもらえたり、真剣な眼差しを直に垣間見れたり…。
本当に貴重な一滴だと思う。「オー・ド・ヴィ」は本物の蒸留酒になるという確信が
沸いてくる。こんなに丁寧に作品を作り上げる監督だもの、絶対にいい作品に仕上
がるに違いないよ。監督、らぶ!ぎゅーってしたいくらいっ!(←バカ)


2001年10月07日(日)

あの鰐淵晴子さんに向かって!

今日はクランクインだというのに、仕事&残業で。
仕事中、結構腐ってましたー。
遠距離恋愛の彼が、函館に降り立っているというのに仕事で逢えなくて、
仕事を早く終わらせたい…、だけど身が入らない…!っていう状態と同じ
でした(笑)←いまいち分かり難い比喩だわ ^^;

とにかく仕事を終え、ちょっと用事を済ませて現場に電話をしたらば、
もうロケは終了したとのこと。が〜ん…。
でも真っ直ぐ帰るのもなんなので、ロケに使われるお店の装飾を見に行って
みようと思い立ち、ひとりで向かった。

着くと、プロデューサーのM氏と玄関でばったり。M氏の隣には女性が2人。
「こんにちわー」と挨拶をし、まずは先に階段を登ってしまいましょうと
思って、M氏より先に「タタタッ」と駆け上がる。
中ではタイルを貼るスタッフ、カウンターを作っている美術さんがわんさか。
「ホ〜…」と眺めていると、M氏も現場に着き、いきなりこうのたまった。

「えー、あやこ役の鰐淵晴子さんです。」

え゛っ?えぇぇぇ?
うわ、ホンモノだよーーーー!
げげげ、きれいだっ。ほのかに香るパヒュームの妖しさったら!
匂いたつ美しさっていうのはこういうことなんだ!

ポワ〜ンとしていたらば、ミチヨ気がついた。

アタシ、サッキ、「鰐淵サン」ガイルノニモカカワラズ、「ケツ」ムケテ階段
ヲ、カケアガラナカッタ?シカモ、本人ダトモ気付カズニッ!

そうなのだ、やってしまったのだ!
私の中での鰐淵さんはもっともっとおばさんなはずだったのだ!
まさかこんな場末の繁華街にあの鰐淵晴子がいるはずがないって思うじゃん!
うわー、どうしよ。M氏、怒ってないかなぁ…。大女優に向かってケツ向けて
階段かけ上がったんだぜ?しかもお迎えする立場にありながら…。うぅぅ…。
アタシが闇の世界にしばし引きこもったのは、言うまでもありません(-"-;)

でもね!明日はね、エキストラ出演の撮影なのだー♪(立ち直りの早いヤツ)
この間、監督がね、

「加藤さん、7日暇?」って聞いて来てくれて♪
「もちろん、ヒマですっ!」って答えて♪
「じゃ、エキストラになってよ」って誘われて♪
「えー、いいんですかっ?」って舞い上がって♪
「頼むから普通の服で着てね」ってお願いされて♪
「あいっ!」って敬礼して♪

えへへへ、スカウトされちまった\(*^▽^*)/
っていうか、初めて会ったときから「絶対にやらせてください!」って懇願
してたし(笑)、監督のお情けってヤツでしょう。
きっと豆粒ほどもも映らないかもしれないもの。いーや、シーンからいって、
映る確率のほうが少ないくらいなの(照笑)

でもすっごい楽しみ!監督の「スタート!」っていう声が聞けるんだもんね。
やばい、完璧に恋してます、彼に。でへへ。

明日はエキストラの報告をするぜ!いやん、今晩寝られるかしら…。
お肌の調子を整えなくちゃ。今日は早寝するぞー!

2001年10月06日(土)

岸谷五朗さんとお酒を飲んだ!

興奮!感動!驚愕!そして今あるのは目の下のクマ…(笑)

…なにが起こったのか。それはそれは刺激的な1日でございました!
な、な、なんと私ってばアノ岸谷五朗さんとお酒を飲んでしまったのでござい
ますぅ〜♪あ、間違い。私は車だったので烏龍茶(笑)

昨日は映画「オー・ド・ヴィ」の討ち入りパーティでした。
大好きな大好きな監督、全スタッフ、現地スタッフ、そしてそして主演の岸谷
五朗さん、ヒロインの小山田さゆりさんなどをお迎えし、盛大に行われたの!
スタッフが入り、そして一瞬のざわめきと共に岸谷さん、そしてちょっと遅れて
監督が来場し、討ち入り突入!

監督の、「とにかく気合が入っていますっ!撮りたくて撮りたくて仕方ないです!
このシナリオを初めて目にし、3ページ読んだだけでこの作品を映画にすると
決めていました。僕の、みなさんの宝物になるような作品にしましょう!」と
力のこもった挨拶。とにかくいい作品に作品にしたいという気持ちがビンビン
伝わってくるような挨拶で、アタシはそれだけでもう倒れそうなほど感激しちゃ
ったのよー!(T-T)

全スタッフの紹介、そして私たち映画祭実行委員の紹介も行われたのだ!
ひとりひとりの挨拶。私はこう言ったんだ。
「今年から参加させていただくことになりました加藤です。私が敬愛する篠原
監督やスタッフのみなさんとこのような機会をもたせていただいたことを誇り
に思います。私にできることはどんなことでもやりますので、よろしくお願い
します!」

…ちょっと固かった(-"-;)
もっとインパクトのある挨拶をすればよかった…。
「篠原監督、ラブ!」とか叫べばよかった…。

宴もたけなわ、そろそろおひらきかなぁなんて思っていたところに、なんと
ギターをもったおっさんが乱入。うしろからアコーディオンも!
そしてなんと監督も脚本の、鵜野さんも、私の大好きなS氏もいる。
いきなりのゲリラライブが始まったのだ!
監督の「僕は歌手になりたかったのデス」という可愛らしい呟きとともに、
あがた森魚さんの新曲が奏でられる。監督が歌う。心に染み入る。
明日からがんばっていこうぜ!という心意気がまるでかめはめ波よろしく
心臓を貫く。みんなはとても楽しそうだった。
でも私は涙が出て来て困っちゃった…。本当に本当に感激しちゃったのだもの。

みんなの心が歌でひとつになり(みんなで大合唱したのよ^^)、いい感じで
おひらき。最後は岸谷さんの5本締めで、「オー・ド・ヴィ」の成功を誓い合う。

…で、2次会。
監督、あがた森魚さん、小山田さんたちもいらしていて、いつもの店でわいわい。
話題はどこのかたまりでも一緒。「オー・ド・ヴィ」のこと意外に見当たらない。
1時間半くらいたったあと、監督の携帯が鳴り、「これから岸谷さんもくるって!」
ということ。一気に会場が沸く。

岸谷さんがいらしてから、ずっと監督と話し込んでいる。
私たちが入る余地なんてまったくない。でも篠原組のスタッフの方々と交流を
はかりつつ楽しいときを過ごす。
が、なんと!
いつのまにか岸谷さんが私の目の前に!これはチャーンス!
すかさず名刺を差し出し、「イルミナシオン映画祭実行委員の加藤です。よろ
お願いし、しまっす!」と少々カミながらご挨拶。岸谷さんは「こちらこそ、
よろしくお願いします」とこんなアタシに頭を下げて下さった!(*>0<*)
「もうすっごい緊張してます〜!」というと、「そんなこと言わないで下さい、
僕たちはもう仲間じゃないですか!」って言ってくれたのぉぉぉぉ!
「仲間」ってナニ?今、「仲間」っていった?アナタとアタシは「仲間」なの?
もうすっかり天国まで舞い上がっちゃったよぉ(T_T)

それからポツリ、ポツリと「オー・ド・ヴィ」の話をする。
函館を「とにかく可愛らしい街」と形容して下さった。
「絶対にカンヌ映画祭、ベルリン映画祭に持っていく」と意気込みを話して
下さった。私のつたないホメ言葉に「ありがとう」と言ってくださった。
もうそれだけで十分です、アタシ…。

函館でなければ撮れない作品、函館だからこそ撮れる作品。
自分の街をこれほどまでに褒めていただいたことがあっただろうか?
美術の小沢さんも、撮影の上野さんも、とにかく函館を愛して下さっていて、
映画に携わるのなんて初めてだけど、だけどこんなにスタッフの気持ちがひとつの
方向に向いている雰囲気なんて、そうそうないんじゃないかなっていう思いにから
れてしまう。この瞬間に立ち会えて、本当に至福だと心から思う。そしてそのこと
に感謝するっ!きっとこの1ヶ月は私のナニモノにも変えられない1ヶ月になる
ことだろうな。そのためにも、アタシはどんなことをしてもがんばる!

昨日1日で、私は今までの何十倍も、自分の街が好きになりました〜(*^-^*)
そして私をとりまく総ての偶然や必然に、感謝してます。
私がこの街に生まれた理由、この方々に逢えた不思議、この1ヶ月それを見つけ
ながら大事に過ごせたらなぁって思います。

さあ明日はいよいよクランクインだ!(私はシゴト+残業だけど^^;)




2001年10月05日(金)

クランクイン間近!

父さん、いよいよです。(北の国から風に)
6日からクランクインです。
イキイキしてる人もいて、反面アタフタしてる人もいて、始める前から疲れ
きってる人がいて…。父さん、映画を作るってやっぱり大変です…。

うがー、続きそうにないので、普通の文章にしますが(笑)
とにかく準備ってものすごく大変。シーンごとのスケジュール調整なんて
見てるだけで「うむむ」とうなってしまう。クランクイン目前にしてまだ
ロケ地が確定していないところや、現地ボランティアスタッフの不足、
車両の調達など問題は山積み。現地スタッフにもいろいろ要求がくる。

「体育館くらいの広さの使っていない倉庫で、しかもトラックも入れて
砂を撒けるところ」そんなの急に言われてもないよぉ〜(/_;)

明日までの2tトラック2台?そんなぁ…。

200名のボランティア?う゛…(泣)

でもそれらをクリアしなくちゃ映画は撮影できないのだっ。みんなで探すしか
ないのだっ!有力なツテもコネもないアタシ。こんなにも自分の無力さを
感じたことはなかったよ…。やっぱり人脈ってのは大事だよなぁ…。

明日は討ち入りパーティがあってね、なんと監督はじめ全スタッフが集結する
のだ!岸谷五朗さんもいらっしゃる!うおーーー!うぎゃーーー!
しかもご挨拶なんてしちゃったくらいにして!(どこまでもミーハー)

5日は制作発表があり記者会見にも出席するように言われたけれども、仕事で
行けない…。うぅこんな機会なんて絶対にないのにぃ〜!
テレビだって来るのに〜!(かなり出たがり&ミーハー)
でもね、昨日シナリオのスタッフ欄に、アタシの名前が刻まれているのを発見
して、「じ〜〜ん」(T-T)としてしまいまひた。

とにかくクランクインまであと2日!
仕事とスタッフの両立はなかなか難しいけど、できるだけがんばってみる!
飯炊きだろうが、掃除だろうが、交通整理だろうが、やりまっせー!

2001年10月03日(水)

ムチムチちゃん。

今日から職場の制服が冬服になりました。
寒がりのアタシは「やっとこの日がきたぜっ」ってな感じ。
ロッカーで着替えていて、愕然とした。( ̄□ ̄;)
キツい…。キツいのだーーー!

しゃーないよなぁ、体重は増えてるから、絶対に緩くなるはずなんてないのに、
実際にこれほどまでにキツくなってしまうと、「こ、これは夢か…?」なんて
都合よく考えてしまうのは何故なのだらう…。

でもでも甘えちゃいけないのだ!
ウエストのホックは3段切り替えになっているんだけど、一番ゆるいところで
しめたりなんかしない!もちろん一番キツいところに設定!
甘えちゃいけないのだ!この甘えがユルユルのお腹のモトになるのだっ。

あまりのキツさに、今日1日しっかり背筋も伸びた状態で、姿勢もよろしく
しかもあまり食べられないし、このままでしばらくがんばってみる…(苦笑)

夏のバーゲンで、どうしても欲しかった大人の黒いタイトスカートを買った。
バーゲンで買っても1万くらいする仕立てのよいスカートだったのにも
かかわらず、やっぱり少しきつくって、一度しかはかなかった…。
そのときは「このスカートをはくために絶対に痩せる!」と決意したのにも
かかわらず今まで忘れていたし。私ってどうしてこーなんだろう。
今日という今日は、流石のアタシも反省したよ(-"-;)

あぁ、世の中の男性諸君。
少し(…いや、結構か?)ぽっちゃりした女性は、やっぱりお嫌いですか…(>_<)

2001年10月01日(月)




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