DAY
私の日々の下らない日常。
最近はマンガばなし。


*web拍手*

2004年01月25日(日) TBSテレビドラマ「砂の器」突発SS

たとえば、まるで遥かな地平線から昇る太陽のような


優しく膨らんだ柔らかな頬と、艶やかな流れるような黒髪。
しっとりと潤んだ満ち足りた瞳は、媚びた時ですらまるでいやらしくない。
与えることも与えられることも、彼女には空気を吸い込むのと変わらない程自然なことで。
人を裏切ることも裏切られることもなかった人間だけが持ちうるその空気が愛しいと思った。
闇の存在すら知らない彼女のその暖かさや光を厭わしく思うには、和賀は凍え過ぎていた。

まるで別世界の生き物なのに、どうなっているのか彼女に触れることだけは酷く容易い。
そっと腕を持ち上げて指一本でもその存在に触れれば、たったそれだけで彼女は眩しい微笑みを惜しむことはない。それは旋律を奏でるよりもずっとずっと簡単で、しかも麻薬のように和賀を惑わせた。
彼女の熱や光がいつか自分まで暖めてくれるのではないかと。
幻想だと知っていても傍にいて欲しいと願う程には、和賀英良は田所綾香に溺れている。

そのまま溺れ死んでしまうことも出来ないということすら、わかってはいたのだけど。



「砂の器」第二話を見て。
和賀の婚約者役の京野ことみがああやってみると可愛かった…髪下ろしてる方が断然好み。
和賀が綾香に合鍵渡してるって言うのがすーっごい意外で。本人を目の前にしてあっさりと彼女を「可愛い」って形容してみたり、思ったよりも自分の考えを伝えたりとかしててそれにも驚いた。ああ親が政治家だからっていうのだけじゃないんだな、ちゃんと彼女自身を大事に思ってるんだなって凄い思ったので。
まあこれから和賀はあさみと運命の恋に落ちて綾香はあっという間にカヤの外なんでしょうが(…)ちょっと妄想してみました。
しかし日曜の夜じゃないと成立しないドラマだな、ホントに。見させる見させる。ちょっと映画っぽいというか、過剰に詩的だけど今のところ許容範囲。ていうか面白いんだけど…どうしよう(何が)。
ていうか和賀物持ち良過ぎ。過去捨てるんなら徹底しようよ!どんな理由があるにしても無理心中企むような親捨てていいよ!



2004年01月24日(土) TBSテレビドラマ「白い影」感想

我が儘な医者。
残酷な美しい人。
与え尽くしたいと願った優しい心。
傲慢な死に行く魂。


取りあえずテレビシリーズは全部見ました。特別編もあるらしいのですが、まあそれはそれで取りあえず感想をば。
あのですね〜要所要所では取りあえず泣かされたんですよね。直江と倫子の最後の逢瀬の場面とかはさー反則だったよね…。後石倉さんの遺書とか。
面白くなかったとは絶対言わない、言えない。でもだからってそんなに傑作かと言うとなあ。今平行して「僕の生きる道」見てるんですけど(まだ6話までだけど)、あの完成度と比べるとやっぱりなあ…。
問題はさ、スタッフの労力の3分の1は「いかに中居正広を美しく撮るか」に費やされているとしか思えないところだよね…。
3話だか4話だかのラスト、夕暮れのオレンジが満ちた部屋の中で顔をあげた中居君は確かに美しかった。「ひいいいい…」とかちょっと思った。竹内よりよっぽど綺麗な顔してるんだな、中居君…びっくりだっただよ。中居正広が主役とヒロインをやった恐ろしい作品ですな、コレ。(…)

ていうかさあ、直江ってどうなのよ。本質的には優しい人なのは分かるよ。でもさ、最後自殺ってどうなわけ?次郎が自殺未遂起こした時めちゃくちゃ怒ってたじゃん!ビデオレターから察するに、その時は既に湖の底に沈んで死のうと思ったんでしょ?彼は医者として、患者が自殺したりしたら凄く哀しんで、凄く怒ると思うんですよ。無力感にも襲われると思う。それなのに自分は自ら死ぬのか…(遠い目)直江の気遣いって中途半端だと思う。自分勝手すぎると思う。でも彼がそうあるのを一番望んだのはきっと倫子自身だ。
倫子がまったく気が付いていなかったとは思えないんだよ、だから彼女は後悔しないように彼といたと思う。でもまさか置いてかれるとは思ってないだろ。彼は自分の胸で、腕に抱かれて死にたいと願ってくれるだろうって信じていたと思うんです。愛していてくれるなら、そうだろうって。それなのに自分の知らない時に死なれるんだよ?どれだけ辛いだろう。そこで恨まないんて、笑えるなんて、彼女は確かに強いと思う。
倫子が妊娠のことを伝えられなかったって、直江的にすっごいびみょ〜だよね…。知ったら彼はまず喜ぶと思う。彼はいのちの大切さを知っている人だし、倫子を愛していたのならなおさらそうだったはず。でも同時に、それは物凄い恐怖でもあるんじゃないだろうか。直江と言う男の最後には私としては結構不満が残るので、そんくらい怖がらせてやっても良かった気がするんだけどなあ。でも倫子たちは彼が苦しむの絶対嫌がるだろうしな…。
彼はあんなにも愛されていたのに、大切だと思ってくれる人がたくさんいたのに、それなのに自ら死んでしまった。どんなに病気が進行しても、衰弱しても、彼らはきっと変わらずに彼を美しいと感じただろうに。
…あー考えれば考える程納得出来ないこの男!でもさ、それでも彼は物悲しくて、抱き締めてあげたいと思わせる。ずるいよね、卑怯だ。中居君の勝利だなあ…。演技結構上手じゃないか。
小橋先生がめちゃくちゃいい人だった。彼はもうひたすらに優しい、善人なんだと思う。直江は本当は、ああいう人間になりたかったんじゃないかなあ。
女性陣は軒並み私の好みから外れていたのが痛かったな。菊川怜演技へたくそだよな…ヒロインの竹内があんまり好きじゃないんだごめんーーー!!
まあでも一応特別編も見たいと思う。


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黒沢マキ [MAIL] [HOMEPAGE]