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指輪物語関連ファイル

YUKI


2002年05月26日(日)
 <ビデオ>『乙女の祈り』


指輪の映画の監督、ピーター・ジャクソン(PJ)の作品。
1954年にオーストラリアで実際にあった事件を題材として作られた映画。
孤独な少女ポーリンと転校してきた少女ジュリエットは、
ふたりだけの想像の王国を作り上げるが、度を越した友情を危惧する親たちに
引き離されそうになって、そして事件が起きる。
実際の事件はどうか知らないが、この映画の中の母親は、特に落ち度があるわけではなく
どこにでもいる普通の母親として描かれている。愛情深いといっても良いくらい。
それをどうやってラストシーンに持っていくかが監督の腕のみせどころだろう。
かなりうまい、と思った。それでもラストの重さを支えきれるほどではない。
そのへんは監督もわかっているのか、唐突な終わり方で後味悪く仕上げてある。
指輪を見て、PJは女嫌いじゃないの?などと思っていたが
そうでもないかもしれない。女性に対するファンタジーを全然持っていないのだろう、多分。
(それって女嫌いってことかしらん)それでも、少女を等身大に描くことは、嫌いではできないだろう。
ただ、母親に対する嫌悪感は、こういうことじゃないだろうと思う。そのへんはわかってないよなあ。
フラットな画面。チープな粘土の王国。淡々と盛り上げていく丁寧な仕事。
PJはバッドテイストな人かもしれないけれど、かなりうまいと思う。
指輪はまじめに作っているけど、それが終わったら、またとんでもないもの作るのかもね。

ポーリンは14歳の設定だ。あうう、うちの娘と一歳違いとは思えない体格と性格。
どうしたって、私は母親の方に感情移入してしまう。
思春期の娘のわがままを許す親なんていないと思う。ポーリンの母親は正しい。
そしていつか、違う意味で殺されて役目を終えるのだ。


2002年05月17日(金)
 誘惑のぽちっとな


amazon.com.jpで本を買うことを覚えてから、
タガがはずれたような、購入ペースが続いている。
でも映画をきっかけに『指輪』にはまった人(再読した人を含む)
みんながたどる道だとか。
昨日は、トールキン教授が指輪とホビットの一節を読む朗読テープが届いた。
ちょっと聞いてみたらば、大学のゼミで先生の声を聞きながら
勝手にトリップしていた昼下がりを思い出してしまった・・・・
(部屋の中は薄暗くて、外は明るくて、本のにおいがして、煙草のにおいがする感じ)
今日も朝から、トールキン・アンサンブルのCDを買おうかどうしようか、とか
映画のコンセプト・ディレクターのリーとジョンハウの設定資料集がもうじき出るので、
UK版とUS版のどちらを注文しようか、などと悩んでいた。
大昔、探している洋書を注文する時の手間と時間を考えると夢のようだ。
それはそれで遠い外国から届くんだなあという実感があって楽しかったけれど
やっぱりすぐ届く方が便利。
ホリポタのDVDもアマゾンで注文した。発売日の朝届いた。
千と千尋のDVDは、ローソンで注文すると、おにぎりフィギュア(なんじゃこりゃ)と
オリジナルトランプがついてくるので、そっちにしようかと思っている。
さて、問題は夏頃発売される指輪のDVD2種類をどうするかだなあ。
アルゴナスのブックエンドがついたコレクターズ・ギフト・セットがほしい・・・・


2002年05月12日(日)
 <映画>『Gods and Monsters』


サー・イアン・マッケランは素敵だ!
この映画を見ていると、性別というものがとても大雑把な区別のように見えてくる。
社会の中で普通に通用している常識ではとらえきれないタイプの生き方がある。
そういうことはこれまでも多く語られているし頭では知っているけれど、
この映画の中のサー・イアンはそれを体現しているように思う。
身のこなしや表情やしゃべり方。男でも女でもないが、とても魅力的なサー・イアンがいる。
私は彼の映画は『指輪』と『ゴールデンボーイ』とこの映画の三本しか見ていないので
彼がどこまで演じていて、どこまでが彼自身なのか、ということがまだわからない。
『ゴールデンボーイ』を見ていたときに、少し普通の映画とは違う感じがしたのだけれど
その感じはこの映画にもあった。関係者にゲイがいるせいかしら?

映画については、重層構造になっていながら、程よい距離を保ちつつ、
感情に流されず、突き離さず、暖かく、最後まで作ってあるのが心地良かった。
怪物とは何だったのか?簡単に答えはでない。答えが必要なわけでもない。
ゲイであっても女性を拒否しているわけでないのも素敵。
ハンナが、文句を言いながらも、親身に世話をしてる様子がとてもいい。
最後に男の子を押しのけてキスをしているのに笑った。
ブーンとホエールの間には一瞬の共感があったが、道が交わることはない。
それでも共感と親近感はこの映画の救いになってないかしら?
ハンナとホエールの間にあるものも。

ホエールのような生き方は不幸だろうか?
ホエールを演じたサー・イアンの笑顔を見ていると、
不幸ではなかったと思えてくるのだった。

Gods and Monsters-index
www02.u-page.so-net.ne.jp/ka2/take-m/gandm.html


2002年05月10日(金)
 <本>「中つ国」歴史地図


昨日、アマゾンに注文した本が、もう届きました。

The Atlas of Middle-Earth 「中つ国」歴史地図 ― トールキン世界のすべて
The Hobbit and The Lord of the Rings Boxed Set

「中つ国」歴史地図 は、プロの地図作家(大学の地理の教授)が、
トールキンの指輪物語を読み、この世界を地図にしたいと思い
様々な資料を使って書き上げた大量の地図に、指輪の旅の仲間が通った道すじや
『ホビットの冒険』でビルボがたどった道のりが書かれているばかりではなく、
指輪物語以前の神話的世界についても詳細に記入されているという本です。
初版が出てから、『中つ国の歴史』シリーズが刊行されて
それも視野にいれて、改訂された版が出たのが1991年。
マニアの間では評判のこの本が、映画化されたおかげか
今年の二月に日本語版が出ました。

私はまだパラパラと見ただけですが、ホビットと指輪の話は、この本の半分くらい。
あとの半分はそれにさかのぼる第一紀と第ニ紀のものです。
『シルマリルの物語』や『未完の物語』『中つ国の歴史』シリーズの方が
お話よりも多いんですね。
ビルボの家の見取り図、ボンバディルの家の見取り図、ビヨルンの家の見取り図まであります。
ビルボの家の見取り図そのままに、映画のセットは作られています。
丘を登って、ビルボの家に行き、ポーチのベンチに座ると、誕生パーティーの開かれた野原が見渡せる。
その地図の横には、「ホビット庄の掃蕩」後の荒れ果てたホビット庄の地図があり、
解説の文章に、一年の復旧作業ののちに元にもどったことが記載されています。

ビルボとドワーフ達が裂け谷までたどった旅程と、フロド達旅の仲間がたどった旅程が
一枚の地図に日付を入れて記入されています。
トロルが石になった場所も記入してあって、それはふたつの旅がクロスする場所にあります。
(映画でもちょうどそこに映っていました。)

モルドールも角笛城もそんなふうに克明に地図になっています。
原作を読んで地図を見て、地図をみてから本文を読んで
頭の中にさらに鮮明な中つ国を作っていく作業ができるんですね。
時間をかけてゆっくりと楽しもうと思っています。


2002年05月06日(月)
 <ビデオ>『ゴールデン・ボーイ』


サー・イアン・マッケラン主演。
さてさて、はたしてサー・イアンがもとナチのドイツ人に見えるかどうか?
ちゃんとドイツなまりの英語でしゃべっているのかどうか?私にはわからない。
指輪の映画からさかのぼって、他の映画を見ているからか、どうしてもこのキャラクターに
イアン・マッケランをあてはめることができない。

というのは、私は原作のキングのファンなので、『ゴールデン・ボーイ』については
自分なりのイメージができあがっているからかもしれない。
映画のラストと原作のラストが全然違うわけだけど、それは社会に対する影響を考慮したからかしらん。
原作の中で圧倒的な説得力を持つ老人と少年の間に生まれる狂気は
この映画の中には存在しない。なんだかじっとりした悪意だけは感じるけれども。
ついでに言うと、どうして主演の男の子の裸ばっかり写すんだ、監督。ゲイだからか?
表面的には完璧な優等生を演じつつ、内部が崩壊していく少年を描いた映画が見たかった。



2002年05月05日(日)
 <ビデオ>『ヤクザvsマフィア』


あははは。なぜこんなものをとお思いでしょう。
ヴィゴ・モーテンセンが出てるんですよね。共演は石橋凌。
LAでマフィアと争う日本のヤクザの若頭と孤独なアメリカ人の友情の話・・・かな?
ヤクザ映画というのをあまり見たことがないので、この映画がどういう流れで作られたのか
さっぱりわかりませんが、意外と話はしっかりしていました。
金髪で、ヘルメットをかぶってフォークリフトを動かすアラゴルン。(失礼!)
アクションシーンたっぷり。ラストの石橋凌とのシ−ンは、今年の映画のラストを
思い出させるところがあります。そういう役柄が似合う人なんだろうか。
あんまり上手じゃないけど、日本語を話すシーンもあります。
ヴィゴのファンの方にはとってもおすすめな一本でした。

www.jmdb.ne.jp/1993/dq002680.htm



2002年05月03日(金)
 <映画>映画の日にまた・・・・


今日は映画の日。10連休中の同居人と一緒に映画を見に行きました。
吹き替え版。しかし隣に現実(・・・・)が座っていると
なかなかトリップできないのが困りものでした。
終わってから聞いてみました。

「おもしろかった?」
「おもしろかったよ。あの後ろからついてきた変なのはどうなった?」
「ゴクリはね、ずーっとついていくの。」
「あれは味方?悪者?」
「うーん。その質問は難しい。」

「映画の中で私が一番好きなのは誰でしょう?」
「あの、弓持ってた人じゃないの?」
「ぶ・ぶー!私は面食いじゃないのだ。」

「あの大きいバケモノって、ハリポタに出ていたのと似てる。」
「だって同じトロルだもの。」
「なんか悪の冥王とかでてくるの、ハリポタみたいだね。」
「だから指輪が本家本元なの。」

やっとメリーとピピンの見分けがついたわ。メリーはしっかりした発言をしていました。
石化したトロルを発見!フロドが剣でさされて、アルウェンが登場する直前の
シーンで、トロルの石像の真中にみんなが立っています。
(『ホビットの冒険』に出てくるエピソード。パーティーでビルボが子供達に話をしている石になったトロルです)
ガンダルフのパイプの煙が船の形になって夕日にむかって行くのは、
ちょっとしたサービスなのかもしれません。
水中に伸びる手が二箇所ででてきますが、ひとつは指輪をつかみ
もうひとつは違うものをつかみます。一応、呼応してるのかな?なんて。
ついでに言うと、手のひらに大事なものを載せて包み込む動作も
注意深く使われているように思います。
小ネタ。船から上がったレゴラスの髪型は、編み込みの三つ編みでした。
いったい誰が編んだんだ。ギムリか?(ふ)
しかしついに、映画から得られる情報より、原作から得た情報が
私の中で多くなりました。映画を見に行くのはもうおしまい。
DVDの発売を待つことにします。
(PS2でイギリスのDVDが再生可能なんだって。わーい。)


2002年05月02日(木)
 <本>『指輪物語』再読中


9冊の文庫本(よく考えるとこの数は・・・)と追補編をあちこちひっくり返して読み返す日々。好きな場面とセリフを何度も見て、その周辺を読むと新しい発見があり、また関連部分を探す。そうやって頭の中に自分のインデックスができあがっていく。ファンのたくさんいる作品だから、いろいろな辞典や索引や地図が既にできあがっているけれど、自分で作るほうが楽しい。その作業が一段落したら、他の人のを見てみよう。読んでいて思ったのだが、翻訳の瀬田訳が既にひとつの解釈ではないかしら。もう最近ではあまり見かけなくなった美しい日本語であまり表に立つことなく、適切にはみ出すことなく外すことなく仕事をされている。読み込んでいくうちに、日本語のフィルターの部分も区別がつくようになっていく。ここにもガンダルフのように、経験を積んだおじさんがいるようだ。(かんしゃく持ちかどうかは知らないが)映画のキャラがかぶることはほとんどない。ギムリのビジュアルだけは三つ編みつきで、参考にしているけれど。最初読んだ時はほとんどわからなかったけれど、人の名前、地名、伝説、木々や宝石それぞれに、エピソードがあるような。読んだ範囲の(追補編に出ている範囲)ものには多少反応できるようになった。アラゴルンやガンダルフが思わせぶりなことを言ってるところには、必ず背後にもうひとつの物語があるようだ。かっこいいセリフにじーんとしつつ、その前後の風景描写もすごい、と思ったり。淡々とすすんでいくように見えて、時々はっとするような展開が織り込まれているなあと思ったり。パランティアがらみのところを再読し、「あーばかなことをするんじゃないよー」とはらはらし、そのあとの夢心地の馬上の描写に感動したり。こんなふうにお話にひたるのはずいぶん久しぶりのことだなあ。


2002年05月01日(水)
 <本>『ロードオブザリング』公式ガイドブック


角川書店から出ている公式ガイドブック。
2000円という値段の割には本がしっかりしているし、
紙質も良いし、写真や文章も多いような気がする。
俳優のインタビューは公式サイトや、インタビューで既に見た内容であることが多いけど
美術や小道具大道具、セットや特殊効果に関する記述がおもしろかった。
大きい人と小さい人の大きさの違いを、自然に表現するために
どんなに苦労しているか、というようなことも書かれている。
ロングの撮影の時、ホビットは子供が演じているのかと思っていたけれど
実は俳優のマスクをつけた小さい人たちが演じているのだそうだ。
ビルボの家などは、ホビット用のサイズと、大きい人用のサイズの
二種類のセットが用意されている・・・とか。
剣や鎧や兜は、鍛冶屋さんがまずプロトタイプを作り
それをもとに合成樹脂でたくさん作って彩色しているそうだ。
画面には映らないけれど、細部の作りこみが存在していることが
映画の中の世界を現実のものにするという考え方とのこと。

いつもはこの手の本は買わないんだけれど、熱が嵩じて買ってしまった。
公式本は、自画自賛的記事になりがちなところが、おもしろくないんだけれど
この本はそうでもないかな?批判的な視点を入れていないところがちょっともの足りないけれど。

本屋に行ったら、「月間フラワーズ」の6月号(創刊号)が出ていたので一緒に買った。
プチフラワーと別コミが合体して、主な連載が継続して載っている雑誌。
これまでのあらすじがわかるように、別冊ふろくに主な連載のダイジェストが載っている。
雑誌を買うという習慣がなくなってしまったので、ついつい買ってきたけれど
読み終わった本誌をもてあます感じ。
ビックネームが揃っているとはいえ、雑誌としての活力が出てくるのはこれからか?
来月号にはスクリーンセイバー入りCD−ROMが付録につくそうな。