トーキョー・ハッピーデイズ
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2000年11月26日(日)  母からの電話

「たまには電話くらいしなさいよ。生きてんのか死んでるのかもわからないんだから」
「はーい。生きてまーす」
「ご飯作ってちゃんと食べてるの?」
「うん」
(紺野くんが)
「お金はあるの?」
「……お母さん。3年も働いてれば、それなりのお金はもらえるの」
「ならいいけど。結婚でもして落ち着いてくれれば、それほど心配しないで済むんだけどねー」
「……」
(出たよ)
「早くコドモ産まないと、年取ったら私も子育て手伝えなくなるよ」
「……」
「いい人いないんだったら見合いでもする? 頼んでみようか」
(誰に)
「いいよ、余計なことしなくて」
「あんたのこと心配して言ってるの。つきあってる人いるんなら連れてきなさいよ」
「はいはい。用はそれだけ? 忙しいんだから切るよ」
「忙しいって、お休みでしょ?」
「今、掃除中なの。じゃ、いい?」
「はいはい。イヤな子ね。たまには帰っていらっしゃいよ」
「うん。そのうちね。暮れには必ず帰るから」
「風邪引かないようにね。みかん食べなさい」
「はーい」

2000年11月25日(土)  SHOPPING

 久しぶりに伊勢丹に行ったら、ここもすっかりクリスマス。
 盛り上がるのは購買意欲。
 オレンジ色のセーター。青いマフラー。
 この時期限定のきれいな色のマスカラとアイシャドウのセット。
 
 美里の結婚式に着る服を考える。
 最近そういうイベントがなかったから、買わないと。
 このワンピースいいな。
 こっちの方がいろいろ使い回しできるかな。

 ダイヤのピアスって、かわいい。
 そろそろ本物の宝石のついた指輪欲しいな。
 冬のボーナスで自分にごほうびで買おうかな。

 やっぱり紺野くんに何かあげた方がいいかな。
 考えてみたら初めてのクリスマスなんだよね。
 お世話になってるし。(特にごはん)
 このネクタイ、買っちゃおうかなあ。


 かろうじて理性を保つ。
 勢いにまかせて買っちゃうと後がつらい。
 だけど、欲しいものは欲しいー!!

2000年11月24日(金)  哀しき会社員

 さ、今日は早く上がろう、なんて思っていたら、17時を過ぎてから「これ月曜に持って行くからな」って伝票を渡された。
 月曜ってことは今日中に上げろってことかい。
 今日は金曜日。しかももう17時なのに。
 わかってる。わかってるって。そういうものなのよ。
 自分を納得させながら職務を全うした。
 会社勤めなんて。(T_T)

 これで土日はお休み!

2000年11月23日(木)  NEWS

 今日は世間は祝日だけど、カナシイかな、私は出社。
 たまっていた伝票を片付ける。
 夕方、明子から携帯にメールが入った。
『ショック! キムタクがああ。デキちゃったってそんなあ』
 は? どうゆうこと?
 急いでWebでニュースをチェック。
「木村拓也さん(28)が工藤静香さん(30)と結婚することを発表した。工藤さんは妊娠4ヵ月」
 ……これは一大事。
 そうかー。本気だったのね。
 28なら正念場ってとこなのか。
 どっちにしろ、明日の話題はこれだな。
 最近妙に結婚話ばっかりで、少々うんざりだけど。

2000年11月21日(火)  It's cold

 寒くて雨ばっかりでイヤになる。
 気分もなんとなくブルー。
 この冬初めてコートを着た。

2000年11月19日(日)  Sunday

 今日は約束どおり、朝から紺野くんのたまった洗濯モノを片付けた。
 彼も掃除に励み、部屋はすっかりきれいになった。

 午後はそれぞれ勝手に雑誌を見たり本を読んだり。
 私は床に寝転んで、前に置いていったままだったananを見ていた。

 恋愛力診断の特集で、心理テストがたくさんあって、暇つぶしにはちょうどよかった。

 総合恋愛力は平均だった。
 合ってるんだか合ってないんだかわからない。

 いちいち計算するのが面倒になって、まとめて適当にページをめくっていたら、「あなたは、結婚する女? しない女?」という見出しが目に飛び込んできた。
 YES・NOを答えていくチャート式のものだったので、再び挑んでみた。
 「結婚しないタイプ」。
 あ。やっぱり。
 これは当たってるだろうな。

2000年11月18日(土)  Date

 仕事をした後で紺野くんと新宿で夕食。
 彼はもうすっかり復活していた。
 なんだか久しぶりに外で待ち合わせなので、デートっぽくて新鮮味があった。
 たまにはこういうのもいいかもね。

 新宿はすっかりクリスマスの準備に入っていた。
 ツリー、ひいらぎ、ポインセチア。
 タイムズスクエアのイルミネーション。
 雰囲気はあるんだけど、なぜか冷めている私。
 なんでだろ。前みたいにはときめかない。
 こういう飾付けは華やかで好き。好きだけど、こんなに盛り上がるほどのものでもないと思う自分がいる。
 昔は1年の内、誕生日の次くらいに意味のあるイベントだったんだけどな。

2000年11月16日(木)  Christmas will come soon

 会社のビルの前に背の高いもみの木が飾られていた。
 あと1ヶ月でクリスマスか。
 夜はちっちゃい豆電球を光らせて、着飾っていた。
 なぜだかうれしくなった。

2000年11月15日(水)  Hungry?

 紺野くんから連絡が途絶えている。
 向こうからは電話もメールもない。
 こっちから電話しても留守電。
 これは別に珍しいことでもないんだけど、日曜日に電話があった時不調そうだったので、今日は早目に仕事を切り上げて彼の家に寄ってみた。
 3回しつこくチャイムを鳴らしたら、ようやく出てきた。
 髪はぐしゃぐしゃ、あごに不規則に並んだ短いヒゲ、部屋の真中に陣取った布団を発見する前から、一見してずっと寝ていたとわかる風貌だった。
 昨日から代休で家にいたのだという。
「具合、どう? 熱出た?」
「いや、悪くない。爆睡してた」
「昨日からずっと?」
「うん。月曜の夜、帰ってからずーっと。時々トイレに行ったくらい」
「トイレ休憩に起きたワケ?」
 あきれた。想像を超えている。
 キッチンに、カップラーメンのカップが2つ、割り箸がつっこまれた状態で置いてある。
「カップラーメンで生き延びてたの?」
「それが、昨日の昼で食料が尽きちゃって」
「そのあと何も食べてない? なんで電話しなかったの?」
「忙しいのに悪いから」
「バカ。何遠慮してんの?」
 空腹でふらふらの紺野くんのボディーにパンチ。
 うっ、と彼は喉をつまらせて布団によろよろしゃがみこむ。
「私のまずい料理でも、食べないよかマシでしょ?」
 ちょっとは甘えることも覚えりゃいいのに。
 私は冷蔵庫の中身を確認して(ホントにからっぽだった)、近くのスーパーまで買い物に走った。

2000年11月14日(火)  遠回り

 ぼーっとして電車を乗り過ごした。
 宛名を書き損じて葉書を2度も書き直した。
 行き先の違う切符を買って払い戻した。
 郵便局で「こちらでお待ち下さい」とある場所で待っていたら、2人に横入りされた。
 順番に整えたばかりのファイルを落として中身をばらまき、並べ替えた。
 さえてない。
 やることなすこと無駄ばかりの一日。
 明日はいいことありますように。

2000年11月13日(月)  冬眠

 朝、布団から出るのがつらい。
 寒い、眠い、まだ休みたい。
 これからもっと寒くなるなんて。
 ……出社拒否しちゃいそう。

2000年11月12日(日)  5pm

「もしもし、紺野くん?」
「うん。ごめん、今日。仕事終わらなくて……」
「そんなの気にしないでいいけど、大丈夫? 今日は帰れるの?」
「うーん。朝までコース、かな」
「あちゃ。今週帰ってないんじゃないの?」
「一度服を取りに帰ったけど」
「そんなの帰ったって言わないよ。そういえば声が変。風邪引いた?」
「うん、ちょっと」
「かわいそうに。無理しないでね。って言ってもしょうがないか」
「ありがとう。来週は休めるから」
「わかった。じゃあ来週は洗濯でもしにいってあげよう」
「あはは。お願いします。それじゃ」
「うん。またね」

2000年11月11日(土)  Holiday

 水・木と頑張った甲斐があって、今週は2連休。休日出勤なし。
 昨日帰りが遅かったので、お昼まで寝ていた。
 よく晴れていたので布団を干して、たまっていた洗濯物を片付けた。
 久しぶりにのんびり幸せ。

2000年11月10日(金)  Realities of Life

 19:00に新宿で明子と待ち合わせた。
 タイムズスクエアの上層階で食事をした。
「年だからしょうがないとは思うけどさ。いい加減Excelくらい覚えてほしいんだよね」
「そんなのまだマシ。ウチの部長なんか漢字変換でつまづいてるんだから」
「それは重症ー」
 私はカルボナーラ。
 明子はペスカトーレ。
 初めての店だけど、味は気に入った。
 足元には新宿の夜景。
 ワインでほろ酔い。いい気分。
「でも美里に先越されるなんて思わなかったなあ」
 その話題に及ぶとどちらともなくため息が出る。
「考えちゃうよね。ウチの母親なんか『25には結婚してたわよ』なんて言うしさー」
「げ。そう考えるとまだ早いなんて言ってられないのか」
「会社の先輩なんてもっとすごくて、6人兄弟なんだけど、『あんたの年には全員産み終わってた』って言われたんだって」
「ひえー。それはショック大きい……」
 コワイ話だ。思わず私は考えた。
 ウチはどうなんだろう。
 今年50だから、確かに私は母が25の時に生まれている。
 なんと。初めて気付いた驚愕の新事実。
「美里、仕事どうすんのかな」
「忙しいからねー。続けるんだろうけど、子ども産むとなったら難しいだろうね」
「さすがに専業主婦はありえないよね。美里に限って」
「それは似合わない」
「私は無理だな。ずっと家にいるなんて、耐えらんない」
「私も」
 デザート登場。
 チョコレートシフォンケーキに、フルーツとクリームが添えられている。
「ジュンはどう? 紺野くんとうまくいってんの?」
「まあなんとか」
「結婚しちゃえば」
「まだ半年だよ」
「美里だって出会って1ヶ月でしょ。期間なんか問題じゃないよ」
「美里の場合は、相手が年上だから。社会出て2年じゃ、結婚なんか視野に入ってないよ、きっと。私だってまだ早いと思ってるのに」
「それもそっか」
「明子はどうなの? よく続くよね、名古屋なんて遠いのにさー」
「別れようと思って」
「なんで? なんかあったの?」
「別に……。うまくいってはいるけど。現実的に考えると、このままつきあってもって思うんだよね」
「遠いから?」
「うん、それもある。長男だし、早く結婚して同居しろって言われてるみたい。たぶん、このままいけばまちがいなく結婚すると思う。でも今はそういうの考えられないし、彼のこと結婚相手として考えると違う気がする」
「ああ、そっか……」
「なんかね。やっぱりどうしても今までとは違うよね。学生の頃はそこまで考えなくてもつきあっていられたけど」
 コーヒーが苦い。
 私なんて、まだまだコドモだ。
 時間は止まらず、私たちは確実に年をとる。
 それに伴って中身も成長するわけじゃないのに。
 それでも大人にならざるを得ない現実がある。

2000年11月09日(木)  働く

 肌荒れ。
 寝不足だな。
 今日は一日眠かった。
 昨日は結局、帰ったのは2時過ぎ。

 だけど明日残業をしないために今夜は頑張る。

2000年11月08日(水)  一触即発

 お陰様で今夜も残業。
 課長は取引先の人と週末のゴルフの話で長電話をしている。
「いやー、僕はハンディーいただかないととてもゲームになりませんよ……あっはっは」
 もう30分近くもこの調子。
 資料作成が外注に出せなかったので、私は一日この仕事に追われている。
 切って貼って、写真を選んで貼って……。
 その合間に何度もお客さんとの打ち合わせなんかも入ったから、進み具合は芳しくない。
 他にもやることは山積みなのに。
 今日帰れるのかもわからないというのに!
 ……イライライラ。
「浅井くん、ちょっと」
 電話を切ったかと思えば、私をデスクに呼びつけようとする。
 なんなの!?
 キッと目を向けてもヤツは何も気付かず、パソコンに向かって首をひねっている。
「Excelでさー、合計出すのってなんかなかったっけ?」
 嘘でしょ。何度教えたと思ってんの?
「その棚に解説書ありますよ」
 自分で調べやがれ。口先まででかかって飲みこむ。
「やさしくないなー。どうしたの?」
 どうしたって、お前が原因だっつーの。
「彼氏とけんかでもした?」
「課長、手空いてるなら手伝ってください」
「おおこわ。図星だったな、こりゃ」
 課長は勝手に独り合点して、触らぬ神にたたりなし、とかなんとかつぶやきながら解説書を取りに立ち上がる。
 フジヤマぁ、残りの毛、抜いてやろうか。
 本気で血管切れそう。
 こいつ殴って辞表出しちゃおうかな。

2000年11月07日(火)  ヤツアタリ!?

 課長の機嫌が悪い。
 朝のミーティングで部長に何か言われたらしい。
 触らぬ神に……と思っていたのに、見事ひっかかった。
「浅井くん、この見積出し直して」
「えっ。何か問題でも?」
「もう一度自分で目を通してみなさい」
「はい……」
 やっぱり別におかしいところはない。
「どこがいけないんでしょうか?」
「ここだよ、これ。資料作成にこんなに金かけてどうする」
「でも、ここは外注ですし……」
「これくらい自分でやれるだろう。もっと君もコスト意識をもってくれないと困るよ」
 ああ、部長にそう言われたんだな、と気付く。
 この資料を作るのは単純だけど手間がかかる。
 こんな手作業に時間割いてる場合じゃないっての。
 でも口答えしたらお説教が長くなりそうだ。
「わかりました。今直します」
 このハゲ丸!――腹の中で毒づく。

2000年11月06日(月)  金曜日の予定

送信者:伊東 明子
日時: 2000年11月6日 10:45
宛先: 浅井 純子
件名: 金曜日の予定は?

美里、結婚するってね。裏切り者(笑)。
次は純子かな。
その時はちゃんと経過報告するように。
こっちは当分、というより一生なさそう。
ところで金曜日、空いてる?
久しぶりに飲みに行かない?


送信者:浅井 純子
日時: 2000年11月6日 10:45
宛先: 伊東 明子
件名: Re:金曜日の予定は?

結婚なんて、私だってまだまだ先だよ。
金曜日、OK。
本当に久しぶりじゃない?
早く上がるようにします。

2000年11月05日(日)  お仕事です

 休日出勤。
 すっごく晴れてるのにもったいなーい。
 今日雨だって聞いてたのに……。雨なら会社来る気にならないか。

 早めに切り上げて、新宿でお買い物。

2000年11月04日(土)  感謝の日

 木曜日の夜(といっても午前様)、帰ったら紺野くんが来ていた。
 勝手に布団を敷いて一人で寝ていた。
 携帯の着信履歴を見たら、彼から3件入っていた。
 悪いことをしたなー、と反省。(反省反省の一日だった。)
 朝寝坊した私に、彼はベーコンエッグとトーストを用意してくれた。
 感動した。よくできた彼氏だ。
「ねえ、都合のいい男になったらだめだよ」
「おれって都合がいい?」
「だってほっといても文句一つ言わないし、ごはんも作ってくれるし」
「文句なんか言ったって、仕事なんだしさ」
「聞き分けがいいね」
「理解があるって言ってくれない?」
「そっか、ごめん。理解があるね。普通はこうはいかないよ」
「こんな男、他にいない?」
「うん。ありがと」

 今日は紺野くんに感謝して、午後はビデオで「ノッティングヒルの恋人」を見て、夜はシーフードスパゲッティーとサラダを作って進呈した。

2000年11月02日(木)  TOO BAD DAY

 やってしまった。痛恨のトラブル。
 どう考えても私のミス。
 今日は一日処理に追われた。
 どうにか損害は少なくて済んだけど、最初に確認を怠ったのがまずかった。
 なんかやだなー。この頃、注意散漫なんだよね。
 ――自己嫌悪。

2000年11月01日(水)  結婚するって本当ですか?

<突然ですが、結婚することになりました。来年2月に披露パーティをします。>
 朝から美里のメールに驚かされた。
 美里といえば、学生の頃から独身主義だと公言していて、某大手出版社でファッション誌の編集をしている仕事命の女のはずだった。
 彼女に限って結婚なんてありえないと思っていた私にはまさに寝耳に水。一体どうしちゃったんだろう。
 その後ばたばたしているうちに忘れてしまったが、残業して一人になったところで思い出して電話してみた。
「久しぶりー。元気?」
 美里の声は明るい。
「ねー、結婚って、いつの間にそんな相手がいたの? びっくりしたよぉ」
「あはは、ごめん。さっき明子からもそれで怒られたよ」
 婚約者は取材で知り合ったアパレルの32歳のバイヤーなのだという。
 向こうが美里に一目惚れでアプローチしてきて、そのうち美里の方も本気になってしまったのだとか。
「あれだけ結婚しないって言ってたのに一番先に嫁に行くとはどういうこと?」
「ねー。ホント自分でも信じられない。まあ、そういう時機なのかなって思ってね」
「ふーん。そんなもんかな」
「そろそろ年貢の納め時ってゆうか」
「それ普通男の台詞だよ」
「そっか」
 美里に散々おのろけを聞かされた後、私は最後におめでとうを言って電話を切った。
 大学を卒業した後第一次ピークがあって、友達が何人か結婚した。
 当時私は社会に出たばかりで、結婚なんか到底先のことだと思っていた。
 今だって仕事が忙しいし、それなりに彼とはうまくいってるし、この生活を変えようなんて思わない。
 だけど、最後だと思っていた美里が結婚するとなると……。
 紺野くんのことは好きだし、まだしばらくつきあっていたいけど、結婚はどうかなあ。
 彼は私より一つ下だし、結婚なんてあと5年は考えないと思うんだよね。
 私、子どもは苦手だし、母親になってる自分が想像つかない。
 まして専業主婦なんて無理。親と同居、嫁姑問題……etc.
 ――やっぱり絶対向いてない。妻とか母とか。(・_・;)


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