6匹目の兎<日進月歩でゴー!!>*R-15*

2005年05月23日(月)   11のお題 「気にはなる」

ナニをしてる訳でもないのですが(笑)
ちょっぴり、恥ずかしいので、こっちでアップ。

悶々と悩む、乙女思考バトさんを書くと何でこんなに恥ずかしいのか?
もぅ、頼むよ!バトさんたら!!

・・・って、バトさんに責任転嫁してもな・・・orz

自分がしっかりしろ。

だんだん、表で更新しづらくなっているカンジがする今日この頃・・・(汗)


































バトーは共有室のソファに陣取り、相棒・トグサを見遣った。
視線の先のトグサは、イシカワと何やら楽しげに話し、笑っている。
その笑った顔、声。
視覚と聴覚からのその刺激に。
胸の辺りが、ざわざわと嫌な感触でもってバトーを苛んだ。


これは嫉妬か?


自分の相棒が、仲間と話しているだけの光景に。
何故、こんなに苛立つのか。


それとも、子供じみた独占欲か?


こんな感情は、とうの昔に生身の身体共に無くしたと思っていたというのに。
バトーは自分の考えに、内心で首を振った。


いやいや、そんなことはない。


相棒が仲間と話しているだけ。
ただ、それだけのこと。
─────────とは、思うのだが。
知らず、表情が険しくなることにバトーは気付いてしまっていた。


何の話をしているのか。
自分と話している時も、あんなカオをしているだろうか。


埒もないことが、電脳を走り回る。
こんなことを考えていること自体、可笑しくはないか?
という声がしたが、バトーはそれを無視することにした。


これは”嫉妬”なんかではない。
ましてや”独占欲”でもない。


ただ。
そう。
生身で、生意気。
迂闊なくせに、無茶をやらかす。
そんな相棒のことが。
その一挙手一投足が。

”気にはなる”

その程度のことなのだ。
バトーは、己の思考に蹴りを入れると、勢いよくソファから立ち上がった。
ジャケットを羽織りながら共有室を出るため階段を上る。
そこに、背後から声。

「旦那?どこ行くんだ」

トグサの声だ。

「外回りでもして、情報拾ってくる。ぼーっとしてんのも、暇だしな」

肩越しに振り返って、それだけを言い、バトーは止めた足を動かした。
それに、慌てたようなトグサの声と足音が追ってくる。

「待てよ、旦那。俺も行くって!」

「────お好きなように」

立ち止まらずに、歩き続けた。
トグサの軽い足音は、更に追ってくる。



勝手に笑おうとする口許も、バトーは無視することにした。



2005年05月15日(日)   鬼の守人  <八>

ども。
お久しぶりの”鬼”でございます。
まだ、続いてました。

どこまで、逝く気なのか、自分でも判りません。


あんまり久しぶり過ぎて。
書き出すのに。
もう一度、最初っから読み直さないといけないという罠に嵌まり・・・orz
自分で自分に、羞恥プレイ(笑)
恥ずかしいやら、書き直したいやら、大変な苦行でした。

・・・・・・・・・もぅ、本当に・・・・・・・・・・笑い事じゃないから・・・orz

ノリを掴むのにも、四苦八苦☆
放置した自分が悪いんですが・・・(苦笑)

ぽんぽーんと、更新したいよ・・・。
出来ればですがね・・・・(無理だから・泣)
























八・鬼喰い


家に辿り着くと、縁側に祖父が座って待っていた。
その隣りでは、素子がお茶の用意をしている。
彼女の眷属である妖しの者達は、縁の下に身を潜め、近づいてくる兎草を心配そうに見つめていた。
自分達が護ってきた小さな子供。
その背後に在る得体の知れぬ霊体。
未だに己達の抱く不安が拭い切れぬのであろう。
ただ一匹、防摩は体が大きく縁の下には入れないので、素子の傍に寛いだ様子で蹲っていた。
「祖父さま」
大輔の気遣うような眼差しに、兎草は申し訳なさそうに頭を下げた。
囁くように、ごめんなさいと謝罪の言葉を口にする。
すると、もういいと優しい声がした。
「素子から話は訊いた」
祖父・大輔の深い声が闇に融けた。
「結界が軋む音がしたので何事かと思っておったが。なるほど、これほどの者ではな」
結界の創り手である大輔には、異常がいち早く察知できたことだろう。
「破られぬだけ、ましであった」
「でも、祖父さま、馬濤は」
自分の結界を揺るがした者を鋭く切り裂くような視線で視る大輔に、兎草は慌てて口を挟んだ。
「馬濤は・・・」
何か言いたかったが、うまく言葉にならない。
この霊体は、大輔と同じような考えを持っているのだ。
無下に祓ったりして欲しくなかった。
恐ろしいだけの者でないのだと、優しく笑うのだということを伝えたいのだが、気だけが急いて言葉に出来ない。
もどかしい自分に、地団駄を踏みたい気持ちでいると。

ぽう、と。

花開くように、宙に蒼い真円の光と紅い楕円の光が現れた。
時を稼いでくれる様に。
現れた二つの光は、大輔の肩の辺りを浮遊している。
その光から、楽しそうな子供の声が聞こえてきた。
≪鬼喰い≫
蒼い光が、瞬きながら、驚きの声をあげる。
≪この人、鬼喰いだ≫
それに、大輔は眉間を寄せた。
素子の注いでくれた番茶を一口啜ると、確認するように問う。
「断駒、淵駒。間違いないか?」
大輔の眷属の中でも、最も特殊な存在、純粋な力の塊である断駒と淵駒がきゃぁきゃぁと舞う。
≪間違いないですよ、家長≫
紅い光、淵駒がふよふよと風にそよぐ様に移動しながら言うとすかさず蒼い光の断駒が言葉を次ぐ。
≪間違いないよねぇ、淵≫
≪間違いないよ、ねぇ、断≫
その声は、無邪気に楽しそうであった。
それに、断駒が続ける。
≪前世で悪業の限りを尽くして”鬼”と成り、輪廻の環から堕ちた者≫
≪肉を亡くし、魂のみで此の世にある者≫
二つの声が重なり、響き合う。
≪そして、数多いる鬼の輩を≫
≪屈伏させる者≫
≪屠る者≫
≪鬼喰い≫

「──────鬼喰い?」

兎草は、男を見上げると掠れる声で呟いた。
馬濤の凄まじい力に付けられた、その異名。
垣間見た、力を思い出し、兎草の心がすぅと冷える。
そんな兎草の声に、馬濤は素っ気なく答えた。
「そんな風に呼ばれることも在ったが、別に好きで喰ってた訳じゃねぇぞ?」
困ったように言うその口許は、兎草の声の中に含まれた、少しの畏れを感じ取ったようだった。
それは、兎草に畏れを抱かれるのが、心外だし困るとでもいう様な表情である。
しかし、兎草には、その表情が見えなかった。
≪そうなのー?≫
≪じゃあ、どうして、喰べたの??≫
無邪気な声は、兎草の変化など知らぬ気に、馬濤に問う。
周囲を浮遊しだした紅と蒼の光に、頭を掻きながら、
「俺は、生きてる間に人を殺した。それこそ、数え切れんくらいな」
けろりと、馬濤は凄まじいことを口にした。
≪へぇ〜≫
≪それは凄いねぇー≫
「時代だったといえば、それまでかもしれんが・・・だから、殺すということに、飽いた。死んでまで、する気はなかった」
馬濤は、昔を思い出すように目を覆う布を指先で撫でた。
現在から、どれほど遠くの過去なのか。
兎草には、見当もつかなかった。
「だが、振りかかる火の粉は払わねえと俺が喰われる。そいつは御免だ。だから、喰った。それだけのこと。そんなことを繰り返してるうちに、いつの間にか鬼喰いだのなんだのと名がついた」
「お前さんは、何故、この木に宿っていた?」
静かに話を聴いていた大輔は、そこで初めて問い掛けた。
鬼喰いと呼ばれた男を恐れ気もなく、真っ直ぐに見据えて。
「飽いた」
馬濤は答えた。
「何に?」
更に、問う。
「奴らの相手をすることにさ。言ったろ?死んでまで、殺し合いなぞしたかねえと。俺は戦うのは好きだったが、人を殺すのは嫌ぇだった。死んでからも、その気持ちに変わりはねえ。しかし、輪廻に入れねえ俺は、ぼーっとしてると無に堕ちる。こうなっても、生きるには”気”が必要でな」
馬濤は、無造作に顔に掛かる白髪を掻きあげた。
「消滅するのも、まあアリだが。ぼーっとして消えるのは、つまらん。」
「ほう」
「そんな時、見事に咲き散る、櫻の大樹に逢った。俺はこいつに気を分けて貰いながら、寝ることに決めたのさ」
馬濤はそう言って、苦笑のような、自嘲のような笑みを浮かべた。

「消えてもいいと、思えるような”何か”に逢うまでな」

大輔はそんな馬濤をただ静かに見ている。
祓う、という気はないようであった。
二人の問答を大人しく聴いていた兎草は、それに気付いて、ほっと安堵の息を漏らした。
冷えていた心は、馬濤の言葉を聴いているうちに、溶けていた。
不思議な気分で、兎草は隣に立つ男を見上げる。

馬濤を畏れる気持ち。
そして、慕わしいと思う気持ち。

両極のような気持ちが、兎草の中に生まれて、せめぎあっている。
その、どちらもが、あるべき感情だと。
心の奥から、囁く声がする。

兎草の心にある二つの感情。

それは、徐々に、けれども確実に。
一つに混じっていくような気が、兎草にはしていた。



2005年05月08日(日)   猫とリボン

えーと。
久しぶりに、ここにアップするのが、これって。

どーなの????

と思いつつ、アップします。
なんか、無性にあふぉなものを曝け出してる気がしないでもないですが(汗)
まぁ、書いちゃったし。
なら、アップしないと、な?みたいな気持ちで・・・orz

あの、読んで、引いても。
そっとしといて下さい・・・あふぉなのは、自分、よく分かってますんで。
こう、そっとスルーの方向でお願いします・・・・・・・・orz




























その日、バトーは道端で猫を拾った。
茶色い長毛種の猫だった。
すでに飼い犬がいるのに、バトーはその猫を拾った。
理由は、といえば。
なんとなくだ。
なんとなく、気にかかった。
だからだ。
道端でへたっているのを見捨てていくのが、少々、心苦しかったせいもあるかもしれない。
バトーは片手で猫を拾い上げるとジャンパーの中に突っ込み、抱きかかえて家路を急いだ。




部屋に入る頃には、温かさに生き返ったのか、ジャンパーの中の猫はもぞもぞと動き出していた。
出してやるか、と思ったが、足元に纏わりついて来た愛犬に暫し考える。
いきなりの対面は、どうか?
愛犬には悪いと思ったが、少しの間だからとなんとか宥めすかし寝室に閉じ込めた。
それから、リビングに足を向けながら懐に抱いていた猫を取り出す。
すると、なぁおと猫が鳴いた。
「よう、生き返ったみてえだな」
すると、バトーの言葉がわかったのか、もう一度。
なぁお、と鳴いて、バトーの指をさりさりとする舌で舐めた。
まるで、御礼をされたようであった。
利口に見える茶色のアーモンド型の目がじっと自分を見ているからそう思えたのだろうか?
そう思う自分にちょいと苦笑してから、バトーは猫を少々、足の踏み場の無い床に下ろした。




数少ない食器の中でなるべく平たい皿を出し、ミルクを注いでやる。
猫は、なう、と鳴くとしゃがんで器を出したバトーを見上げた。
「ん?」
器を前に、じっとしている。
「何だ、お前?俺が良いと言うのを待ってやがるのか?」
バトーがそう言うと。
なおぅ、と答えが返ってきた。
犬みたいな猫だな。
バトーは口の端を引き上げると、飲んで良いぞと更にミルクの入った器を猫の方に押してやった。
猫は嬉しそうに、ミルクを舐め始めた。
ぐるぐると咽喉が鳴っている。
尻尾が、ぱたぱたと喜びに揺れているのを見て取って、バトーは手の平にすっぽり収まる猫の頭を撫でた。
必死にミルクを飲む猫の姿を眺めてるうちに、茶色い毛が薄汚れているのに気付く。
尻尾には、ぐるぐると巻かれた真っ赤なリボン。
そのリボンも、うっすらと汚れていた。
それを見たバトーは、ミルクを飲み終え、満足そうに鳴く猫をもう一度掬い上げ、風呂場に向かった。
「お前、どのぐらい彷徨ってたんだ?随分、汚れてるじゃねえか。洗ってやるから、大人しくしてろよ」
すると、今まで、聞きわけがよかった猫が、にゃぁお!と鳴き、手の中でもがき始めた。
猫ってのは、水浴びとか、嫌いだったか?
バトーは、そんなことを考えながら風呂場の浴槽に、猫を入れると愛犬のシャンプーを手にした。
「猫に使っても、まぁ、平気だよな?」
そんなバトーの言葉を理解しているのかどうか、猫はまだ、なぁおう、にゃおぅと騒いでいる。
「───ああ、濡らす前に、リボンは取らねぇとな」
バトーが、そう言ってリボンに手を伸ばすと、猫がいっそう鳴いて。
手から逃れようとした。
「あーあー。わかったわかった。直ぐ終わらしてやるから、大人しくしろ」
しかし、バトーは猫の抵抗など気にした風もなく、その手の中に小さな身体を収めるともう一方の手でリボンを解きにかかった。
真っ赤なリボンは、ぐるぐる巻かれていたわりには、あっさりと結び目が解け。
───────たのだが。
次の瞬間、そこにいたのは、あの小さな茶色の猫ではなく。
人間の男だった。
「───────」
バトーは、この展開に心底驚いたが、
「だから、触るなっていったじゃねえか!!!」
と言う、男の怒鳴り声には、
「いや、猫語で言われても解んねえし」
冷静に突っ込んだ。
それから、目の前の男を眺める。
浴槽に収まっている男は、茶の髪に、茶の瞳。
そして、人間には有り得ない、耳と。
それから、ゆらりと揺れる尻尾が付いていた。
先程までの猫の名残が残っている。
猫であったはずの肢体は、茶の毛ではなく、しなやかな筋肉に覆われていた。
ああ、あれだ。
人間でいうところの、脱いだら凄いという、あれだ。
思わず、バトーはまじまじとその身体を眺めた。
すると、猫だった男は眦を吊り上げて、バトーを怒鳴る。
「見んな!!!つうか、服よこせ!!!」
バトーは、それにニヤリと口の端を引き上げると男の頭を撫でた。
「まぁ、とりあえず、風呂入れば?服はその後、渡してやるよ」
「・・・・・・・・・」
男が黙ったのを暗黙の了解と取ったバトーは、笑いを噛み殺しながら風呂場を後にした。




「で。お前、人間なわけ?猫なわけ?」
風呂から出てきた男に、バトーが問うと。
「・・・人間」
ぶかぶかのスエットの上下に納得のいかない顔のまま、男は答えた。
「その耳だの尻尾だのは、なんで付いてる?」
「・・・お仕置き。いつまでも仲間になると言わないから」
「はあ?」
その言葉に、バトーは思わず、素っ頓狂な声を上げてしまった。
男は、それに少し、悲しそうな顔をすると呟くように言った。
「信じてもらえないかも、しんないけど、さ」
「いや、別にお前さんを信じてないわけじゃぁ、ない」
男の表情に、バトーは慌てて言葉を付け足した。
「何だか、聞いた事のあるフレーズだなあと思ってよ」
「?」
怪訝そうな目で、男はバトーを見返してくる。
「もしかして、お前、魔女に目つけられた?赤眼の」
その言葉に、男はバトーに詰め寄った。
「あんた、知ってるのか?あの女のこと?!」
これで、確定だ。
バトーは、自分の知り合いが係わっている事を知った。
”赤眼の魔女”
裏の世界では、ちょっと知られた、何でも屋だ。
「ああ、嫌んなるほど知ってる」
「・・・・・・」
「つーと。素子の言ってた、面白いモノ見つけたってのは、どうやらお前のことらしいなあ」
「あんた、もしかして、あの女の仲間?!」
女と知り合いであると知った途端に、男の目がぎらっと光った。
敵視されるのは、本意ではない。
バトーは、なんとなく、この男が気に入っていたのだ。
だから、素直に、実情を述べる。
「お前同様、捕獲された、な」
この男同様、バトーも以前、酷い目に遭わされた事があった。
赤眼の魔女・素子にだ。
「・・・・・・・・・・あんたも捕まったのか?」
男の目の光が、あっという間に消えていく。
それから、同じ目に合った仲間に巡り会ったという、安堵がその表情に浮んでくる。
バトーは、男が警戒心を解いたのを嬉しく思った。
「あーまーそんなとこ。あいつに遭ったのが運のツキさ」
「まじかよ・・・・」
「お前も、諦めて仲間になれば?このお仕置きも、仲間になりゃ解けるぞ?」
それから、この男が仲間になれば、いいと思った。
「・・・・・・・現実に戻りたい」
「無理だな。あいつの前じゃ、現実もひれ伏すのみさ。死人を生き返らせる以外のことは、大概何でもやりやがる」
バトーは、男の茶の髪を撫で、にやりと笑う。
「逃げるより、仲間になったほうが、はるかにラクだぜ?」
「・・・・・・・・・・」
「お前、名前は?」
「・・・・・トグサ」
救いを求めるように見上げてくる茶の目をバトーは愉しげに見返した。





終わる。


えー、続きません、よ?
これはこれで、終わり、みたいな・・・・・。

すいません、書き逃げします・・・・・・orz

ただ、ただ、ちょっと。
トグサ君に、耳と尻尾をつけてみたかっただけで。
ナニをしようというのではなく・・・。

猫耳、猫尻尾。

でも、自分、トグサ君は犬派です。 ←何言ってるか!!


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武藤なむ