株式会社JOYWOW
椰子の実日記【JOYWOW】
椰子の実日記 INDEXPASTwill

2003年02月28日(金)


まだホメたりない

車雑誌『ENGINE』の4月号コピー

ガイシャは、まだホメたりない。

これって、いいと思います。
好きで好きで、どうしようもない
対象がある。もっとホメたい。現状
のホメられ度はまだまだたりん!

みんなでもっとホメようではないか。
こういう「会」があっても、いいと
思います。あ。そうなるとファンクラブか。

いずれにせよ、呑みながらの話題として、
「**は、まだホメたりない」
って、前向きで、いいと思います。
「**」が人になると、しかも、それが
その席にいる同僚になると、ホメ殺し
になってしまって、これはこれでまた
面白いかも。

 

2003年02月27日(木)
Born to be a salesman

昨日にひきつづき、都内書店営業同行。
版元の営業マンと同行するのはこれで何度目
だろうか。何度やっても面白いし、楽しい。
各書店の「関係者入口」から入るのも楽しい
体験だし、バックヤードを見ることができる
のも勉強になる。

また、書店もひとくくりに「書店」とは呼べない
こともわかる。やはり店ごとに組織律が違うので、
出てくる人の持っている「気」が、全然違うのだ。

にしても、つくづく自分は生まれついての営業マン
なのだなあ、と思う。フォード全盛時代、やり手の
営業マンのことを「あいつの血管にはガソリンが
流れている」という呼び方があったそうだが、
それに倣うと、さしずめ私の場合、血管に文章が
流れている、というべきか。映像にしてイメージ
するとなんだか気持ち悪いなあ(笑)。

 

2003年02月26日(水)
情婦 (1957/米)

情婦 (1957/米)
Witness for the Prosecution
製作 アーサー・ホーンブローJr. / エドワード・スモール
監督 ビリー・ワイルダー
脚本 ビリー・ワイルダー / ハリー・カーニッツ
原作 アガサ・クリスティ
撮影 ラッセル・ハーラン
音楽 マティ・マルネック
出演 タイロン・パワー / マレーネ・ディートリヒ /
チャールズ・ロートン / エルザ・ランチェスター /
トリン・タッチャー / ジョン・ウィリアムズ

舞台は1952年、ロンドン。第二次世界大戦が終って
まだ7年しか経っていない。だからこそのドラマとも
いえます。

ビリー・ワイルダーは、「話のわかった大人の男」
という感じで、一度会ってみたかったですね。茶目っ気が
かっこいい。ロートンの魅力ある弁護士も素晴らしいし
ディートリヒのあまりにも魅力のなさも、理由がある。

ジグゾーパズルを解くような、完璧な映画。

原作良し、脚本良し、撮影良し、監督良し、俳優
良し、大道具良し、みんなみんなみんな、完璧。

ちなみに原題の説明的な雰囲気より、邦題の
ほうが、実はぴったりきます。

これ以上書けない。何を書いてもネタバレに
なってしまうから。

超・お勧めの逸品。イギリス英語の勉強にも最適です。

 

2003年02月25日(火)
恥ずかしながら

恥ずかしながら、今日一つ重大な歴史を学びました。

アメリカ独立とフランス革命、どっちが先でしょう。

実は、私は、両方の年号は言えるのですが、しかし、
両方の史実を有機的に結びつけて考えたことがなか
ったのです。大学受験で、あれほど世界史を勉強し
ていながら。

正解は、アメリカ13州のイギリスからの独立のほうが、
フランスより先なんです。

そういえば。アメリカ独立1776年。フランス革命1789年。
年号をあらためて書き出してみると、あきらかにフランス
革命が後なんですよ。

知らなかった!!

そう思って調べてみると、アメリカ独立戦争に義勇兵として
参加し、独立宣言の起草をしたラ=ファイエット。
彼はフランス人です。きっと、アメリカでの彼の体験や
アメリカの独立が、フランス革命に思想的バックボーンを
与えたのでしょう。

史実を「点」としてしか把握していなかった自分に
「なんともったいないことをしていたのだ」と
思います。さらに、当時の日本は何をしていたか。

時間がいくらあっても足りないくらい、興味が
尽きません。

 

2003年02月24日(月)
雨の月曜日

今日は日記風に。

早朝から家を出、午前中は自由が丘スタバにて
版元編集者、エディター、イラストレーターと
打ち合わせ。今日の打ち合わせを受け、週末には
再校が上がり、来週初めにはイラスト上がり、
それで打ち合わせが全部終る。

ぱきぱきぱっきん、と音がするような素早い運び
で、本が来月末には出来上がりだ。

その後、九品仏(Kuhonbutu)に行く。バンドメンバー
自宅にてミーティング。
「九品物」駅からの道には、「良質の気」が流れていて、
とても気持ちよかった。雨なのに、気持ち良い道という
のは、あまりない。

メンバー宅ではご自慢の中国茶をご馳走になる。彼は
上海に一緒に行った仲間であり、上海でのお茶セレモニー
を真似ながら、楽しい時間を過ごす。お茶は本当に身体に
いい気がする。もちろん、例の「もー君」も、話題に
のぼり、懐かしむ。

バンド打ち合わせで印象的だった言葉。そう、ウェブサイト
をもつかどうか、というトピックだった。

「やりたくないことに時間、使いたくないよね」

そう。別にご時世だからといって、ウェブサイトを
もたなければならない、というmustは、ないのだ。
そこで、ぼくたちは、やめにした。

このバンドの、「やりたいことしか、やらない」という
ポリシー、大好きだ。

そして、その後、スタジオに行き、アドリブでオリジナル
曲を壊しに壊し、みんなで楽しんだ。

雨の月曜日の過ごし方としては、とっても良い一日だ。

 

2003年02月23日(日)
もうそろそろ装丁で買ってもいいだろう

と思うのですね。
かつて本はなるべく安く手に入れたかったので、
文庫になるのを待っていました。大学生の頃、
勉強に必要な、学者の本まで文庫になっていない
のかな、と探したほどです。そこではじめて、本という
ものはすべて文庫になるわけではない、ということを知り
ました。

年を経て、文庫でなくても(文庫も昨今は1000円以上する
ものもあります)買えるようになりましたが、
今度は、装丁で本を選びたいと思い始めています。

手元の本で、「いい装丁だなあ」と嬉しくなるものを
以下、並べます。

*McCartney, Blackbird Singing
*Lynne Franks, The Seed Book
*Interbrand, The Future of Brands
*Knapp, The Brand Mindset
*Jim Collins, Good to Great
*Maugham, The Moon and Sixpence
*末延芳晴、荷風とニューヨーク
*フジ子・ヘミングの「魂のことば」
*漱石、夢十夜、パロル舎
*Yoko Ono, grapefruit

堀口大學さんの『月下の一群』初版本はとても
美しいものだったようですが、私はビデオでしか
その姿を見たことがありません。

美しい装丁の詩集。いいですよね。

 

2003年02月22日(土)
無之以為用

『老子』に凝っています。

功成名遂
上善如水

どこかで見たことのある文字の並びでしょう。
原典は、『老子』なんですよ。

でも、現代日本人では、漢字だけの文章はなかなか
読めない。そこで、とびっきり素敵な感性で
現代詩に翻訳してくれた人がいます。加島祥造さん。
翻訳というより、創造詩ですな。
筑摩書房から出ている『タオ』。タオとはTAO、道
のこと。

たとえば第十一章[無用]の一部をご紹介します。

(引用開始)
------------------------------------------
・・・・略・・・・

粘土をこねくって
ひとつの器をつくるんだが、
器は、 かならず
中がくられて空(うつろ)になっている。
この空の部分があってはじめて
器は役に立つ。
中がつまっていたら
何の役にも立ちやしない。

・・・・略・・・・

これで分かるように
私たちは物が役立つと思うけれど
じつは物の内側の、
何もない虚(きょ)のスペースこそ、
本当に役に立っているのだ。
-------------------------------------------
(引用終了)

無之以為用。

ね。いいでしょ?


 

2003年02月21日(金)
生きたナレッジ・マネジメント

米英のイラクへの攻撃、即ち戦争を回避するために
自分たちに何ができるだろうか

というテーマをもって期間限定で立ち上げた
非公開メーリングリスト『ピース・パーム』、
順調に熱く議論が進んでいます。

約30名の参加者の意見を読みながら、あらためて
「複数の眼で見ることで認知能力が高まる」
という、議論の効果を感じています。

法律、PR、ネットビジネス・・・皆、それぞれ
自分の専門能力を活かし、いま目の前にある
現実へさまざまな視点から光をあててくれます。

同じ一つの新聞記事でも、これほど切り取りかた
によって意味が違ってくるのだろうか、とか、
報道の背後に横たわる思惑、とか
一人ではとうてい到達し得ない「知」の交流が
生まれています。

生きたナレッジ・マネジメント・プロジェクト
を刻々と目にしているわけで、そういう意味でも、
非常に勉強になっています。

 

2003年02月20日(木)
大いなる仕事量から創造は生まれる

猿之助『スーパー歌舞伎--ものづくりノート』
(集英社新書)を読んでいると、
その仕事量の多さに圧倒されます。

大いなる創造性は大いなる仕事量から生み出される。

この本だけ読むと、猿之助は仕事しかしていないのでは
ないかというくらい、仕事しています。

稀有な創造者は、稀有な仕事量によって生まれる。
手加減しない。仕事で力の出し惜しみをするなんて
ものは、駄目だ、とは幸田露伴の言葉ですが、
共通していますね。
---------------------------------------------
 真の創造に必要なのは、十分に「型」を知った
 上で、新しいものを求めていく「型破り」の精神
 である。過去を顧みずに新しいものだけを求める
 なら、それは単なる「型無し」になってしまうだろう。
---------------------------------------------
                     p.238

勇気をもらいました。

 

2003年02月19日(水)
また、きっといいこともあるよ

「ねえ・・・また、きっといいこともあるよ。・・・」

この言葉は、焦げたてぬぐいで頬かむりし、路傍に
座っていた中年の女性二人が話している言葉。

たまたま横を通りがかった山田風太郎少年が、耳にした。
場所は水道橋あたり。一面の灰燼。いたるところまた
火がチロチロと燃え、煙も出ていた。

1945年3月10日、東京大空襲のあった午後のこと。

中年女性には当然、家族もあったでしょう。

空襲のあと、「何かきっといいこと」と話し合っている
わけですから、事情は察することができます。

「ねえ・・・また、きっといいこともあるよ。・・・」

同じ言葉が、たったいま、イラクでも、話されているか
もしれません。

 

2003年02月18日(火)
クミトリの経済学

昔、トイレはすべてクミトリ式でした。

クミトリに来てくれる「サービス」に対しては
お代を支払っていたようです。公共のサービス
ではなく、個人対個人の話だったみたいです。
さらに時代をさかのぼると、クミトリした
ものを使うお百姓が、対価として、米や野菜
などを置いていったとさ。

天保の御世の頃、滝沢馬琴が、あるお百姓と
契約していました。馬琴の家族は7人なので、7人
の「生産物」に相当する対価、即ち、干し大根
300本と、茄子を家族一人あたり50個、一年間に
納める契約でした。ところが、7人のうちこども
が4歳と2歳で、大人と同等の「生産物」の「量」
を期待できないと、お百姓が値切り、5人分
しか茄子を持ってこなかった。馬琴は頭から湯気を
立てて怒り、その茄子をつきかえしたそうな。

なんともまあ、とぼけた味わいのある話です。

私の大好きな作家、山田風太郎さんは、この
エピソードからさらに連想し、ゆくゆくは
生産者がお金を支払う図式が定着する、ひいては
作家が自分の作品原稿をお金を出して版元に
買ってもらうようになるだろう、という不思議かつ
痛快な想像をふくらませてゆくのですが、詳しくは
氏の作品『死言状』(角川文庫)のお楽しみと
しましょう。

 

2003年02月17日(月)
マイブーム「クラシック」

マイブームはいくつかあって、現在のものはクラシック音楽
と激安ツアーです。激安ツアーについてはSurfin'で書きます。

昨夜たまたまテレビを流していたら、チャイコフスキー
をやっていて、画面に心奪われました。

バイオリンをリードにした協奏曲なのですが、リードと
オーケストラとのやりとり、指揮者とのジャムセッション
など、まるでジャズのimprovisation(アドリブ)。
指揮者を含め、オーケストラメンバー相互が「気持ちの
キャッチボール」をやっているのです。
目には見えないけれど、気持ちがぽんぽん飛び交っている。
ここが面白い。

そしてバイオリン奏者の人生まで滲み出てくる。

そう、クラシックには人生を感じるのです。

まだまだクラシックについてはひよっこ鑑賞家ですが、
奥深いおもちゃを発見したよろこびで、なんだか毎日が
楽しいです。

 

2003年02月16日(日)
老後はちょいとミュージカルに

NHK番組にんげんドキュメント。4人に1人が65歳以上
という北海道・穂別町で、お年寄りたちが自主制作
ミュージカル映画をつくった話を観ました。
http://www.nhk.or.jp/ningen/top.html

「これや!」と思いましたね。

私は高校時代2本、大学時代1本の自主制作映画を
つくったことがありますが、老後はこれで遊べる!
と。近所の人や仲間を集めて、映画をつくる。

プロジェクトの達成感、一体感は何ものにも
かえがたいし、身体を動かすから、健康にもいい。

「ふるさと創生基金」でばらまかれたお金も、こういう
ことに使えばいいんですよね。この映画の制作費は
全部で240万程度だったと思います。1億に比較すれば、
びっくりするほど安上がり。みんなが関わっている
から、思い入れもひとしおだ。

みんなが参加する新しいタイプのお祭り。
なんだか、わくわくしてきました。

 

2003年02月15日(土)
旅の意味

誤解のなきように。昨日エアチャイナで煙もくもく
だったことを書きましたが、これは、文句を言って
いるのではなく、「珍しい体験として楽しんだ」
のでした。

とにかく、新しいことを見たり体験したりする
ことは、それまでの生活の「慣性の法則」を
崩してくれる意味があり、自分自身がリフレッシュ
します。旅の意味は、まさにそこにあるのでしょう。

 

2003年02月14日(金)
煙もくもく飛行機

エア・チャイナ、中国国際航空に初めて乗ったのですが、
カルチャー・ショックでした。

離陸してしばらくしてからなんだか煙草の煙臭いのです。
「そんなわけないよなあ、気のせいだよなあ」
と思っていたのですが、なんと、この機内全部喫煙可でした。
可能というより、そもそも分煙の思想がない。

観察してみると、あっちでプワー、こっちでプワー、と
のろしが上がっています。

乗るといえば、米国か日本のエアばかりだったので、
これは慣れるのに時間がかかりました。
というか、いまだに慣れていません。

 

2003年02月13日(木)
上海を速読する

というかんじでした。とにかく実質13日一日しかない。
そこで早朝から3倍速といった感じで飛び回りました。
結果、「初めて聞くアーティストにベストアルバムから
入る」といった趣で、非常にわかりました。

それにしてもすごい運動量で、多分ここ数年、こんなに
密度の濃い時間を過ごしたことはないでしょう。

詳細は、おいおい、Surfin'や著作で発表します。

 

2003年02月12日(水)
電子版『五感商品』先行販売

今朝の日経で報道されていますが、紙より電子を先行
させて上梓するプロジェクト第一弾として、拙著新刊
『五感商品の創りかた』が世に出ます。
http://satellite.nikkei.co.jp/news/sangyo/20030212AT1D1005D11022003.html

電子出版は弊社でもこれまで2回、やっています。
一つはSurfin'のバックナンバーであり、もう一つは
e塾テキストでした。現在、第三弾のe塾四期用テキスト
を執筆中です。ただ、これらには、「紙」はありません。

『スロビ』も、電子出版をやっていましたが、あくまで
紙が先行であり、紙が主役だったのですが、今回は
「どっちが主役」ということはあまり関係なく、
「読者へのデリバリーが一つ増えた」という受け止め
をしています。

コンテンツの、顧客への届き方に、これでいかなる意味
が附加されるのか。ボールの転がり方を楽しみに、見ていたい
と思います。

 

2003年02月11日(火)
地図から入る

明日から上海に行くので予習しておこうと、最初に
見るのが地図でした。これでわかったのですが、
私は、「まず全体を理解して、それから細部に
入る」理解方法を取るようです。

これはニューヨークに行くときもそうだし、
どこでもそうでした。今日初めて気づいた。
地図がアタマに入らないと不安で仕方がない。
地図思考とでもいうか。

そしてこのことは、初めて訪れる街に限らず、
学問でも、ゴルフでも、何でも、同じですね。

最初に全体像をつかんで、それから絞っていく。

みなさんは、どうでしょうか。

 

2003年02月10日(月)
電車では立とう!

タイトル通りです。
日本に帰ってきて一番驚いたことは、電車に乗るとき、
先を争うように乗ることです。子供の話ではありません。
人生の現役たるいい大人たちが。
そして、みな、寝ています。
電車で座っている日本人のやることは次の5つの
どれかです。

1.寝る
2.携帯画面に見入る(まるで初めて携帯をもったサルそっくりです)
3.ヘッドフォンで音楽を聴く
4.本を読む
5.(女性)化粧を直す

このうち1と2はほぼ同数程度。4は極めて少ない。
人様の前で化粧直しをするのは、外国ではその道の商売を
している女性だと思われます。

電車では立ちませんか。

だれかに席を譲る、というのではなく、身体のバランスを
保つためです。電車で倒れないように立つ、ということは
それだけで相当の技術を要します。
また、立っていると、本が進みます(ウソではありません)。

いぎたなく、また、無邪気に寝ている顔を見るたび、
日本の未来に暗澹たる思いを持ってしまうのは
私だけでしょうか。

みなさん、電車では、立って、鍛えましょう。

 

2003年02月09日(日)
いまだから面白い歴史年表

山川出版社から出ている『日本史総合目録』『世界史
総合目録』を愛読しています。「山川」といえば、
歴史教科書で有名ですよね。私は大学受験で日本史と
世界史二つを取りましたが、山川の教科書は本当に
よく出来ているので、日本史、世界史それぞれ最低
でも10回は読み込んだ覚えがあります。それだけで
合格できました。

しかし、いまから思えば、受験勉強のための歴史は
断片的な知識でしかなく、史実相互の有機的な意味を
捉えていなかった。人生経験もないのだから、人物の
行動の背景にある思いや悩みにまで考えが至らなかった。

ところが、この年齢になってはじめてわかる、歴史上の
人物たちの生き方の妙というものがあるのです。新島襄
が米国に渡ったのは、実は密航でした(1864年、元治1
年)。その4年前に米国に渡った福沢諭吉とはステイタスが
違うのです。米国の地に降り立ったときの新島襄の思い
はどんなものだったでしょう。世の中、まだちょんまげ
の時代です。その11年後、新島は、同志社を設立します。

また、マルクスが『資本論』第一巻を書いたのが1867年、
まさに江戸幕府が倒れる前年だったというのも、私の中の
時代認識では、「そんなに前だったの?」というイメージ
でした。では、マルクスって、いつの時代のひとなの?
と問われたら、明治とも、大正とも、昭和ともむすびつけて
考えたことがなかったです。ちなみに、同じ年、ノーベルが
ダイナマイトを発明しています。

このように、「いまだからわかる有機的なつながり」の
面白さが、歴史年表にはあるのです。

飽きません。

 

2003年02月08日(土)
身体知の復権

このコラムはもともと日記ですから、今日は日記風に。
昨日(2/7)のことです。

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A氏と面談。氏が構想中のコーチングメソッドについて
相談を受ける。詳細は企業秘密なので省くが、画期的
であり、独創性に舌を巻いた。

氏と共に「ガッコアタマ」ばかりのビジネス界を嘆く。
このような環境で、氏の新メソッドは「身体知」の復権
に大いに役立つと思う。一日も早い(メソッドの)完成を願う。
そのためのお手伝いは惜しまないつもりだ。

A氏との面談後、立ち寄った書店で由美かおるさんの
呼吸法の本に出会った。身体知の復権を唱えている。
まさにこれはセレンディピティであり、由美さんからの
応援歌なのだと確信をもった。

独学の呼吸法だったのが、この本の西野式呼吸法を
加えると、ウソではなく、どっかーーーんと、気持ちが
前向きになれた。

明日、起きるのが楽しみだ。

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・・・ということで、今朝は抜群に良い目覚めでした。
呼吸法、みなさんにもお勧めです。

 

2003年02月07日(金)
毒への期待

またも「放し飼い」にするしかどうしようもない
アーティストの話です。セロニアス・モンク。
Thelonious というスペルも、非常に珍しい。
『Thelonious Monk Trio』が一番好みです。
モンクのピアノのほかはベースとドラムという
少ない音だから、モンクがハダカで迫ってくる
ようで。

「ジャズの名盤」といった解説書ではモンクの
ベストは『Brilliant Corners』が最高傑作
とされていますが、音楽ばかりは好みの問題
なので。私は好きじゃない。一曲目で冒頭から
ソニー・ロリンズのぶっとい音が遠慮なしに
ぶいぶいやってくるところが大味。
でもまあ、ここがいい、という人もいるので、
まさに人それぞれです。好みを押し付けるつもりは
ありません。

さて、『Trio』に戻ると『Blue Monk』が始まり、
モンクがテーマを始めたとき、「ああ。しあわせ」
と思います(笑)。それは、心地よいしあわせ感
ではなく、「人畜有害」なおっさんのピアノが
始まったぞ、という、毒への期待です。
モンクの魅力は、このような、「後に尾をひく」
後味です。

 

2003年02月06日(木)
放し飼い

サラリーマン時代、月曜朝は大変苦痛でした。
ただでさえ辛い休日明けというのに、駄目押しで
いつもより30分早い8時30分始業、しかも部全員
が集まって会議なのです。だから、いないと皆に
知れてしまう。

現在、私のワークスタイルは月曜朝8時30分に会議室に
スーツ着て、ネクタイして、すっきりした顔で、
ということを強制されることなしに済んでいますが、
しかし、それは目に見えるものが違うだけで、
「ねばならぬ」義務に縛られていることには違い
ありません。

「世は締め切り」と喝破したのは故・山本夏彦さん
ですが、いかなる種類のプロジェクトであれ、すべ
てに締め切り(納期)はあります。すると「ねばな
らない」ことを胸のどこかにひっかけて生活して
いかざるを得ない。仕方がない。それが社会システム
と折り合って生きるということなのだから。

チャーリー・パーカーとディジー・ガレスピーの
セッション『bird and diz』CDジャケット(Verve版)
の内側にある写真に惹かれるのは、そのような社会
システムとは全く無縁な「バード」(パーカーの愛称)
の表情があるからです。「**時までに」とか「**
ドルの予算内で」など、バードには全く関係ありません。
というか、「言っても無駄」です。
CDの音。dizがしっかりサポートしているからいいような
ものの、ほうっておくとどこにいくかわからない
「放し飼い」の雰囲気があります。そこがたまらなく
魅力だ。

私が時にバンドマンをやっているのは、このような、
「社会システムからのリリース」を求めている部分が
大いにあります。

 

2003年02月05日(水)
だし汁

それがどんなジャンルであれ、「表現者」の表現には
その人のあるいてきた道が「だし汁」となってしみて
います。この年齢になって、ようやく本当に理解でき
るようになりました。

いまフジ子・へミングの『La Campanella』の音と
一緒に部屋にいるのですが、彼女の人生を知るにつれ、
音が立体的に、五感を伴って身体に入ってきます。
「瞬間芸」のような天才のひらめきより、よく煮込んだ
シチューのような味わいをもった表現が、明日のための
力をくれる。そんな気がします。

 

2003年02月04日(火)
ここだけの話

ついでに立ち寄った1F売り場靴関連グッズ。
私は靴磨きが趣味なんです。そこで、何かいい
ものはないかと物色していたら、靴墨が気になった。
棚には二種類あり、一つは英国皇室御用達、一つは
T(この店の名前)セレクションというネーミングで国産。
価格は100円ほど違うのですが、性能がよくわからない。
そこで、店の人に聞いてみることにしました。

「そうですね。実は私、両方使っているんですがね。
ここだけの話、メーカーさんはどう言うかわかりません
が、仕上がりの好みによります」
「素材の皮に応じて使いわけていただければ」
「雨の日にはいたあとはこちらの墨が最適です」

といったプロフェッショナルな「ここだけの話」
を期待していたのです。

「お客様ご案内」の女性に聞くと「しばらく
お待ちください」と棒読みで答えられ、一瞬、
あ。接客用のロボットが座っているのか、と思い
ましたが、人間でした。

やがて出てきた「お客様係」は
「メーカーの違いだけで、特に違いはありません」
と、一言、言い放ち、すぐにどこかにいきたい
様子でした。忙しいのでしょう。

Tがなぜ二種類の靴墨を置いているのか。
顧客のニーズにマッチさせるためではないのか。

プロフェッショナルの明かしてくれる「ここだけの話」は、
現代日本、どこに行けば聞けるのでしょうか。
小売が苦戦しているのは、「ここだけの話」
が皆無だからでしょうね。

 

2003年02月03日(月)
笑ってくらす

みなさんに告白しなければなりません。懺悔。
実は昨年の私の目標は、「売上**円を達成
する!」という、拝金そのものだったのです。

お金は必要欠くべからざるものではありますが、
しかし、どこまでいっても手段でしかないの
ですよね。食事は一日三回しかとらないし、
酒にしてもそんなに呑めるわけでもなし。
服は10着重ね着したら変人です(笑)。
何にせよ「過ぎる」ことをしたら、身体に悪い。

昨年のある時期、「ちっともハッピーじゃない」
と苦しい思いをしたことが、実はありました。

原因を虫めがねでじーーーーっと見ていたら、
わかったのです。根本が間違っていたと。

お金。これが目標だとダメなんですよ。
無理が出てくる。したくない仕事をしてストレス
になったり、流さなくていい汗を流す。そんな自分に
またいらだつ。

そこで今年はどういう目標にしようか、
ずっと考えていました。大きな夢は別にあるのですが、
とりあえずの目標は口に入るサイズで手元に置いて
おきたい。
1月が過ぎ、2月に入り、ようやく今朝、目標が明確に
なりました。トイレで「紙がない、紙!」と騒いでい
る自分がおかしくてつい笑ってしまったのですが、
あ、これだ、と。

   笑ってくらす

これを、今年の目標にします。ここに宣言。

 

2003年02月02日(日)
強制オフ

「休みの日は何をなさっているんですか?」
と聞かれることがあります。答えるのが
難しい質問です。というのも、私のような
ワークスタイルと職業を選んだ者にとって、
「すべてが仕事であり、すべてが遊び」と
いえるからです。

でも、オンとオフという意味でいえば、
やはりオフははっきりあるわけで、
オン(仕事)の時のテンションはオフとは
まるで違います。「気」の出具合が違う。

また、意図的にオフを作り出す、という
ことも重要で、ブロードバンドや
「つながりっぱなし」の環境だと、常に
仕事面と肌が接触しているのと同じ。
メールが来たら、返事を出さ「ねばならない」
というmustに駆られてしまいます。

というわけで、今日は「強制オフ」の日に
しました。朝からケーブルTVで映画を
楽しんでいます。『飛べないアヒル』
をまず、観ました。これから録画しておいた
歌舞伎にかかります。では。

 

2003年02月01日(土)
ハッピーを感じるとき

たいした店がないよなあ、と初めての街を歩いていて、
でも、ランチをとらなければならない、というとき
フレッシュネスバーガーを発見、ミラービールを飲み
ながらテリヤキバーガーとグリーンスープを食べる。
好みの本を読みながら。ハッピーでした。

また別のある夜。

10人もの大勢で打ち上げをすることになり、なかなか
いっぺんに座る席を用意できる店がなくて、その店も
あいにく、わかれなければならなかった。でも、初めて
会うひとたちばかりなのでやはり一緒がいい。
店長は一所懸命にチェーンのほかの店が空いていないか
どうか電話で確認してくれた。表参道店ならOKなんだけ
ど、売りの串焼きの材料がなくなってしまっていた。
店長は正直にその旨を説明し、「どうでしょうか」。

店長の熱心さ、正直さに心打たれたけれど、ラストオーダー
まで45分しかなかったので、やはり、違う店を探すことに
しました。店長は残念そうに、自分の名刺に「カンパイ
ビンビール 1」と走り書きして、「また次の機会に
是非!」と送り出してくれた。ハッピーだった。

こういう「ちょっとしたことたち」で、ハッピーを
感じます。

 

Kei Sakamoto |株式会社JOYWOW