| 2013年12月16日(月) |
(SS)スペルによる戦闘を開始する |
進藤は時々ぼくの思いも寄らないバカなことを考えたり言ったりすることがある。
「あー、もうおまえって本当に美人で可愛いよな」
この日、いつもの如くろくでも無いことを口にし始めた進藤はふと思いついたようにぼくに言った。
「こんなに美人で可愛いんだからいっそ名前に組み込んじゃってもいいんじゃねえ?」
「は? 何をだ?」
「えー、だからガイジンみたいにミドルネームに入れればいいんじゃないか なーと思って」
それでも意味がわからずにきょとんとしているぼくに進藤は満面の笑みで言った。
「なあ『塔矢・ビューティー・アキラ』と『塔矢・プリティ・アキラ』と、どっちがいい?」
一瞬めまいを起こしそうになったぼくは辛うじて踏みとどまると、怒鳴りつけたいのを堪えて彼に言った。
「キミがぼくの質問に答えたなら選んでもいい」
「質問? 何?」
「キミは『進藤・ハンサム・ヒカル』と『進藤・ダンディ・ヒカル』のどちらの名前でぼくに呼ばれたい?」
その後彼はぴったりと口を閉ざし、二度とぼくにバカなことを尋ねて来ることは無かったのだった。
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