初めて手を繋いで歩いた時、進藤の手は熱くて汗をかいていた。でもそれは少しも嫌では無くて、緊張しているんだと胸の奥が熱くなった。絡めた指と重なる手のひらから伝わる熱がぼくの頬を赤く染める。(苦しい)少しだけ早足に歩く彼。ただ二人で歩いているだけなのにこんなに鼓動が早くなっては耐えられない。嬉しくて、幸せで、息苦しくて甘い。ぼくはもうすぐ幸福で死ぬだろうと、まだ寒い夜の中を涙ぐみながらそう思った。