目が覚めたら、塔矢がくすくすと笑っていた。
打っていて眠くなって我慢出来ない程になったので、悪いと思いつつも、おれはそのまま昼寝させて貰っていたのだけれど、その間暇になった塔矢は一人でPCで何かしていたらしい。
あまりにも楽しそうなのと、放っておいた懺悔も含めて起きあがって尋ねる。
「何してんの?」
振り返った顔の向こうに見える画面にはWikiのようなページが見えて、ははあ、さては何か面白い記事でも見つけたかと思った。
「なんか面白いものでもあった?」 「うん、今、半物質を調べてたんだ」
一瞬理解出来なくて聞き返す。
「ハンブッシツ?」 「うん、半物質」
にっこりと笑われて絶句する。
ハンゲームとかじゃなくて?と、のど元まで声が上がって来たけれど、塔矢があまりにもいい笑顔でおれをじっと見詰めているので、黙ってそのまま飲み込んだ。
「ごっ、ごめんなサイ」
今までにも思わないわけでは無かったけれど、本当に、理数系彼氏は解らない。
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色んな意味で「負けました」のヒカル。いや、だって「半物質」なんてものをそんなに楽しそうに見ていられたらもう何も言えませんよ。これだから理数系は!
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