「越智、おまえ今日誕生日なんだってなぁ！　おめでとう！」

そう言って和谷が越智に渡したのは、ちょうど手に持っていた飲みかけのコーラの缶だった。

「何？　そうなのか、そりゃめでたい」

和谷の声を聞きつけた皆は「おめでとう」「おめでとー」と大層無責任に祝いの言葉を投げかけて越智にプレゼント（らしきもの）を手渡した。

読み終わったジ○ンプに使いかけのボールペン、駅前で配られていたティッシュに半分食べた二色パン。

どうでもいいような物ばかりを両手一杯貰った越智は、後日その日の感想を不機嫌な顔で本田に漏らした。


「…別にどんなゴミを貰っても腹は立たなかったんだけどね、進藤と塔矢に貰ったものだけは非道く不愉快で腹が立ったね」

「一体何を貰ったんだ？」

恐る恐る聞いた本田に越智は口を歪めてぼそりと言った。

「…避妊具」

それも使おうとして途中で止めたように端が少しだけ切れたヤツをトイレから出て来た二人に渡されたんだよと、吐き捨てるように言われた本田は、何も言わず同情するようにぽんと越智の肩を叩いたのだった。

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越智の誕生日にＳＳを書いたのは初めてのような気がします。私の書く話では和谷くんと越智くんが大抵ヒカアキの二人に酷い目に遭わされています。

大変気の毒です。