| 2003年08月27日(水)
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もう死んでしまいたい・・・・ |
・・・・くらいに嬉しかった。 昨日のあの日記を読んでくださった方々が、それぞれにそれぞれの意見を述べてくださり、 それこそ、
「私って・・・・本当に存在していてもいいのかしら?」
みたいな感覚だった。
ハッキリ言って、昨日のことはよく覚えていない。 呼吸が苦しいところだけは、キッチリ記憶に残っているけれど、 それ以外で、自分がどうしていたのかとか、そういうのが思い出せない。
解離性同一性障害の特定不能型というらしい。 本物(こういう表現が妥当なのかどうかはわからないが)は、4つの条件があって、 その条件全てに合致する人たちのことをいうのだけど、あたくしのは違う。 前にオーアエに難しい英語の医学書を見せられて、
「ほら、この『健忘』という部分にはキミは当てはまらないから、 後付けで注釈として書いてある『特定不能型』というのに分類されるんだよ。」
と、説明を受けたことがあったが、如何せん、本文全て英語だったので、 わかる単語を頭の中で整理すると、要するに自分は「解離性同一性障害」ではない・・・・ ということくらいしか理解できなかったのだけど。 自傷行為を一欠けらの理性で食い止めることができたり、他人様を傷つけたり・・・・ というのがないのも、多分、この「特定不能型」というのが幸いしているのかもしれない。
過喚起のときに起きる、所謂「パニック」には、もう慣れた。 パニックにはならない。 「呼吸をやめない限り、死ぬことはないだろう。」 という考えで、たとえ放置されたとしても、命を落とすような病気ではないのだ。 ただ、怖いのは、その直後に表われる「無呼吸」の時で、 あたくしはいつも、こんなふうにボンヤリと頭の中で考えている。
「このまま呼吸をしないでいたら、きっともう誰にも迷惑をかけずに、 静かに死んでいくことができるのかもしれないなぁ・・・・。」
「呼吸をやめても、案外苦しくないんだなぁ。」
苦しくないのは、体中に余分な酸素が蔓延しているからで、それを全て消費してしまえば また呼吸は再開する。そして思う。
「やっぱり、呼吸をやめることはできないんだ・・・・。」
諦めに似た境地である。 で、コレを何度も何度も・・・・それこそ昨日のように3〜4時間も続くと、 何もかもがどうでもよくなる。 それこそ、半アンプルでもいいから、セルシンを静注してくれないかな・・・・ と、苦しさまぎれにそんなことも考える。
大病院時代は、発作そのものがまだ頻発していたし、 それが続くと、とにかく体力戦になり、加えて眠れていなかったものだから、 すぐにセルシンが登場したものだが、このクリニックに移ってきてからは、 薬も注射も、必要最低限のところまで抑えられている。 しかも、最近何だか元気だったので、オーアエもチャンスを狙っていたのかもしれない。
チャンス・・・・このアバレ野郎と他のを全部「1つ」として統合するチャンスだ。 昨日は本当は、その絶好の機会だったに違いないのだけど、 あたくしがぶっ倒れてしまったので、敢え無く流れた。
アイツが自分の意識で以って立ち上がり、何かを破壊し、暴れてくれれば、 きっとそこからの突破口があるんだろう。 オーアエは、あたくしの性格を知ってか知らずか、方法論は教えてくれない。 あたくしの「探究心」や「情報収集力」を見抜いて、敢えて言わないのかもしれない。 何せ・・・・
あたくしは、それこそ「もうひとつの顔」であるあの人格を上手に操ることができない。 受け入れることもできない。 受け入れることさえできれば、それは「完治」だとオーアエも言ったけれど、 たまに出てきては、あたくしを苦しめたり、悪さをしたり、 他人様に迷惑をかけてばかりのアイツのことが、本当に許せないのだ。 あたくしの身体に対する報復だけならまだいい。 他人様を傷つけようとする、そのやり方が、あたくしは絶対に嫌なのだ。
マキュキュさんが
「どんな人格も、貴女の一部。 愛しんで、愛してあげてね? そして感謝してあげたらどうなのかしら? 『出てきてくれてありがとう・・・。私の弱さや足りなさを救いに来てくれたのね? あなたがとてもスキヨ。あなたにに救われて、私は大分楽になった・・・・』 そんな気持ちで、幾つかの分身と対話が出来たら、何時か一体になって行くのでは・・・・・・」 (一部抜粋)
こんなふうに言ってくれた。 どれだけ救われたことか・・・・。 あたくしは憎むことしかしてこなかった。最初にヤツが現れた時から、 邪魔で邪魔で仕方がなかったんだ。 諦める事もできなかった。仕方がないこととして受け止めることすらできなかった。 許せなくて・・・・愛しむなどという感情など、欠片も持てなかった。 マキュキュさんの言う通り、あいつはあたくしの足りない部分を補填すべく現れたというのに、 あたくしはアイツに感謝も愛情も感じることができなかった。
mGさんはこう言ってくれた。
「日記よんだ。つらかった。天使をひとり向かわせてくださるよう祈って頼んどいた。」
短くて、でも温かくて、そして切なくなった。 あたくしみたいな人間のところに、天使なんて本当に来てくれるんだろうか? 何もかも信じられなくて、たった一つ、信じるものがあるとすれば、それは『自分』なのに、 それすらも存在があやふやになって、疑心暗鬼でいるこんな人間のところに 天使は本当に来てくれるのだろうか?
嗚呼・・・・あたくしは本当に救いのない子です。
こんなにも素敵で温かい言葉を下さる人がいるというのに、 ただ「信じる」ことができなくなってしまうことに、情けなさを感じます。 感謝の気持ちでいっぱいで、それこそ死んでしまいたくなるくらい・・・・。
こういう素晴らしい人たちと出会えたことを感謝しよう。
だけど、不安なことがないわけではない。 いつかあたくしが、統合のチャンスを迎え、アイツがこの身体を占拠したとする。 あたくしは、この愛すべき人たちを「暴力」という形で傷つけてしまわないだろうか・・・・。 精神的な苦痛、言葉による侮辱・・・・そんなものではない。 物理的に暴力に訴えでる気がしてならないのだ。 それが不安で仕方がない。 一般婦女子にできることなど、高々知れておろう・・・・だが、あたくしは不安だ。
本気を出したら最後・・・・きっと、この拳が砕けても、相手が倒れるまで殴ることをやめないだろう。 自分が膝をついても、呼吸をしている限り立ち向かっていくだろう。 たとえ再起不能になろうとも、渦中に飛び込んでいくだろう。 理性の欠片がなくなってしまったら、あたくしは唯一守り通してきた、「ペンを持つための右手」すら 簡単に放棄し、破壊するかもしれない。
今、一番怖いのは、それだ・・・・。
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