2003年08月16日(土)
秘密のデイト


副題にこんなタイトルのついたサザンの歌があったような・・・・。


昨日の予告どおり、ステディのいる者同士、あたくしとリョウジくんは
開けっぴろげに秘密のデートに出かけることと相成りました。

「密会」という言葉が似合わない、うちらって・・・・( ̄∇ ̄;)

まぁ、そんなことはさておき、夕暮れ時、彼は紳士的に我が家の近くまで車で迎えに来てくれて、
西方へと進路をとり、走り始めた。

「また痩せたかぁ?」

と、車に乗り込むなり先制攻撃される。

「そういうそっちこそ、内勤のクセにめちゃくちゃ焼けているのは何故??」

まぁ反撃としてはこんなところ。
道中、色々な会話をしながら走る。
が、岐阜県境を越えるか越えないかの時点で、あたくしはハタと気付き、
真顔で彼に質問した。

「ちょっと待て! ハイ!質問!」

「どぉぞ♪」

「この車は一体どこに向かってるんでしょうか?」

「う〜ん・・・・せっかくだし、琵琶湖あたりまで攻めてみるのってどうよ?」

「にゃにおぅ!? 琵琶湖だとぉっ!!??」

「ほれ、俺らって、とりあえず地元付近の南側や東側は結構攻めたけど、
西側ってまだあんまり行ってないじゃん? んで、琵琶湖。」


「( ̄∇ ̄;)・・・・まぁいいや。いやさぁ、伊吹山が見えてきたところで、
とりあえず目的地を聞いておかないと、とんでもないところに拉致されるといけないと思って。」


「あはは♪ まぁ、聞いてくれて正解かもな。」

「なにゆえだ!?」

「その質問で、やっと行き先決めれたわ〜♪」


無言で運転中のヤツの二の腕に、とりあえず一撃お見舞いしておく(爆)。
ぷよ2もそうなんだけど、何でかB型のオトコって行き当たりバッタリなヤツが多い。
コイツらは揃いも揃って、その典型( ̄∇ ̄;)
変わり映えするはずの相手なのに、出鼻を挫かれんばかりのマイペースぶりに、
とにかく、行き先は運転手に委ねるしかないのであった。


意外と、お隣の滋賀県に突入するのは早く、1時間ほどで琵琶湖に辿りついた。
日本一大きな湖とあって、対岸の様子もわからぬ圧巻的風景は、海を眺めているようだった。


食事をしようというコトになり、街の明かりを頼りに琵琶湖周辺を探してみるが、
一向にそれらしい店を発見できない。

「あの、遠くに見える灯りの辺りにきっと店があるよ。」

と言いながら車を走らせる彼の横で、明らかに不穏そうな顔のあたくし。
距離感や方向感覚は他の女性に比べて長けている方だと自負するところもあって、
ある瞬間に、彼を止めた。

「お兄さ〜ん・・・・多分、さっき言ってたその灯りの点在する位置は、
既に通り越しているような気がするんですけどぉ〜( ̄∇ ̄;)」


「うぅ・・・・やっぱりさっきのアレがそうか。」

「気付いたんなら戻れよな(爆)」

「わかってますって・・・・。」

「で、この道路、あと2往復くらいするぞぉ〜(爆)」


と言ったら、今度はこっちに無言の攻撃がなされた(爆)。
で、思った通り、2往復・・・・とまではいかないけれど、復路でやっぱりその店のある場所を通り越し、
またUターンをしなきゃいけなくなった時点で、あたくしはナビ・シートで抱腹絶倒していた。

「あたしの予言、ホンマよく当たるわぁ♪」

「やかましいわっ!!」


1年ぶりだというのに、絶妙な間合いで会話が進むことが何とも心地好いのであった。



湖畔に佇む、素敵なレストランだった。
コース料理は値がはるものだったので、あたくしは無意識のうちに遠慮しようと思ったのだけど、
彼が潔く、「今日はご馳走してあげよう♪」と言うので、
「(●⌒∇⌒●)わーい♪」とお言葉に甘えることにした。(わかりやすいアサミンジャー( ̄∇ ̄;))

店に入ってからも色々な話をした。仕事のこととか今後のこととか、本当に色々。
コース料理には、様々な食材が使ってあり、中にはメニューを見ただけでは
どんなものがでてくるのか、さっぱり見当のつかないものもあったので、
とりあえず、同じコースを頼んで、サラダ、スープ、メインを全部別々にチョイスして、
どちらかが苦手なものが出てきた場合は、交換しよう♪ みたいな感じで。
だから、話題がいきなり「どんな食べ物が苦手か?」というところに飛んだ。
よく考えてみると、あたくしは彼の嗜好の向きをあまり知らないままでいた。
知る必要がなかったのは、お互いに魅かれ合っていた時期があったにも拘らず、
そこからのもう一歩が踏み出せないままの、微妙な関係がダラダラと続いているからだと思う。
彼の食の好き嫌いなど、聞きだす機会すらなかった。


「クリーム系、ダメなのよね。あと、クセの強いチーズも。」

「えぇ〜っ!!? 美味いのに・・・・。俺なんか、灰色がかったブルーチーズ、大好き♪」

「うぅ・・・・食事する前に気分が( ̄∇ ̄;)
だからさぁ、さっきスープ選ぶ時に、どっちもクリーム系っぽかったから、
ワザと店員に他のメニューがないのか聞いたのよ。」


「そうなんかぁ。」

「そっちはどうよ? 何か嫌いなものってあんの?」

「俺はねぇ、栗。」

「栄養学的に、体勢に影響ないね(笑)。じゃあ、栗ご飯なんかアウトなんだ。」

「あぁ〜! ダメダメ!!」

「天津甘栗も?」

「ダメ!!!」

「モンブランとかは・・・・」

「あんなの、問題外( ̄^ ̄)」

「おもしろ〜い♪ あとは??」

「イチゴとか、レモンとか・・・・基本的に酸っぱいものがダメなんよ。」

「へぇ〜。じゃあ、グレープフルーツは??」

「( ̄□ ̄;)・・・・好き(笑)。」

「んじゃ、本当に体勢に影響ないよね。
グレープフルーツで、イチゴやレモンで摂れない栄養、全部まかなえるもんね。」


「そういうお姐さんこそ、他に嫌いなものってないの?」

「シナモン、ダメ。」

「えぇ〜!? 美味いのにぃ〜。」

「あと、イクラやウニもダメ。」

「えぇ〜!? 美味いのにぃ〜。」

「それは、キミが北海道にいた時、美味いのを頗る食べてきたからでしょ?」

「ま、そうなんだけどね♪(* ̄m ̄) ププッ」

「ああ〜っ!! やっぱあの時、誘われるがまま、北海道に行っておけばよかった。」

「( ̄∇ ̄;) 何を言い出すかと思えば、この人は(呆)」




実は、あたくしが養成所に入ってから間もない頃、彼は会社の都合で一度北海道に転勤しているのだ。
その事前に行なわれた研修場所が、丁度、当時のあたくしのアパートから近かったもんで、
彼のことを、一晩泊めてあげたのだ。
この時、お互いにステディはなく、それこそ、周囲から何を咎められようが知ったこっちゃなかったが、
あたくしは、丁度この頃から徐々に体調を狂わせ始めていて、
本当にどうしたものだか、困り果てていたのだ。

そんな時に彼は、無論、ジョークも半分だったけど半分は本気で、

「一緒に来る?」

と言った上で、次に住むマンションの部屋の写真や、周囲の風景を撮影したものを
あたくしに見せてくれたのだった。
正直、かなり揺らいだ。
半分はジョークだとわかっていても、それをジョークとして受け流すのに、相当のパワーが必要だった。

「行かないわ。行けるわけないじゃない。」

あたくしの答えは、最初から決まっていたというのに、どうしてあんなにも揺らいだのか
不思議なほどだ。
あの時はまだ、自分にももう少し可能性が残されていると信じて疑わなかったし、
まさかその2年後、大垣に強制送還されるなんて、思いもしなかったからだ。


運ばれてきた料理は、絶品だった。
クラムチャウダーと、コーンの冷たいクリームスープしか選択肢がなかったのに、
クラムチャウダーの方は、透明なスープだったので彼のと取り替えてもらった。
クリームスープも美味しかったのだが、これは多分、彼の好みの味かもしれない、と
瞬時に判断して、あえて譲った。
そんな彼は、実はクラムチャウダーの中のアサリがダメで、交換してもらえてラッキー♪
みたいな事を言っているのだった(爆)。

魚料理は、ホタテの貝柱とスズキのソテーだったのだがフレンチとは思えないほどさっぱりしていて、
バター臭さがないのが気に入った。

サラダにかかっていたパルメザンチーズ以外は、嫌いなものは特になかったので、
お腹もいい具合に満たされて、ほぼ完食♪
ちょっと前の、不気味な食事しか知らない彼は、

「結構、食えるじゃん。よかった、安心したよ。」

と言ってくれた。
・・・・ぷよ2と似たようなことを言うんだなぁ、この人は。意外だった。



しかし、うちら御一行様・・・・。
こんな、「幸せな食事」をして、そのまま帰れたわけではございません(苦笑)。
あたかも、ネタを仕込んだような顛末に、
あたくしは呆れるのを通り越して笑うしかないのでした( ̄∇ ̄;)

そろそろ行こうか、と、伝票を手にしてカウンターへ向かう。
あたくしたちが最後の客のようで、時計を見ると21時を少し回っていた。
と、隣では蒼ざめた顔のオトコ、リョウジ・・・・。

「どうしたん・・・・?」

「財布が・・・・ない!」

「( ̄□ ̄;)!!」

「(店員に)少し待って下さい。(あたくしに)車ん中見てくるわ!!」



途方に暮れるあたくし( ̄∇ ̄;)
え? 入店時に「今日はご馳走してあげよう♪」と自信たっぷりに言っていたアレは何??
キャッシャーのおじさまに愛想笑いをして、立ちすくむあたくし(苦笑)。

「本日のお料理、いかがでしたか?」

「えぇ、お魚がとっても美味しかったです。あと、スープも♪」

「そうですか♪ それはよろしゅうございました。
当店のオリジナルソースを使用しております。また御機会があれば是非。」


「ありがとうございます〜♪」


差し出されたパンフレットを手にしたが、間が持たず( ̄∇ ̄;)
とそこへ、ようやく彼が戻ってきた。・・・・が。
戻ってきたのはいいけれど、本当に財布そのものを家に忘れてきたらしく、
彼が手にしていたのは、カードだけだった。

「申し訳ございません。当店はカードでのお支払いは承っておりませんので・・・・。」

「えぇっ!!? うわぁ、どうしよ〜〜!!」

「ちょっと待って。」


と、あたくしは自分のバッグを探った。
財布にはここの代金を支払うに十分な金額が「珍しく」入っていた(爆)。

「とりあえず、出しとく(苦笑)」

「悪い〜〜〜っ!! マジすまん!! 絶対返す!!」

「ご馳走してあげると言われたからには、返してもらうもんね〜♪」



財布の中に、奇跡的に入っていた福沢諭吉大先生に救われたアンポンタン2人組は、
その後、琵琶湖の畔を散歩しながら、また少し話していた。


「あ〜ぁ。あたし、どうしてあの時、北海道に行かなかったんだろう。
どうせこっちに戻ってくるんだったら、行けばよかったな・・・・。」


「あの時は、まだ東京に残ってやらなきゃいけないことが沢山あったろ?
俺だって、それを無視して誘ったわけじゃないし。断られるのわかってやったことだし。」


「まぁ・・・・そりゃそうなんだけど、さ。」

「ネットで、日記見たぞぉ♪ 本当に呪われてたな(爆)」

「あははは♪ 呪いの3周年よ。」

「俺らも3年ってとこなんだよなぁ、今の彼女と。」

「よそは早い感じがするなぁ。」

「俺もそう思った。」




4年前に1つの答えを出したなら、多分、
あたくしたちは、こうして琵琶湖の湖畔を悠長に散歩している間柄ではなかっただろう。
ステディじゃないからこそ、話せることも沢山ある。
北海道に行ってなかったから、ぷよ2と出逢ったわけだし、
リョウジくんとも友達でいられる。
より多くの出会いがあったのだ。後悔などせずに、感謝せねば。


「うちの主治医が言ったのよ。『あなたと寝た男たちは、さぞかし幸せだっただろう。』って。」

「あぁ。・・・・それはそうかもね。当たってるよ。」

「どうしてそう思う?」

「俺も・・・・幸せな気分になれたんだよ。・・・・夕雅さんはすごいんだ。」

「( ̄∇ ̄;) ・・・・何が?」

「オトコを幸せな気分にできる女ってのは、すごいんだよ♪」

「(苦笑)何かこう釈然としないけど、とりあえず、証人一人確保〜♪」



茶化しておかなければ、2人のこの心地好い均衡が崩れる。
昔、ほんの数回、関係があったのだけど、そこからの発展はなかった。
おじょ〜なんかは、あたくしらがつきあわないままだったのが不思議だ・・・・と言っていたほどだ。

オトコを幸せな気持ちにできる女かぁ・・・・。
多分、最上級の褒め言葉なんだろうなぁ。
ぷよ2の口から聞くよりも客観性があって、真実味がある。
何故なら、あたくしたちは別のところに恋人がいて、
その人のことを幸せにしようと、そして、自分も幸せになろうと
日々、模索しているのだから。
「好き」とか「愛してる」などという言葉がどれだけ軽々しく感じたことか。
この最上級の言葉をいただいて、あたくしはもっと自分のことを好きになりたい、そう思った。
そうすれば、きっと、もっと、今一番近くにいる人を、
幸せな気持ちにしてあげることができるんじゃないかと、思ったからだ。


帰り際。
あたくしは、ちょっとフラツキ気味だった。大丈夫な程度だったんだけど、
リョウジくんは、玄関先まであたくしを見送り、こう言った。

↑根拠がないだけに、妙に嬉しかったりも(爆)

こうして、2人の秘密のデイトは、やっぱり開けっ広げのまま終わっていったのでした。
帰宅があまりに遅かったので、ぷよ2からご心配メールが( ̄∇ ̄;)
本末転倒・・・・そんな言葉が頭をよぎる(苦笑)。


【追記】
 一万円は無事に返していただきました(爆)。
 一生、語り草にされるであろう、面白おかしい事件でした(* ̄m ̄) ププッ

あさみ


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