2003年08月12日(火)
闘え!起動戦士アサミンジャー 「真実」の巻
悪いと思ってないなら謝るな!


毎度。
本当に、毎度、毎度、30分は予約時間を押して待たされる、可哀想な患者・アサミンジャーです(爆)。
自分で「可哀想」とか言っていられるうちは、まだまだ精神的にも健やかな証拠♪
などと、自分を励ましながら、本日も色んな波長が飛び交う中、誰ともその波長を合わせないようにと
路傍の石のように無駄な感情の起伏を呼び込まないよう、
無我の境地へと自分を飛ばす、待合( ̄∇ ̄;)


他人の恐るべき感情の起伏を拾ってきてしまったら最後、
あたくしはこの特異な体質ゆえ、自分を見失い、また発作を起こしてしまう。
特にこんな曇天の日は・・・・。


オーアエはいつも、あたくしを診察室に通すとすぐに謝る。

「ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメン、ゴメン・・・・・・」

あんまりな社交辞令に、あたくしは半ば呆れて、こっちが無反応な場合、いつまでこの
「ゴメン」が続くのか、観察してやろうと思っていた。


・・・・・・・・・・。
数えたわけではないが、かなり続いた(爆)。
それが可笑しくて、吹き出したら、その「ゴメン」も止まった(爆)。


「毎度毎度、すまんねぇ・・・・。」

「ねぇ、先生。ホントは全然悪いと思ってないでしょ?」

「( ̄□ ̄;)!!」

「やっぱり・・・・( ̄∇ ̄;) いいよ。いつものことだし。
悪いと思ってないのに謝られてもねぇ・・・・あたしは一体どうすりゃいいのさ?」


「あははははははは・・・・( ̄∇ ̄;) まぁ、座んなさいよ♪」



どう、その後?? と聞かれ、とんでもない熱が出たことや、
何日か連続で発作が出たことなんかを報告する。
そしたら、あのヤロウ、遂にこんなことを言い出した。

↑ココはどこ?? 3秒くらい言葉が出なかった(爆)。

・・・・・・・・・・。
こんなことを言うヤツのことを、ずっと信頼していたのかと思うと、
自分の千里眼がかなり衰えたのではないかと、己を疑う。
ヤツを呪っても、そうそう効きはしないのだ。
根無し草のように、ポワポワ生きている精神科医なんて、呪ったところで特に効果を期待できない。



ここしばらくで、新たに新事実を発見したことを告げる。
自分にとっての「日常」「非日常」の境目が、ここにきてようやくハッキリしたのだ。


ずっと、舞台や芝居の世界のことを「非日常」とされてきて、
でも、それは単なる一般論に過ぎなくて、あたくしには当てはまらないというコトがわかったのだ。

あたくしにとっては、芝居の稽古や本番こそが「日常」で、
それ以外の生命維持の生活が、どちらかというと「非日常」だったのだ。


「ほほぉ〜。でも多かれ少なかれ、誰しもペルソナは持っているものだぞ。」

「違うの、先生。あのね・・・・例えば普通のサラリーマンの人とかが、
企画を立ち上げてプレゼンとかをするじゃない? その人の仕事で。
それによく似ているのよ、あたしにとっての芝居は。」


「あぁ、なるほどね〜!!」

「仕事って、その人の居場所でしょ? あたしの歯車が狂いだしたのは、
その居場所を追われたからだと思うの。
普通の人から見れば、平坦な日常生活が、あたしにとってはとんでもない非日常だったの。
今、やっと立ち稽古とかが始まって、わかった。
あたしが本来いるべき場所って、こういうバトルモードで張り詰めてて、
演出家がNGを出そうが、何が何でも喰らいついていく・・・・修羅場みたいなところだったんだって。」


「今、それが叶って、スッキリしてる?」

「勿論よ♪ 久々に味わった。」

「なるほど・・・・キミの場合は逆だったんだな。私はてっきり・・・・。」

「自分の持ってるプランを全部演出家の前で吐き出して、
NG待ちっていうのは爽快よ♪」


「やってきたのか、それを?」

「勿論( ̄^ ̄)」

「その時、アイツらはどうしてるんだ? (本名)ちゃんなのか?」

「(本名)ちゃんでいられるわけがないでしょう?
もう、バリッバリのバトルモードなんだから。
でもね先生、誤解しないでね。
例えば稽古で色々とプランを出し合ったり、ダメをもらったりする時と、
実際に演じている時って、バトルモードだけど全然質が違うんだから。」


「どういうこと?? 虚実の世界に身を投じるんでしょうが??」

「違うわ。虚実の世界をモロ素面で創りあげるっていうのをやってたのよ、あたしたちは。
それを、やってない人たちややったことのない人たちは、それを見て『非日常』って
言ったりするんだ・・・・ってわかったの。
だって、稽古や本番で特別なペルソナを被らなくても、芝居は進んでいくんだもん。
このせりふは重要だから、相手にかけるんじゃなくて、ワザと客席にアピールしなきゃとか、
囁くようにいう言葉でも、観客全員に聞こえるようにしなきゃとか、
ありとあらゆる計算をどうして陶酔しきった中で出来るのよ?
パスタが茹で上がる時間を身体で覚えているイタリア料理のシェフと、
あたしたちはそんなに変わらないわ。
こういう時はこうする・・・・そういう計算が、身体や頭に染み付いて、
離れないだけなのよ。」


「それは新しい見解だなぁ・・・・。面白い!! そうか・・・・
あなたにとっては人が『日常』と言っている事が、全くの虚実だったというわけだな。」


「そう言ってしまうと、何か変だけど、当たらずとも遠からず・・・・かな。」



オーアエは、いつにないスピードで、カルテに細やかなことを書き始めていた。
「日常」「非日常」という言葉が、あたくしと彼の中で一切噛み合っていなかったのは
根本からして「芝居」が何たるかを、履き違えていたからだったのだ。
あたくし自身もそれを上手に表現する言葉が、舞台に立っていないものだから見つからなかったし、
オーアエだって、役者じゃないんだから、その本質が何たるかを見極められずにいたのだ。

「役者」という職業を特別視さえしなければ、話は至極簡単だったというわけだ。
あたくしは、新しい現場でそれを発見し、ようやく自分の症状の解決の糸口みたいなものを
掴みかけている。まだ儚く、確証には乏しいが・・・・。


「しかしアレだな・・・・。自殺したキミの先生はそういった意味では、舞台から降りてしまったんだな。
創るのをやめてしまった人間に拘りすぎちゃダメだぜ〜♪」


「拘ってないわ。新しい現場があるもの。
それに、この環境を遡らなければ、本当のリセットができないというのなら、
あたしは4歳の頃まで戻らなきゃいけなくなるの。」


「何で4歳?」

「あたしの舞台デビューは4歳よ(笑)。この頃からハマっちゃったんだろうな。
ちゃんと、せりふのある役をもらったんだよ。すごいでしょ♪」


「そうかぁ・・・・じゃあ、本当に根源に戻るとなると、生と死を賭けてやらないといけないな。」

「時間は戻せないものね・・・・ココまで蔓延っちゃったんだから、普通の生活をするのであれば
そういうふうに考えるのが普通かな(笑)。」


「それにしてもあの先生も、創るのをやめたのなら、もう少し地味に表明すればいいものを・・・・。
死に方が派手すぎたんだ。ダメだ、ダメだ、そんなヤツ!!
・・・・って、こんなこと言ったら祟られるかなぁ?(笑)」


「あぁ、そうかもね♪ そういう意味ではあの人は執念深い人だったから。
ほれ、ちょうどお盆も間近だし、青白い顔で枕元に立たれるのも嫌でしょ、先生も(笑)」


「おいおい!! 脅かすなよぉ〜。」

「マジだよ〜ん♪」



そんなやりとりの最後には、あたくしのいつもの我侭 「血圧、計って♪」で終結していく(爆)。
本日も実に健康的な血圧で、あたくしは満足げに診察室を後にしたのであった。
最近、煮え切らないやりとりが多かっただけに、勝ち戦っぽい感覚はそれでなくとも心地好い(爆)。

↑最近、途中覚醒もないし♪



それはそうと、そろそろ迎え火を焚く季節だったのだなぁ。
本日、墓参りに行って来たことをすっかり忘れていた。
それこそ、亡くなった先生がその煙に乗ってやってきたとしたら、
真っ先にオーアエのところに挨拶を入れに行くことだろう(爆)。
あんなボロカスに言われたら、いくら「死人に口なし」とはいえ、彼も黙っちゃいないことだろう(笑)。
お盆の休み明け、オーアエがやつれていないことを祈りつつ、
仏壇に手を合わせるアサミンジャーなのであった。
・・・・合掌(爆)。

あさみ


投票ボタンです。押すとアサミンジャーがはしゃぎます♪


あなたの毎日にずぅむいん・・・・

My追加




めーるはこちら♪

宿帖直通(BBS)