ダメ大人の日常
 御神酒蔵



 失格・弐。

(名)--スル
資格を失うこと。また、その任に適さないこと。

遠方より友来る。
つー訳で、この週末は関西の知人の東京観光に
お付き合いした。

土曜は新宿界隈を集中的に荒らし回り。
本日は東京23区内各所点在スポットを攻めることに。

とりあえず地下鉄&JRを駆使し、歩く。

魔人好き・怖い話(歴史系)好きの彼のいきたい所は
マニアックだ。

だが、待ってくれ。
ワタシも所謂ゲーマーで同人やろうだが、
そっち系の趣味は薄い。
非業の死を遂げた将門公や、怪僧・空海の施した
呪術的な結界などマニアックな知識は無に等しい。
そこらに点在する寺や、ちょっとした地名の
由来なんざぁ、まったくわかりません。

地元ならまだしも(地元でも知らないが)広範囲にわたる
彼の興味スポットの履歴や由来なんか分かる訳ない。

最初は「わかんないよー」と笑っていたが
そのうち「わかる訳ないっしょ!(キッパリ)」

久々に来た東京のマニアックな観光スポットに
タダでさえ高い彼のテンションは上昇線を描く。

最初は「まったくもー」と笑っていたが、
そのうち「いいかげんにせんかー!(ビシィッ!)」

好奇心旺盛な彼の興味は尽きることを知らず
道すがら目にするものに次々と興味を示す。
接近する台風もなんのその。
雨ニモマケズ、風ニモマケズ。

まて、こちらは負けるんだ。
二日に渡る観光ツアー。
本日の日程も半分以上こなし、暑さと湿度と疲労で
グロッキー気味のワタシともう一人。
ここまでどうにかもった天気も崩れ始め
土砂降りの雨。

しかし、彼の興味は止まらない。
歩く、歩く、歩く。
こっちはもうヤケクソです。
一緒に、歩く、歩く、歩く。
雨を吸ったジーンズの裾が重いけど
もう、無言でひたすら歩く。

別れ際に
『今日は雨の中引き回してすんませんでした』
と、彼は言った。

折角遠方からきたのに、
優しく出来なくてゴメン。
イライラしてゴメン。

大人として、失格。


2001年09月09日(日)
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