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ひとりごと〜リターンズ〜
不知火
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2001年09月23日(日)
心残り

実家に帰って来たはいいがすることがとことんない。
昨日は1日ほとんど昼寝で過ごしたし、
今日もやはりすることがない。

どうやら家族は皆出かけてしまうらしいし、
わざわざ実家に帰って来てまで留守番することもない。

どうせ一人で過ごすのならさっさと京都の部屋に帰ってゆっくりしよう。

不思議と、近鉄大阪線の実家の最寄駅よりも、
京都市営地下鉄烏丸線に乗った時の方が「帰って来た」と言う気がした。
2年の間に、ここまで感覚が変わってしまったのだな・・・と思う。

京都の自分の部屋で、予想通り実家にいたよりもずっとゆっくり出来た。
狭い部屋だが、その狭さが良いのかもしれない。
自分ひとりがいるのにちょうど良い広さ。
必要なものが少し動けば簡単に届く。
人間広すぎるとかえって落ち着かないものなのかもしれない。

なんてことを言う俺は、もしかしたら器の小さい人間なのかもしれない。

もっと広いスペースがあれば、恐らくそのスペースを管理することに悩む。
狭い部屋だからこそ全体に目が届き、快適に保とうとする気も起こる。
要するに自分にとって掌握できるスペースはこの畳6畳だけだということなのだろう。


夜になって、流石に腹が減ったので、
京都に帰って来たとき、京都を出て行くとき必ず行く近所のラーメン屋
「なか房」を訪れた。

夜9時だというのに店内は満席に近い。
が、実はこの前の木曜日も満席で諦めているので、
今日はたった1席残っていた隅っこの席に強引に入り込んだ。

「トンカツ定食とミニラーメン」
なんとなく面倒なメニューを注文してしまった。
ここのトンカツ、チキンカツはでかいので揚げるのに時間がかかるのだ。

隣のおっちゃんらが店の繁盛具合について話し合っていた。
やはり学生の口コミが原因ではないだろうか・・・という内容だった。

そっかぁ、学生の多い町だからこういう大将の店が繁盛するのかな。

とか思って見てると大将、トンカツを切って見て、また揚げ直している。
をいをい、確かに混んでるけど、慌てなくて良いよー。

出てきたトンカツは予想通りいつもより固かった。
むぅ。

ちょっと残念な思いで勘定を払おうとすると、
大将はいつもの人好きのする笑顔で頭を下げた。

「すんません、トンカツ思ったほど揚がってなかったから2度揚げしてしもた。
 次からこんなことないように気ぃつけます」
俺が見てたことには気が付いていなかったはずだ。
言わなければばれなかったかもしれない。(ばれてたけど)
また、俺はそのことについて何も言うつもりはなかった。

だが、その正直な姿勢と憎めないキャラクターこそが、
1年半前、始めてきた時流行っていなかったこの店に、
固定客がつき始めた要因なのは間違いなかろう。

俺もその1人だ。

最も、顔を見た瞬間に「今日もみそラーメン?」「いつものやつでいい?」
と聞かれる程の最常連客にはとうてい及ばない。
結局そこまでの常連にはなれなかった。

学生が多い町だから、こういう店が流行るのだとしたら、
学生の多い町にはこの大将の一族がどっかで店を出しているのだろうか?

実はこの町を離れる一番の気がかりはこの店に来られなく事だったりする。

1人暮らしはまた、する機会があるだろう。
しばらくは家族と過ごすのもまぁ、しょうがない。
こっちにいる友達にも時々は会えるだろうし、電話やメールで連絡は取れる。

が、この店のラーメンを日常的に食うことが出来るのは、
京都の、しかも今住んでいるこの地域にいる間だけなのだ。

あー、マジで引越しちまうんだなぁ。

なんとなく自分のなかで実感が沸いてきた。

実家に帰ったら、またこんな店を探さなきゃなぁ。
しかしそんな店がそうそう簡単に見つかるはずもない。

ま、そいつを探すのも一つの楽しみにするしかないね。

この店の帰りには、何故かいつも前向きな気分になれる。