文化会館に勤める飯塚(小林薫)は、不祥事を起こして半年前に市役所から左遷されてきた。 年も押し迫った12月30日の朝、飯塚主任は1本の電話を受ける。 それは大晦日の夜に予定している「みたまコーラスガールズ」のコンサート予約確認の電話だった。 その横で部下の加藤(伊藤敦史)が青くなっていた。 というのは大晦日には「みたまレディースコーラス」の予約も受けていたからだ。 緊急事態発生! 「どうせオバさんたちの暇つぶしだから大丈夫だろう」とどこまでも楽観的な主任だが。。。
職場の同じチームに落語好きな人がいて、「この間、志の輔の落語を聞きに行った時に映画化されるって言ってた。おもしろそう」という話を聞いて、早速、公開日に見に行ってきました。
「市役所の仕事納めは12月28日だぞ」という突っ込みはありますが、“文化会館のダブルブッキング”なんて、ありえなさそうでもしかしたらありえるかも…という騒動を、コミカルにテンポ良く描いています。
事が発覚するのが12月30日の朝で、肝心なコンサートが翌日の31日なので、正味2日間の出来事なんだけど、それを2時間に本当に上手に展開させているのがとっても印象的です。
まず、物凄く緊急事態なはずなのに、「心底、切羽詰まってるの?詰まってないの?どっちなのよ!」という小林薫の演技が素晴らしい。 こうゆう人って、「怒れるんだけど、憎めないんだろうな…」、「不器用だけど世渡り上手なんだろうな…」っていうキャラクターが光っています。
ママさんコーラスが舞台になっていますが、「レディース」さんも「ガールズ」さんも(←劇中、2つのグループをこう呼んでいる)単なる趣味の域を越えた活動をしていて、歌のシーンは圧巻です。
今の流行言葉で表現すると、いわゆる「セレブ系」主婦のグループが由紀さおりリーダーの「レディース」さん。 由紀さおりは、スーパーマーケットの女社長の役で、他には市長の奥さんも、このグループに所属していたり、練習会場やお召しになっている服装など、どこをとっても上流な雰囲気です。
反対に、安田成美リーダーの「ガールズ」さんは、結成間もないグループで、メンバーは日々のパートに精を出す、いわば庶民派の主婦の集まりです。 由紀さおりが経営するスーパーマーケットで働く主婦も、こちらに所属しています。
劇中、「ガールズ」さん達が「レディース」さん達の前で、歌を発表するシーンがあり、これが物語りの大きな流れになっていくんだけど、スーパーマーケットで働く人のソロ歌唱が、とっても感動的で、由紀さおりが「あれ?あの人(うちのスーパーで働いている人)?!」と気付くシーンが凄く良かった。
あと、もっちろん由紀さおりの歌も、さすがに良かったわぁ〜♪ エンドロールに、お姉さんの安田祥子もクレジットされてたけど、どこに出ていたのか分からなかった…(残念)。
小林薫の右往左往振りのエピソードと、「レディース」さん「ガールズ」さん達の歌声と、両方楽しめて、笑えて感動できる作品でした。
せっかく『第九』の良いシーンもあるので、11月後半〜年末にかけて公開してくれたら、もっと良かったのになぁ。 (撮影は、超ド級暑さの真夏の熊谷市だったようです)
♪BGM♪〜『5296』by:コブクロ
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