びっと日記
びっと



 「飛べねぇ豚はただの豚だ」

 昨日に続いて“スカイガンナー”の話をしよう。

 余談だがこのゲーム、微妙にメジャー受けする路線をハズしている気がしてならないのだが、実売はどれくらいなのだろうか? “スカイガンナー2”の発売を切に切に願う私としては、それほどバカ売れしなくてもいいから、メーカーが続編の製作をあきらめないくらいには売れてほしいと思う今日この頃である(スタッフは作る気あるみたいだし)。

 閑話休題。
 簡単にこのゲームのストーリーを説明すると、主人公は飛空挺を駆り、犯罪者を追う賞金稼ぎ(ガンナー)となって、大空を疾駆する、というもの。
 主人公は最初、初心者向けの機体“ブランシェ(Branche)”を操る女性ガンナーのファムか、中級者向けの機体“アベニール(Avenir)”に乗る少年ガンナー、シエルの二人から選ぶ。で、クリアしていくごとに、上級者向けの“シュバリエ(Chevalier)”(パイロットは相棒のコパン)や“ファントゥーム(Fantome)”(パイロットは謎の敵リヴァル)が使えるようになるというものだ。ストーリーは主人公によって違う上、機体によって操縦特性が違うので、一度エンディングを迎えても何度も楽しめるゲームだと言える。
 で、このゲームを何度かやってみての感想は「このゲームは“天空の城ラピュタ”ではなく“紅の豚”だ」というものだった(宮崎駿アニメを知らないヒト、ごめん)。でもこのゲーム、フライトシミュレーションゲームとしては、かなり特殊なゲームらしい(いや、ほのぼの系の設定に加えて、絶対に人死にが出ないゲームというだけですでにかなり特殊なのだが)。
 例えば…。

・ガンサイトは前方固定、機体の向きはガンサイトと連動しているのに、視界は絶対に天地逆にならない。
・視界も移動も360度全方位なのに、レーダーはおろか速度計すらない。
・被弾しても、レバガチャとボタン連打で墜落から復帰できる(スカイキッド…?)
・地形や建造物は、オートパイロットで自動回避してくれる(そもそも、地上の建造物に当たるフライトシミュレーターってあるのか?)。
・メカニック設定を含めた世界設定は全て架空のもの(というか、最終面の敵“グランマガザン(Grandmagasin)”など、素人目にもどうやって飛んでいるんだかわからない兵器多数登場する)。

 などなど…。
 ただ、特殊といっても初心者をとっつきやすくさせるための工夫は随所に見られる。世界設定もその現われだろうし、他にも操作系、チュートリアル、各面の間のデモなど、全てがわかりやすく作られている。「普通の人には、見た目でスゴいと一目でわかるAC4の方がわかりやすい」という意見もあるが…少なくとも、AC4を手にとってみようとは微塵も思わなかった私でも、“スカイガンナー”は楽しめる。
 確かに同じPS2ソフトでもAC4ほどの技術の凄さは感じられない。何しろ処理能力は画面内のゴチャゴチャしたオブジェクトの処理にムダに使われているらしいのだ。そのムダっぷりがまたイイ
 何よりも、DC本体を買う前に“エターナルアルカディア”を買いたくなった私としては「(スチームパンクっぽい世界で)大空を飛ぶ機械に乗ってみたい」というバカな欲求が満たされるのがよい。まぁ、それでもTRPG“トレイダーズ”は微塵もやる気にならないのだが。
 ヘタレの私は、賞金が稼げなくてもクリアできなくても落とされまくっても、地上スレスレをガーッと飛んでいくだけで楽しいのだ(そしてまた落とされるのだが)。

 さて、では今日もまたリーヴの空に旅立つとしよう。オルヴォアール。

 今日の科白。

「いつものだけでいいんですか? 高性能焼夷弾とか、徹甲弾も入荷してますよ」
「坊主、俺たちゃ戦争やってるんじゃねぇんだよ。…またな」
「毎度ォ! …親方ァ、戦争と賞金稼ぎとどう違うの?」
「あ? そりゃ、戦争で稼ぐヤツは悪党さ。賞金稼ぎで稼げねぇヤツは、能なしだ」
〜「紅の豚」(スタジオジブリ)より〜

2001年10月28日(日)
初日 最新 目次