Love Letters
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『キルトに綴る愛』という映画の中で、
忘れられないシーンがあります。
入院中の父親の死期が近いことを
医師から告げられた日、
あまりにも深い悲しみとショックに気が動転した
仲の良い二人姉妹の妹。
義兄の運転で家まで送ってもらう帰り道、
まるで悪魔に憑かれたかのように
義兄の肉体を求めてしまうのです。
愛する人の死に直面する時
人はあまりに無力で、
死の淵にいる最愛の人を救うことの出来ない無力感から
自らの命の輝きをも死の影で覆ってしまうのです。
死の影を取り払おうとする生への欲求が、
彼女を衝動的なSexに駆り立てたのでしょうか。
それは単に、
束の間、悲しみを吐き出すための術だったのでしょうか。
あなたと付き合い始めた頃、
私は
悲しみで押し潰されそうな心を支えるために、
愛する命を失うかもしれないという絶望感を
あなたとのSexで埋めようとしていました。
映画『チョコレート』の中では、
目の前で息子に拳銃自殺された男と
ひき逃げ事故であっけなく息子を失った女が出会います。
深い自責の念と喪失感を
埋め尽くそうとするかのように
激しく抱き合う二人。
やがて二人は、
絶望という暗闇の中で
ひとすじの光を見出すようになるのです。
私と別れた夫は、
苦しみを吐き出すためのSexをしませんでした。
悲しみを埋めるために抱き合うこともしませんでした。
家族の誰もが泣いている時に
今となってはもう遅いけれど、
私達はもっと抱き合うべきだったのでしょう。
絶望していた時だからこそ
互いを癒すために、
希望を失わないために
Sexが必要だったのではないかと思います。
あの頃に比べ
今の私はずっと強くなったけれど、
これからも
私が辛い時には
あなたに抱いて欲しいし、
あなたが苦しい時には
私が抱き締めてあげたいと思うのです。
小夜子
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