Love Letters
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2003年11月21日(金) 不謹慎なSex


 『キルトに綴る愛』という映画の中で、

 忘れられないシーンがあります。



 入院中の父親の死期が近いことを

 医師から告げられた日、

 あまりにも深い悲しみとショックに気が動転した

 仲の良い二人姉妹の妹。

 義兄の運転で家まで送ってもらう帰り道、

 まるで悪魔に憑かれたかのように

 義兄の肉体を求めてしまうのです。



 愛する人の死に直面する時

 人はあまりに無力で、

 死の淵にいる最愛の人を救うことの出来ない無力感から

 自らの命の輝きをも死の影で覆ってしまうのです。



 死の影を取り払おうとする生への欲求が、

 彼女を衝動的なSexに駆り立てたのでしょうか。

 それは単に、

 束の間、悲しみを吐き出すための術だったのでしょうか。



 あなたと付き合い始めた頃、

 私は

 悲しみで押し潰されそうな心を支えるために、




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 愛する命を失うかもしれないという絶望感を

 あなたとのSexで埋めようとしていました。




 映画『チョコレート』の中では、

 目の前で息子に拳銃自殺された男と

 ひき逃げ事故であっけなく息子を失った女が出会います。

 深い自責の念と喪失感を

 埋め尽くそうとするかのように

 激しく抱き合う二人。

 やがて二人は、

 絶望という暗闇の中で

 ひとすじの光を見出すようになるのです。




 私と別れた夫は、

 苦しみを吐き出すためのSexをしませんでした。

 悲しみを埋めるために抱き合うこともしませんでした。

 家族の誰もが泣いている時に



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 今となってはもう遅いけれど、

 私達はもっと抱き合うべきだったのでしょう。

 絶望していた時だからこそ

 互いを癒すために、

 希望を失わないために

 Sexが必要だったのではないかと思います。




 あの頃に比べ

 今の私はずっと強くなったけれど、

 これからも

 私が辛い時には

 あなたに抱いて欲しいし、

 あなたが苦しい時には

 私が抱き締めてあげたいと思うのです。



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小夜子

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