Love Letters
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昨夜は
あなたと出かけたいつものバーで
ハプニングがありました。
いつものように
寛いだ雰囲気で、
マスターとお喋りしながら
飲んでいた私達。
しばらくして、
少し横柄な態度のロシア人二人が
カウンター席の
あなたの隣に座りました。
私達日本人とは
明らかに体質が違う彼等は、
強いスコッチウイスキーを
ダブルで一気飲みしていました。
港のすぐ近くにあるこのバーは、
時々外国人も立ち寄ることがあるそうです。
この手の外国人客に慣れているマスターは、
彼等に安くて強いウイスキーを出した後、
あなたに小声で
「暴れないうちに帰ってもらうから。」
と耳打ちしました。
マスターの奥さんが
困ったという顔をして、
私に目配せをしました。
やがて、
あなたの隣に座っていた
小太りのお調子者の男が、
彼が飲んでいたものを
あなたのグラスに注いで
一気飲みを勧めました。
私は、
最近のあなたの体調が
あまり良くないことを知っていたので、
「やめて。」
と小さな声で囁きました。
あなたは確かにお酒が強いけれど、
普段の量やペースは
マスターも私もよく知っています。
私の声が聞こえなかったのか、
或いは聞こえない振りをしたのか、
隣の男は面白がって
もう一度あなたのグラスにウイスキーを注ぎ、
一緒に一気飲みしようと言ったのです。
私が止める間もなく、
あなたは続けて
注がれたお酒を一気に飲み干しました。
「後で具合悪くなるからやめて。」
「具合悪くなるとしたらその直後であって
後からなんてことはないから大丈夫。(笑)」
「今度したら、もう帰るから。」
結局、
その後、
二人のロシア人はバーを出て行き、
三度目は免れることが出来ました。
ロシア人の男達が出て行った後、
マスターの奥さんが
あなたに言いました。
「彼女、すごく心配してたのよ。
顔見てたらわかるわ。」
あなたは照れたように笑っていました。
「最近、
カップルで来ていて
男性の方がひどい酔い方をしても、
気にしない女性が多いのよ。
彼女は優しいわね。」
「俺みたいな男で
甲斐がないよな。^^」
あなたが私を見て言いました。
バーを出たら、
外の空気は
ひんやりとしていて、
夜空に満月が浮かんでいました。
あなたは黙って
私の手を繋ぎました。
「あなたがあんなことをするなんて思わなかったわ。」
「そうか。(笑)」
「危なっかしい人。(苦笑)」
「呆れた?^^」
「やんちゃな子供の頃のままなんだね。きっと。」
私の胸に
『私は本当にこの人が好きなんだ。』
という想いが込み上げて来ました。
『どうして、こんなに好きになっちゃったのかな。』
半分はとても幸せで
残りの半分は哀しい…
そんな気持ちでした。
私は
その想いは告げずに、
そっと
繋いだあなたの手を握りしめました。
小夜子
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