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思い出で飯を食うのだ
2004年07月03日(土)

マンドリンの練習に行った。
駅でマンドリンのケースを持っていたら、年配の女の人に、
「そういう箱持ってる人結構見かけるけど、中に何の楽器が入ってるの?」
と聞かれた。
ちょっと楽しかった。

ところで、私は思い出というものが嫌いだった。
しかし年をとってきたせいだろうか、最近はいとおしいもののような気がし始めた。

私の好きな南Q太のマンガにこんなシーンがある。
「お前と酒を飲むのはホント楽しいな」
という、昔の男によく言われた科白を、主人公が夢の中で見る。その夢のことを友達に話すと、
「そういうのは、宝物だよね」
と言われる。なんだかとても好きなシーンだ。
べつに後ろ向きとか、今でも好きとかそういうことではなく、きっと、そういう科白はいつまでも心の中であたたかいものなんだろう。

向田邦子のエッセイに、
「大人になったら、反芻が一番楽しい」
というようなことが書かれていたと思う。

思い出というのは本当に楽しく、あたたかく、そして終わったあとも変わって行くものだ。
綺麗に変わって行った思い出は、決して現実には蓋を開くことなく、でも心の中だけで大事に箱に入れてたまに覗くのが、大人の楽しみ方なのかもしれない。




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