私はこれからさき甘く見られないために、腹から声をだして、キーを一オクターブ低くする。あと髪を坊主にする。 鎌倉文学館で立原正秋の展示をしていて、その中に私の大学のときの先生が一緒に写っている写真があった。あの先生は立原についての本まで出しているらしかった。 私は卒業した後に、その先生に自分の小説を送ったことがあるのだが、そうしたらその感想についての葉書をぴらっとくれた。「会話文がいい」とかそんな感じのそっけない葉書で、今はどっかに行ってしまった。 あの先生は可笑しかった。毎回授業にテーマがあるのだけど、最初はそのテーマで始まるのが、終わりは違うテーマになっていた。半分くらいは違う話だった。授業というより作家へのラブレターのような口ぶりだった。 鎌倉文学館の前にばら園があるので、そこも見て回った。 触りまくってやった。ぶあつい花びらなどに。 あの真ん中にはめしべとおしべが入ってるのだろうか?さすがに中までは指を突っ込めなかったが。入ってなさそうな気がする。
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