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『微炭酸ニッキ』  山崎ナオコーラ

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しあわせ
2003年10月15日(水)

仕事が終わって雨上がりの外に出たとたん、冷たい空気に包まれる。ばかみたいだけれど、生きていてよかった、と思う。
傘はすきじゃない。
長袖も。

私という存在がなんなのかはわからないけれど、火星を見つける目、乾燥した外気を感じ取れる肌、それを統合する脳があって、しあわせだ、としみじみばかみたいなことを考えた。

家では父が寝ている。

38度9分とのこと。
私は自分が病気したことないから心配でたまらなくなる。
何度もどうでもいいことを言うために覗いたら、うるさそうにしていた。
特に、ブッシュの前はクリントンだよね?とか、クリントンの前はレーガン?、カーターは?と聞いていたときがうるさそうだった。

最近、私も年とったが、父母も年とった。
依然の彼らではない。
体形も、喋ることも。

私の父母の像はきっと一生私が小学3年生くらいの、彼らが40代前半のときの顔。

今はその顔と違う。

この前母が旅行に行くといい、そのために来て行く服を悩んでいろいろな服を着てみせてくれたが、その体形に私はびっくりした。
彼女は昔の写真を見ると、パーツパーツは私と似ているのになぜか美人。
そしてほっそりしていて、お洒落さん。
私は母の古着をよく着ていた時期もあった。(それらは本当に可愛かったが、私には小さすぎてきれないものも多かった)
しかし、今は違う。


妹も変わる。
「急にエンジンが作りたくなったときのために理数系を勉強しておけばよかった」
とのこと。
「エンジンって知ってる?」
というので知らないので説明してもらったが、
「ばんばん爆発してポンプが上下する」
などと言っていっていてよくわからなかった。
だんだん妹の方が頭が良くなって行く。




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