橋本裕の日記
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| 2007年10月14日(日) |
サイコパス社会の健康術 |
高血圧をはじめ、頭痛、歯周病、腰痛など、私もこの10年間、いろいろな体調不良になやまされた。そのたび市販の薬を飲んだり、病院で治療を受けて処方された薬を飲んでいた。それで一時的に症状がおさまりはするが、やはりかりそめの対症療法でしかない。
私たちの体は基本的には交感神経と副交感神経によってコントロールされている。心にストレスがかかると、こうした自律神経が乱れ、ホルモンのバランスが崩れて、さまざまな肉体的不調が現れてくる。昔の人は「病は気から」と言ったが、この言葉には真理がひそんでいる。
ガンなどの病気も体が健康で免疫力があれば発症しにくい。ところが精神に不安を抱え、過度のストレスにさらされていると、神経系が乱れ、免疫力がおちて、ガンになりやすい体質になる。
そしてたとえガンを外科手術で取り除いてしまっても、ガンは次から次へと生まれてくる。とくに無理な手術をすると免疫力がさらに衰えるので、新たなガンを誘発しやすい。「転移」といわれているものも、こうしたメカニズムで生まれた新たなガンの可能性がある。
肉体的変異の背後に、患者が抱えている生活習慣上の問題や、精神上の問題がある。「健全な精神は健全な肉体に宿る」という言葉があるが、これは「健全な肉体は健全な精神に宿る」と言い換えてもよい。心の健康は、肉体の健康のためにも必要である。
それでは、どうしたら心の健康は実現できるのだろう。この点について、私はかなり悲観的である。私たちがこのストレスの多い競争社会で、こころの健康を維持することはむつかしい。平気でいられるとしたら、それは鈍感力の発達した人か、サイコパス(性格障害者)くらいだろう。ちなみにサイコパスは次のような特性を持っているそうだ。
○他人への思いやりがない。 ○人間関係を維持できない。 ○他人への配慮に無関心。 ○利益のために嘘を続ける。 ○罪の意識がない。 ○社会規範や法に従えない。
病気にならないためには、サイコパスになるか、鈍感力を養う必要があるという、こうした非道徳的で殺伐とした社会を、「サイコパス社会」と呼ぶことにしよう。そこではサイコパスたちが成功者として出世し、華やかなスポットライトを浴びて賞賛される。ときには一国の首相にもなる。
その一方で、非人間的な環境に適応できない多くの人たちは、精神を病んで薬漬けの生活を余儀なくされる。現代の日本は無慈悲な勝者をのさばらせ、心やさしい弱者が生きにくい社会へと、次第に傾斜しているように思われる。
(今日の一首)
この社会勝者はみんなサイコパス まともな人は心病みをり
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