橋本裕の日記
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2007年10月05日(金) セブの形見の歌

 今年の元旦から「今日の短歌」と題して、日記に毎日一首ずつ短歌らしいものを連載している。短歌は自己流に気楽に作ることにしている。つたない作でも、あとで読み返してみると楽しい。そのときの気持がよみがえり、なつかしくなる。しかも、時がたつにつれて熟成するようだ。

日記はセブに3週間滞在したあいだも書いていた。こうしてセブ滞在中の短歌も20首あまり生まれた。今日はこれらの短歌を「セブの形見の歌」と題して、まとめて掲載しよう。


 「セブのかたみの歌」(2009,7,22 〜8.15)

異国へと旅たつ朝は格別にコーヒーうましひとり味わう

一人旅なれどいつしか二人旅そして無数の出会いもたのし

あたたかき風につつまれ南国の街を歩けばいつか夕暮れ

椰子の木の葉陰に立てる少女ありわれも憩へり少女の笑みに

学校の韓国料理食べ飽きてしばし外食これもたのしみ

真夜中に雨の音きく南国の森のみどりを訪ねてみたし

椰子の葉を揺らしていたり潮風がわれにささやくかかる日はよし

ロボックの川の流れはゆるやかで椰子の葉しげる岸辺は異郷

いたるとこ泉がありてロボックの川はみどりを映していたり

ま裸の少年ひとり泳ぎ来て船べりに寄る白き歯を見せ

滝壷に舟を浮かべてあれ見よと異国の青年花を指したり

小夜ふけて異国の街をさまよえば心もただよふ月の明りに

滝つぼを背にして微笑む男女あり異国の青年君と寄り添う

雨上がりムーン・カフェでビール飲むワサビタコスを皆で食べつつ

はっぴ着て鉢巻をするおとめらのりりしき笑顔なつかしきかな

肌の色言葉もちがう異国人なれどわれらはみんなひとつ

肩並べ夜景を見れば花火見ゆ娘のごとく君をいとしむ

浜辺にて夜空を見ればひさかたに天の川見る椰子の葉陰に

椰子の葉の家に泊まれば星月夜風の音までやさしく届く

あたたかな人の心にいくたびも触れ行く旅はたのしくあるかな

思い出の写真眺めてしみじみと出会いの幸を噛みしめている

異国にて英語を学び今日もまたわれをゆさぶる新たなことば

いつしかや異国になじみ友人と会話たのしむ拙なき英語で

友と飲み語れば楽しセブの夜ナイトクラブのやさしい歌声

セブ島の白き浜辺を見下ろして別れを告げる雲の上より

思い出の白き貝を耳に寄せセブの海鳴りなつかしく聴く

家族そろいひさかたぶりの団欒に旅の写真も彩り添える

異国語を学べばたのし美しき世界が見えるわれらはひとつ

ものくれと痩せたかいなを突き出して挑むまなざしセブの子あはれ

飢えた子の哀しき瞳はいつまでも心に残りさびしかりけり

蒼白き時の流れに身をまかせ息をしている星のかたすみ

旅すればそこがふるさとしみじみとなつかしきかな異国の町も

この3年間、セブの英語学校で学んで、どうにか英語でサバイバルできる自信ができた。来年の夏は英語学校は一休みして、セブのダイビングスクールに2週間ほど滞在しようかと思っている。そこでダイビングの国際ライセンスを取ろうと思う。妻もダイビングに乗り気なので、来年は夫婦でセブへということになりそうだ。

(今日の短歌)

美酒のごと心に薫る旅の歌
海の青さよ砂の白さよ


橋本裕 |MAILHomePage

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