橋本裕の日記
DiaryINDEX|past|will
| 2006年01月25日(水) |
女系天皇をどう考えるか |
週刊文春の1/26号で、編集部の「女性、女系天皇を私はこう考える」という特集に、14人の識者が答えている。これを読めば、それぞれの識者の天皇制についての考え方がよくわかる。少し、引用してみよう。
林真理子(皇室に改革はいらない) <皇室に改革なんて必要ないんです。天皇とは、日本だけしか存在しない、簡単には割り切れない神がかった摩訶不思議な存在なんです。だから有難味がある>
養老孟司(何も言いたくない) <現代人はなんでも言葉にできると信じています。昨今の「女帝」に関する議論でも、要するに「議論」で、それは言葉です。しかし、天皇とは日本の伝統そのものでもあり、伝統とは安易に言葉に表現しがたいものでもあります。天皇家のことについてまで「法律で決めりゃそれでいい」みたいなノリになっているのを危惧します>
徳岡孝夫さんは、「理屈じゃない。男でないとダメ」といい、櫻井よしこさんは、「女系天皇を認めてしまうと、天皇を天皇たらしめてきたアイデンティティとしての血筋が途絶えてしまう」と語っている。
これら錚々たる保守的な論客に対して、例えば漫画家の倉田真由美さんは「国会で話し合うよりは、むしろ国民投票すべきだと思います」と主張しているが、女系肯定派は全体に影が薄いようだ。
私の考えは、生まれによって人の上に人をつくる天皇制という封建的な制度があるかぎり、日本に民主主義は根付かないという考えである。昭和天皇や平成天皇は人間的に尊敬するし、好きだが、天皇だからといってもわれわれと同じ人間であり、その存在自体を格別ありがたいとも思わない。天皇を神かかり的な存在に祭り上げることには反対である
天皇家は当然あってもいいが、天皇制はいらない。だから、天皇家の跡継ぎは天皇家できめればよいことで、私としては、女性でも女系でもかまわない。少なくとも女系天皇を否定する必要はない。こんなことで国民投票をするのもどうかと思う。
|