橋本裕の日記
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2005年12月22日(木) 年功をなくしてワークシェア

 私は年功序列の賃金体系を改めて、年齢に応じてではなく、仕事の内容やその成果に応じた賃金を払い、年齢では差別をしないほうがよいと考えている。ちなみに私がいうところの年功序列とは次の通りである。

(1)年齢に応じて一律に賃金を支払う
(2)年齢が若いときには低めにおさえ、毎年一定額を上げていって中高年になるほど高給を得る。

 現在の中高年については生涯賃金において不公平にならないように配慮する必要があるが、将来的には教員や公務員もふくめて、年功序列はやめたほうがよい。そうすれば若者の失業率だけではなく、中高年の失業率も減るのではないかと思う。これはワークシェアリングにもなる。

 以前、朝日新聞の「声」の欄に、「現在の教員の賃金を2割カットして、その分、若い教員を新規に採用せよ」という意見を載せた。ここに再録しておこう。

−−−ワークシェアリングで若者に希望を−−−
        2002,2,14

 高校生の就職内定率が昨年末現在で7割を切った。年度末でも過去最低を記録しそうだという。中高年に加えて、若者の就職難も深刻化しつつある。

 その対策としてワークシェアリングが考えられる。仕事を分かち合えば生産性が下がるという反対論があるが、職場によっては生産性が向上する。例えば現在の教員の給料を2割減らして、その予算で新しい教員を採用してはどうだろう。

 若い教員の給料は安くてすむので、人数にして現在の1.4倍くらいになり、1人当たりの仕事量は3割くらいは減る。しかも若い活力が導入されれば、高齢化した職場に活気がもどってくる。中高年教師も助かるし、若者も希望が持てる。

 ワークシェアリングで生産性が落ちる分野もあろうが、そのような業種が一部淘汰されることも必要だ。構造改革に必要なのは、失業対策よりも失業者対策である。

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 この投書では、年功序列の廃止にまでは踏み込んでいない。また中高年の賃金を一律にカットするというのは反発もあるだろう。しかし、若者に仕事を与え、あわせて中高年の仕事量も減らすべきだという主張はまちがっていないと思っている。

 私の現在の職場は、正規の教員15人のなかに、55歳以上が9名と過半数をしめている。20代、30代がいなくて、40代でさえ2人しかいない。ベテランばかりといえば聞こえがいいが、若い人たちを相手にする教育現場がこんな高齢化社会でよいのだろうか。若い人材を現場に入れて、学校を活性化する必要がある。


橋本裕 |MAILHomePage

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