橋本裕の日記
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毎朝NHKの朝のドラマ「風のハルカ」を楽しみに見ている。そしてこれを見終わってから散歩に出かける。そのころは太陽もかなり高くなり、日向ぼっこをしながらの散歩が楽しめる。
散歩は昔から大好きだった。歩いていると気分が爽快になる。裏町を歩くのも好きだが、町外れや田舎道を歩くのもいい。最近は運動をかねて早足で歩いている。歩いているうちに汗ばんでいる。
途中、木曽川の堤を歩いているが、数ケ月前から大工事が始まり、来年の3月まで通行止めになっている。しかし、このコースが一番の気に入だから外すわけにはいかない。
もっとも、私が歩いていても、工事現場で働いている人はだれも注意しない。むしろ「おはようございます」と声を掛けてくれたりする。私も「おはようございます」と返す。しかし、昨日、ヘルメットをかぶった男から声を掛けられた。
「通行止めになっています。迂回路の方を通ってください」 「私の毎日の散歩道です。通らせていただきます」 「工事の車が通るのであぶないですよ」 「気をつけます」 「今日だけですよ」 「明日も通らせていただきます」
相手は「困ったな」というふうに苦笑いをしていた。私も答えながら苦笑してしまった。通行禁止だと看板が出ていて、バリケードまでしてあるのに、自分の散歩道だからと押し通るのは、あきらかに私がわるい。これが逆の立場だったら、私も役目がら注意しただろう。こんな訳の分からない口を利かれたら、腹が立つかも知れない。
男を残して大股で歩きながら、私は今さらのようにあたりの風景を眺めた。大がかりな道路拡張工事のため、堤防にあった多くの桜の木が倒された。そのうち河川敷の自然林も切り倒され、きれいに整備されるのだろう。すっかり野趣がなくなり、面白みがなくなる。鳥たちも楽園を失って困るに違いない。
そして、私の散歩道もきれいに二車線に舗装され、堤防道路として大型のトラックが疾駆することだろう。工事が終わったら終わったで、私は永遠にこの魅力的な散歩道を失うことになるのかもしれない。そう思うと、一日でも長くこの散歩道をたのしみたいと思う。そういう思いが、私に自分でも苦笑するような理不尽な態度をとらせたのだろう。
(次のサイトで私の朝の散歩コースの写真を見ることができます) 「秋の散歩道」 http://hasimotohp.hp.infoseek.co.jp/top2.htm
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