橋本裕の日記
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CPILSの先生はよく宿題を出す。学校に向かうスクールバスの中でも、内庭のベンチやスタディルームでも、ノートを広げて宿題に取り組んでいる学生を見かけたし、ディプロマットホテルで隣室だったゆみも「昨日も2時まで勉強したわ」と、バスの中で眠そうに目をこすっていた。
ゆみは4週間の予定でCPILSにきたが、授業についていけないので早く切り上げて日本に帰りたいと言っていた。体調を崩して、学校を休んだこともある。「宿題が大変で、ノイローゼになりそう」というので、ゆみのノートを見せて貰ったが、几帳面な字でびっしりと書き込んであった。
「ゆみは真面目すぎるんだよ。もうちょっと肩の力を抜いて、リラックスしたほうがいいよ」とアドバイスしたが、生真面目なゆみは手を抜くことができないようだった。しかし数日もするとそんなハードな生活にも慣れて、夜のフィットネスクラブにも参加するようになり、毎朝、さわやかな笑顔を見せてくれるようになった。
私の場合は、徹底的に宿題に抵抗した。執拗に宿題を出そうとするコリーン先生に対しては、「I hate assignments. I have only two weeks. I need to play」と反抗した。あずみもペトリもジュリーも私を支持してくれた。4人の生徒の反対に出合って、さしものコリーン先生もあきらめて、次第に宿題を出さなくなった。
コリーン先生が出した宿題を紹介しよう。たとえば昨日紹介した「ロビン・フッドの物語」のときは、この文章に出てくる重要な5つの語句をそれぞれの文に用いて、ひとつながりの文章を完成せよというものだった。以下に、私の書いた文章を引用しよう。
(1)dilemma My daughter has two boy friends. One is rich. The other is handsome. They proposed to her at once. So she is facing dilemma. But she made up her mind to choose the handsome one. (This story is a fiction)
(2)imprison My daughter's handsome boy friend store a car and met a car accident. He was imprisoned.
(3)bewildered My daughter was upset and bewildered by the bad news.
(4)persuade I persuaded my daughter not to choose her boy friend only because he is rich or handsome.
(5)preconceive Not only my daughter but also many people these days are bounded to the preconceived ideas that we can't be happy without much wealth. Not what we have but what we are is important.
こうしてノートを広げ、悪戦苦闘して完成した宿題を読み返してみると、最後にコリーン先生の「Very Good!」という書き込みがあったりして、なんだかなつかしい。コリーン先生に反抗して宿題を止めさせたことがよかったのかどうか。私はかなり悪い生徒だったようだ。少しだけ反省している。
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