橋本裕の日記
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2005年10月03日(月) ロビン・フッドの物語

 コリーンの授業で聞いたテープの一つに「ロビン・フッドの物語」があった。ところが、これが私たちが知っている話とは随分違っている。ロビンフッドと息子が役人につかまる。二人を助けようと、ロビン・フッドの妻は役人に身を捧げる。

 牢獄から解放されたロビン・フッドは妻を許さず、一人孤独な旅に出る。残された息子が母親の面倒を見て一緒に暮らしたのだという。古い資料によると、実はこれがほんとうのロビン・フットの物語だという。

 例の如く、何度もテープを聞き、穴埋めをし、単語を調べ、みんなの前で朗読した後、コリーンが、「ロビン・フッドと息子と妻と役人の4人を比べて、誰が好きですか。1番から4番まで順に黒板に書いてみなさい」と指示を出した。そこで、私たち4人は黒板に答えを書いた。私の場合は次のようになった。

(1)ロビン・フッド
(2)妻
(3)息子 
(4)役人

 ロビン・フッドを1位したのは私とあずみだった。ペトリとジュリーは役人や息子を1番にあげている。二位以下までふくめると、4人ともそれそれ選択が違っていた。コリーンはそこで、私たち4人に何故この順に選んだのか説明を求めた。私は次のように答えた。

「ロビン・フッドが妻を許さなかったのは、それだけ妻を深く愛していたからだ。私は彼に深く同情する。しかし、同時に、夫と息子を救い出すために役人に身を委ねた妻の愛情も痛いほどわかる。この二人は私にとってとても愛しい存在だ。息子が好ましい人物であることはいうまでもない。役人も悪人とはいえない。結論として言えることは、みんなとても人間的だということだ」

 コリーンによればこれは一種の性格テストだという。私の場合は「考え方はいささか保守的だが、とても情にあつく、人間的に成熟していて、kindな心の持ち主だ」ということだ。あずみも「保守的だが、親切で成熟した性格の持ち主」という判定だった。

 可哀想なのは韓国人の二人だった。ジュリーは「一見理性的だが幼稚で冷血だ」という。それからペトリは「性格的に未熟であり、混乱している」という。私とあずみはこれに腹を抱えて笑った。そしてその後もジェリーがムキになると「You are childish」と冷やかし、ペトリが答えにつまると、「You are confused」と言ってからかった。

 コリーン先生はこの種の性格テストが好きらしく、それと知らずいろいろとやらされたが、結果は私とあずみの場合大方良好で、ジェリーとペトリにとっていつも気の毒なことになった。クルーな優等生のジェリーが壁にプリントを丸めて投げつけたり、冗談を飛ばしておおらかなペトリが、結果を聞くとき真顔になっていたりして、余計に面白かった。


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