橋本裕の日記
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2005年08月08日(月) 川原毛大湯滝

 昨日は宮城県境に近い秋田県湯沢市の山中にある川原毛地獄に行った。ここには一本の草も見られず、雪景色の様な白い岩肌から、硫黄や水蒸気が吹きだしている。賽の河原もかくやと思われるような死の世界である。

 山肌を歩いていくと、血の池地獄や賽の河原や三途の川などという名前がついていて、ますます不気味になる。青森県の恐山、富山県の立山とともに日本三大霊地の一つに数えられているのだという。

 この地獄の中を30分も降りていくと、やがて緑の渓流にぶつかり、生き返ったような心持ちになる。その美しい渓流にそって15分も歩くと、露天風呂として有名な川原毛大湯滝が見えてきた。

 約20mの高さからお湯が落下していて、これは日本一の湯滝だそうだ。滝は大小三つに別れていてそれぞれの滝つぼが天然の露天風呂になっている。そして湯壷から流れ出した渓流も温泉である。

 すでに二十名ほどの男女が水着姿で三つの滝壺や渓流につかっていた。私と渋谷さんはあいにく水着がないので、岩場ですっぽんぽんになって一番大きな湯壷に入った。湯加減はちょうどよい。滝の湯しぶきがかからぬところに移動して、しばらく旅の疲れを癒した。

 渋谷さんはさらにすっぽんぽんのまま湯壷を這いだして、岩場を登り、さらに上の湯壷にまでつかりに行った。そのあとも渓流に降りて身を沈めたり、すっかり有頂天になって楽しんでいる。もうすぐ還暦だというのに、子供のようである。

 私は中年の熟女はさておき、中学生や高校生の乙女たちの前で、とてもそこまで無邪気になれない。そうでなくても、私たち二人は、もうずいぶん恥知らずのへんなおじさんだと思われている。私は頃合いを見て衣服を身につけ、あとは澄ました顔をして、あたりの風景を眺めていた。

 大湯滝友と我のみ裸にて
 子供にかえる自然はたのし


橋本裕 |MAILHomePage

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