橋本裕の日記
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2005年08月04日(木) 東北への旅

 青春切符が4枚残っている。さて、どこへ行こうかなと楽しい思案をしていると、秋田県横手市に住んでいる友人の渋谷さんから突然電話がかかってきた。渋谷さんは大学院時代の先輩で、もう20年以上もあっていない。

「げんきでやっているかね。どうや、遊びにこんかね」
「なつかしいなあ。それじゃあ、お言葉にあまえて・・・」

 というわけで、今日から急遽、東北地方へ4泊5日ほどの旅することになった。4泊といっても二泊は車中である。今日の夜23:47名古屋発の快速ムーンライトしなの号に乗れば、明日の朝4:42に東京に着ける。東京から普通や快速列車を乗り継いで、友人の住む秋田県の横手市に17:34に着く予定だ。帰りも東京から快速ムーンライトにのる。

 去年の夏には、やはり青春切符を使って一気に下関まで行った。今回は秋田県まで行くわけだ。かなり強行軍だが、これがまた楽しい。交通費も片道二千数百円ですむ。今回は友人の家に泊まるわけだから、宿泊代もいらない。4泊5日の旅が1万円でおつりがくるわけだからありがたい。

「行きたいところがあるか」と訊かれたので、真っ先に「花巻」と応えた。花巻は宮沢賢治のふるさとである。北上川の河畔を散歩し、イギリス海岸や宮沢賢治記念館を訪れてみたい。 また、石川啄木のふるさとである森岡や渋民村にも足をのばしてみたい。

 不来方のお城の草に寝ころびて
 空に吸われし
 十五の心     (啄木)

 旅に先立って啄木の短歌を読み直してみた。啄木の短歌の特徴は、読み手である自分を小説の主人公のようにドラマチックに歌い上げることだろう。啄木の自己愛で濃厚に演出された世界だが、そこに読み手は自然に導かれる。天才だなとしみじみ思う。

 賢治の「イギリス海岸」も読んでみたが、これも面白かった。なぜ、北上川の河畔がイギリス海岸なのかよく理解できた。どうじに賢治の知識量の大きさと深さには脱帽した。賢治はすぐれた科学者の資質をゆたかに持っている。これは科学エッセイとしても一級品だ。

 というわけで、明日からしばらく日記をお留守にする。旅から帰ったら、「旅日記」を一気に公開することにしよう。

(参考サイト)
http://why.kenji.ne.jp/


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