橋本裕の日記
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2005年03月27日(日) 金沢を散歩する

 昨日は11:39に福井着。ヨーロッパ軒で昼食をすました後、しばらく実家の近くの公園で時間を潰してから実家に寄った。食事中だと悪いからね。玄関をあけて「こんにちは」というと、「まあ、あなた、よくきたわね」と母が相好を崩して私を迎えてくれた。

 あいにく弟は外出中だったが、弟の嫁さんもいて、母と一緒に次女の成人式の写真やタイ旅行の写真を見てもらった。そうして2時間ほどよもやま話をしたあと、福井駅に向かった。

 予定どうり、15:40福井発。17:03金沢着。金沢駅ビルの中にある「サンライズ」という店に入って、ミックス丼を食べた。カツとエビが両方はいって800円だった。うまかった。そのあとホテルまで10分ほど歩いた。チェックインして身軽になったところで、夜の金沢の街を散歩した。

 武蔵が辻を通り、香林坊まで30分ほどだった。犀川大橋まで行って、引き返した。週末ということで、夜の街角にはカップルの姿が目立った。ファッショナブルな若い女性の幸福そうな姿をみていると、何だか生きているのが楽しくなる。見ているだけで満足できるのは、年輪と修練のせいだろう。お金がなくても、人生はいくらでも楽しめる。9時近くにホテルに戻り、そのままぐっすり眠った。

 今日は4時過ぎに起床。朝の読書をしたあと、朝7時にホテルを出て、金沢駅まで歩いた。駅前のホテルで朝食バイキングをしていたので、そこにはいることにした。千円は少し高いと思ったが、今日は一日歩くことになるので、朝をしっかり食べておこうと思った。昼の分も食べるつもりで、あるだけたらふく食べた。

 駅前から浅野川まで約4キロメートルを1時間ほどかけて歩いた。途中武蔵が辻を通り、近江市場の前を通る。大学時代、私はその辺りを朝刊と夕刊を配っていた。30年ほど前に名古屋に引っ越すときに大量に蔵書を持ち込んだ古本屋も残っていてなつかしかった。浅野川のほとりを歩き、かって大学のあった城跡に行った。

 うらうらと照れる春日に金沢を
 ひとり歩けり思い出の道

 金沢の清きながれよ浅野川
 せせらぎ聴きて若き日想ふ

 城跡の丘にのぼれば白き山
 青き山見ゆふるさとの街

 そのあと、犀川まで歩いた。かって私がしたように河原に寝ころんで瀬音を聞いた。空はよく晴れていて、雲ひとつない。春の陽射しはやはらかく、ややひんやりした川風も、歩いて汗ばんだ私の頬や首筋には気持がよい。

 ふと、こんなことを思った。なぜ、旅をしたくなるのか。それは一人旅が私を詩人にしてくれるからだ。日常の生活の中で枯渇していた詩心を甦らせ、私の胸を清らかな流れで潤してくれるからだ。そうすると新しい命が甦り、世の中が違って見える。小鳥の鳴く声や、風の音まで違って聞こえてくる。

 スーパーでパンと牛乳を買って、桜橋を渡り、街が一望できる対岸の高台のベンチで食べた。民家の瓦屋根やビルの向こうに城跡や兼六園の森が見え、さらに卯辰山、そしてそのむこうに雪山がみえた。大学生の私はこの景色を毎朝眺めなら通学していたわけだ。

 その通学路を何十年振りかに歩いた。やがて神社が見てきた。その前に、私が金沢に来て2年間下宿していた家がある。外装は変わっていたが家はそのまま残っていた。表札もそのままだった。てぶらでやってきたので挨拶はしないでそのまま引き返した。

 そのあとバスで金沢駅まできて、北鉄電鉄に乗り換えて、内灘へ行った。アカシア林だったところが住宅街になり、むかしの風情はない。海にはヨットが浮かび、海岸は若いサーファーたちで溢れていた。金沢で一番変わったのは、この海かも知れない。夕日が海に落ちるのをのんびり眺めるつもりだったが、予定をかなり早めて、内灘を後にした。


橋本裕 |MAILHomePage

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