橋本裕の日記
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旅行のことを英語でトラベルという。トラベルとトラブルは似ている。おそらく語源は同じなのだろう。つまり、旅にトラブルは付き物だということだ。私たち一家のタイ旅行でも、トラブルらしいことはいろいろとあった。なかでもかなり深刻だったのは、二日目の夜のショッピングと、帰りの空港でのドタバタである。
二日目の夕食の後、ホテルへ帰る途中、娘達は買い物をしたいというので、伊勢丹デパートの前で車から降ろして貰った。そこから私たちの宿泊している84階建てのホテルがライトアップされて大きく目と鼻の先に見えた。これなら迷うこともない。
ガイドさんにも帰って貰うことにして、私たち一家4人で夜のショッピングを楽しむことにした。これはタイに来てはじめての体験である。はじめは4人で歩いていたが、やがて娘二人が遅れがちになった。
私は疲れていたので早くホテルに帰り、お風呂に浸かりたかったが、娘達は夜の屋台が珍しいのか、熱心に買い物をしている。そこで、娘達を残して、私たち夫婦だけ先に帰ることにした。
ホテルは直ぐそこに見えているし、迷うことはないだろうと考えた。ところが、実際歩いてみると、ホテルまでかなりあった。しかも9時を過ぎて、ホテルの近くの屋台が店じまいを始めた。人気が急速になくなりつつある。
「だいじょうぶかしら」 「早く帰ればいいのにな」 「迎えに行きましょうか」 「なに、子供じゃないんだから」
私は妻を促してホテルに戻った。さっそく風呂に入って汗を流した。それからベッドに潜り込んだ。時計を見ると10時を過ぎている。早く寝たかったが、娘達の部屋を覗きに行った妻が、私の枕元に来た。
「帰ってこないけど、どうしょう」 「そのうち帰ってくるさ」 「のんきなことを言って、マフィアに売り飛ばされたらどうするのよ」
妻は何だか悪い予感がするという。妻の不安は私にも伝染してきたが、私は睡魔に襲われていて、ベッドから抜け出す気にはならなかった。妻が「迎えに行ってくるわ」と、一人で出ていった。
それから、5分もしないうちにドアのチャイムが鳴り、欠伸をしながら出てみると娘達だった。「お母さんが迎えに行ったよ」というと、「ほんと、うそでしょう」と二人とも信じようとしない。「お前達が遅いから、心配したんだ」と腹が立ってきた。
今度は娘達が妻を捜しに行くという。私はベッドに戻ったものの、すでに睡魔は撤退していた。そこで、私も着替えて妻を捜しに行くことにした。エレベーターを途中で乗り換え、1階に降りたところで、登りのエレベーターを待っている妻や娘達と鉢合わせをした。
数分ずれていたら、また行き違いになるところだ。こうして無事に事件は落着したが、早々とベッドに入り、娘達をさがしに行こうともしなかった私は、家族の目にはかなり冷淡な父親に写っていたにちがいない。
もう一つトラブルを上げるとすれば、帰りの空港であせったことだ。オカマショーが予想外に長引き、しかも空港までの道が大渋滞していた。ガイドさんも運転手も慣れているのか落ち着いていたが、私たちは飛行機に乗り遅れるのではないかと心配だった。
しかも、空港の中も混雑していた。手続きをしようにも、長い行列が幾重にも蛇行して繋がっているのでどこに並んだらよいのかわからない。日本語が通じないので大変だった。並んでいても、急に列が動かなくなり、クローズの標識が出たりする。荷物審査が追い付かなくなり、ラインがストップしたためらしい。それをみて、荷物を抱えてあわてて移動しなければならない。
ガイドのイイトさんはそうしたドタバタに最後までつき合い、アドバイスをしてくれた。おかげで私たちは時間内に搭乗手続きを済ませることができたが、大勢の人が時間に間に合わなかったようで、飛行機の出発時間がかなり遅れることになった。空港には早めに着いて、ゆとりをもって行動したいものだと思った。
(「何でも研究室」に「タイ家族旅行」 http://home.owari.ne.jp/~fukuzawa/tai.htm を加えました。こちらの方には写真が載せてあります。ぜひ、ご覧下さい)
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