橋本裕の日記
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2005年03月13日(日) タイの学生は勉強をしない?

 実質3日間のタイ旅行だったが、専属のガイドと運転手つきの旅だったので、かなり効率よく回れたのではないかと思う。それでも日本に帰ってガイドを読み直していると、ここにも是非行ってみたかったと思うところがある。

 そのひとつがラマ一世通りにあるサイアム・スクエアだ。観光ガイドを読むと、ショッピングセンターや映画館、レストランが軒を連ね、高感度なショップができると書いてある。タイの有名大学も近くにあり、若者達にも人気のエリアのようだ。

 ラマ一世通りは何度も車で往復しており、サイアム・スクエアの前も通っている。ガイドさんも「このあたりに有名大学や高校、中学があります。ほら、あの制服のお嬢さん、大学生です」などと、街角を指さしていた。

 白いブラウスとチェック柄のスカートを穿いた少女は、日本の私立高校の女生徒と見まがうようだったが、スカート丈はそんなに短くはない。背筋をしっかり伸ばして、凛とした表情はいかにもエリートの女子大生という感じだった。

 もっともガイドさんの話によると、タイの大学生はほとんど遊んでばかりいるという。学費は親が出してくれるので、アルバイトもあまりしないようだ。親の金で大学に通い、勉強をしないのは日本の大学生も同じだ。

 ガイドのイイトさんは高校を出た後、働きながら自分で学費をつくり夜間の日本語専門学校に通った。そこを卒業してからガイドを始めたのだという。ガイド歴5年だというが、押し出しも堂々としていて、もうベテランの域だ。

「結婚されているんでしょう」という妻の質問に、「いいえ、まだ独身です。今は仕事が最優先です」と答えていた。途中、わからない日本語があると、手帖を出して書き留めている。たとえば私が「しおり」という言葉を使ったとき、手帖を差し出して「綴りをお願いします」と言った。彼女の手帖を覗くと、そこにたくさんの日本語が漢字交じりで書いてあった。

 イイトさんがタイの大学生は勉強しないと強調するのは、自分を基準にしているからだろう。彼女の日本語はなかなかのものだし、ここまで来るには血のにじむような努力もしたのだろう。それだけに、ぬくぬくと親の金で大学に通い、遊んでばかりいる大学生を快く思っていないようだった。

「タイの人はみんな愚か者です。だから商売もできません。中国人はとても頭がいい。だから、会社の社長さんは中国人です。タイの人は使われているだけです」

 イイトさんはもっとタイ人も勉強して、独立独歩で国の経済や政治をになう人材にならなければならないと考えているのだろう。ところがタイ人はあまり勉強しない。それがタイ人が貧しさを逃れられない原因だと考えているようだ。

 タイの国際学力検査の結果をみると、読解力も科学リテラシーも40ケ国の中の32位である。TOEFL総合点では151国中で125位である。日本や韓国、シンガポールなどが上位を占める中で、タイの学生の成績はふるわない。そして国際学力検査の結果と一人当たりのGDPの国際順位との間には相関があることがわかっている。

http://dataranking.com/country.cgi?LG=j&CO=206

 タイの学制は日本と同じで、6.3.3.4制である。バンコク市内の学校はちょうど日本の夏休みにはいったところだった。これが2ヶ月間ほどあるということだった。しかし、アユタヤの学校ではまだ授業をしているところもあった。そうした学校の傍らを通るたびに、どんな教育が行われているのか興味をそそられた。


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