橋本裕の日記
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2005年01月22日(土) ブッシュ帝国の野望

1月20日に、いよいよ2期目のブッシュ政権がスタートした。ワシントンで行われた就任戦説で、ブッシュ大統領は「全世界に自由を拡大」をと訴えた。そして、「すべての国で民主化運動の拡大を支え、世界の圧政を終わらせる」ことを誓った。

 後世の人がこれを読めば、アメリカこそが世界のお手本となる「自由と民主主義」の国、圧政から解放されたすばらしい理想の国であり、ブッシュはその偉大な指導者のように思うに違いない。あるいは、世界に愛と平和の福音をとく崇高な伝道師のように思うだろう。

 しかし、同時代に生きている私たちは、そうした絵空事に騙されたりはしない。就任式は熱烈な歓迎ムードにつつまれたが、その理由は会場にブッシュ賛成派のみが行くことが許されたからである。そのために、約1万3000人もの警察と軍が動員され、ホワイトハウス周辺の道路は封鎖された。

 こうしたものものしい警戒態勢のもと、就任式会場の周りに行くことが許されなかった人々は、周辺で大規模のデモを展開した。その際、警察によって催涙スプレーが使われ、少なくとも10人が拘束された。これが「自由と民主主義の国アメリカ」の現実である。

 ルイジアナ州ニューオーリンズでは、「民主主義の葬儀」と題した行事が開催され、約1500人が参加し、ジャズに合わせて行進するニューオーリンズ式の葬儀を模して、合衆国憲法が書かれた棺を先頭に市内を練り歩いたのだという。

 スマトラ沖地震の津波被害を受けて、ブッシュ大統領はさっそくジェブ・ブッシュ・フロリダ州知事を被災地域に派遣した。このことからもわかるように、2期目をむかえたブッシュ政権のねらいは、ずばり、弟を後継者として次期大統領にすることだ。アメリカの大統領職をブッシュ家で世襲化しようというわけである。

 そのために、ブッシュはこの2年間の間に、さらに思い切った手を打ってくるだろう。かってローマが共和制をやめて帝政になったような変化が、民主主義を標榜するアメリカでおきるのではないだろうか。民主主義が容易に独裁制をうみだすことは、プラトンがすでに「国家論」で予言している。

 すでにブッシュ家は石油産業と軍需産業をおさえ、金融をも支配しようとしている。テロの恐怖を背景にして成立した愛国法に基づき国民への監視体制を着々と構築しているので、やがてアメリカのメディアもブッシュ王朝支配の道具として機能するようになるだろう。

 そのとき日本は名実ともにアメリカ帝国の属領である。日本の一部のエリートはアメリカ帝国の市民権を得て、我が世の春を謳歌することだろう。そのころはアメリカ国旗に礼拝しないと、帝国の敵として密告されたり、処分されることになるかも知れない。こうして歴史は、歴史を忘れた人たちの手によって、何度でもくりかえされる。


橋本裕 |MAILHomePage

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