橋本裕の日記
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2004年12月29日(水) なぜ、コマは倒れないの?

 今日は「橋本流親子対話塾」の4回目である。「なぜ、コマは倒れないのか」というテーマで、子供と対話してみよう。

子「お父さん、今日は僕が手品を見せてやるよ」

父「おやおや、これはびっくり、コマが逆立ちしたぞ」

子「逆立ちコマって言うんだって。A君が仲直りのしるしにくれたんだよ。でも、おかげで、また謎がふえちゃった。ねえ、お父さん、どうしてコマは倒れないのかな。やっぱり、遠心力なの?」

父「まあね、結論を言えば遠心力なんだが、これは少し、説明がむつかしいぞ。そうだ、振り子で実験してみようか」

子「このあいだのフーコの振り子でいいね。ここにあるよ」

父「コマが不思議なのは、回転させると立つことだね。そして回転がなくなると、倒れてしまう。なぜ、回転がないと倒れるのかな」

子「重力があるからでしょう」

父「そうだね。重力に引かれて、重心がいちばん低くなるんだ。振り子の場合も同じだね。回転がないと、まっすぐ下に垂れているね。ところが、水平方向に回転させると、ほらこのとおり、重心の位置が上がってくるだろう」

子「ほんとだね。コマと似ている」

父「回転によって重心が上がるのは、水平方向に遠心力が働くためなんだ。振り子の重りには重力と糸の張力の他に、この遠心力が働くわけさ。そしてこの3つの力が釣り合った高さのところで、重りは回転運動をするわけだね」

子「そうか、コマも回転することで水平方向に遠心力が生まれているわけだね」

父「実際の運動は<歳差運動>というのがあって、もう少し複雑なんだが、わかりやすく言えば、回転から生まれる遠心力によってコマは立っているわけさ」

子「でも、逆立ちするのはどうしてかな」

父「振り子だって、逆立ちできるよ。ほら、みてごらん」

子「ほんとだ。お父さんの頭の上で振り子が回っている。振り子の逆立ちだね」

父「ものが回転すると、不思議な現象が現れてきて面白いね。<遠心力>ってやつは、なかなかの魔術師だろう」

子「遠心力を利用すると、いろいろなことができそうだね。月が落ちてこないのも、自転車が倒れないのも、みんな遠心力のおかげだものね」

父「身近なところでは、ピッチャーがボールを投げたり、ハンマー投げで遠くへ飛ばすのも遠心力だよ。洗濯機の脱水機もそうだね」

子「回転を利用してして、遠心力でものを遠くへ飛ばしたり、水分をとったりするだね」

父「体温計の温度を下げるときに、逆さに振ったりする。君はトイレから出たとき手をふっていたね。あれも遠心力の実験かな?」

子「真似をしているだけだよ。面倒くさがり屋の誰かさんのね」

(参考文献)
「コマの科学」 戸田盛和著 岩波新書


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