橋本裕の日記
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2004年12月27日(月) 地球はほんとうに回っているの

 今日は「橋本流親子対話塾」の2回目である。「地球はほんとうに自転しているのか」というテーマで、子供と対話してみよう。

父「おや、今日は元気がないね」

子「学校でA君と喧嘩したんだよ。僕がなぜ月が落ちてこないか話をしたんだ。それから、太陽のこともね」

父「それはよかったね。それでみんな納得したかい」

子「遠心力のことはね。でも、A君が地球が太陽のまわりを回っているのは間違いだと言い出したんだ。太陽が地球の周りを回っているほうが正しいっていうんだよ>

父「太陽がまわっているという考え方を<天動説>というんだ。それに対して、地球が回っているという考え方を<地動説>とよんでいる」

子「聞いたことあるよ。お父さんは<地動説>が正しいと思っているんでしょう。どうして、そう思うの」

父「地動説が正しいという証拠はいろいろあるんだよ。しかし、今日は、地球が太陽の周りを回っているかどうかはおいておいて、<地球は自転している>ということにしぼって考えてみよう。一度に二つのことを考えると、頭が混乱するからね」

子「たしか、<公転>と<自転>があったよね。そうか。太陽や星が回転して見えるのは、地球が<自転>しているからなんだよね」

父「うん。問題は<自転>のほうなんだね。地球が自転していると考えると、太陽や月や星が回転して見えることの説明がつくだろう>

子「たしかに説明はつくけど、それはひとつの考え方であって、正しいことの証明にはならないでしょう。A君はなっとくしないよ」

父「君はメリー・ゴーランドに乗ったことがあるだろう。どんな気分だった」

子「周りの風景が回転してみえたよ。なんだか目が回りそうだった」

父「地球を大きなメリーゴーランドだと思えばいいんだ。だだ、その回転はとてもゆっくりしている。だから目が回らないし、自分が回転していることさえわからないわけだ」

子「そのたとえは、よくわかるよ。でも、それは証明じゃないでしょう。やっぱりA君はなっとくしないと思うな」

父「そうだよね。たとえばなしは証明ではない。しかし、このたとえから、地球が自転していてもおかしくないことはわかるだろう。昔の人は、まずこの段階で拒絶反応をしめしたんだよ。回転していたら大変なことになるんじゃないかってね」

子「その点はA君もなっとくするよ。ゆっくり回転すれば、それほど混乱はおこらないと思うよ」

父「よし、そこで、いよいよ地球が自転していることの証明だけど、君が科学者だとしたら、どうやって地球の自転を証明するかな」

子「わからないな。何か、ヒントがほしいけど・・・」

父「ヒントは<なぜ、月は落ちないか>だな。その理由は何だったかな」

子「月が回転していると<遠心力>がうまれるから」

父「そうだったね。回転すると遠心力がうまれる」

子「そうか。わかったよ。自転も回転だものね。つまり、<遠心力>を測定すればいいんだね」

父「そうなんだよ。地球の自転による遠心力をコレオリの力と呼んでいるんだ。地上で物体に働く力を計ってみると、重力の他にこの力がはたらいているのがわかるんだよ」

子「それって、ぼくでも測定できるかな」

父「測定するのはむつかしいけど、<存在>を証明することはできるよ。たとえば糸に重りを着けた振り子を振らせておくと、いつのまにか回転の方向がかわっているんだ」

子「それはコレオリの力のせいなんだね。地球が自転していることの証拠になるんだ」

父「そうだよ。1851年、フランス人のフーコーという科学者が、一般の人々の前で振り子を振らせて、地球が自転していることを証明してみせたんだ。このとき彼が使ったのは、長さ67mの大振り子だったんだよ。皇帝ナポレオン3世からパリのパンテオン寺院を借りての大実験で、人気があったため1855年の万博でも公開されたんだ」

子「人々はその巨大な振り子をみて、地球が自転していることを実感したんだね」

父「フーコーの振り子といわれるこの実験は、今は世界中で行われているんだよ。博物館などで毎日公開で実験しているところもあるしね。お父さんも中学生の頃、教室で理科の先生が実演してくれたよ。どうだ、これでほんとうに地球が自転しているのがわかっただろうって、その若い先生は得意満面だったね」

子「明日教室でその実験をしてみるよ。今からその練習するから手伝ってくれるよね。お母さんに糸を借りてくるから、お父さんは重りをさがしておいてね」

(参考サイト)
http://www.sci-museum.kita.osaka.jp/~yoshiya/foucault/


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