橋本裕の日記
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2004年12月26日(日) なぜ、月は落ちないの?

 渚のバラードさんの日記「息子と共に」を読んでいて、私も理科や算数の問題について対話がしてみたくなった。子供の目から見れば、世の中は不思議に満ちている。そこで、子供の質問に、私だったらこう答えるという、橋本流「親子対話学習塾」をこれから暇を見て連載してみよう。第一回目のテーマは「なぜ、月はおちないの?」である。

子「不思議に思っていることがたくさんあるんだけど、きいてもいい?」

父「一日にひとつだけだよ。君はときどきとまらなくなるからね」

子「わかっているよ。ひとつだけだったら、今日はお月さまのことをきくよ。リンゴが地面におちるのは、地球とリンゴのあいだに引力が働いているからでしょう」

父「ニュートンという人は、リンゴが落ちてくるのをみて、すべての<もの>と<もの>との間には引力が働いていることを発見したといわれているね。ものが落下するのはこの万有引力という力のためなんだ。ニュートンはそこで、月と地球のあいだにもこの力ははたらいていると考えたんだね」

子「リンゴも月もおなじ物体だとかんがえたわけ?」

父「まあ、そういうことだ」

子「だったら、どうして月は落ちてこないの」

父「それは空に円い天井があって、そこにくっついているからだよ。天井の蠅が落ちてこないのと同じだね」

子「ぼくは信じないよ。月は地球の周りを回っているんでしょう。学校でならったよ」

父「そうだった。月は地球の周りを回っているんだったね。これを月の<公転>ていうんだけど、実はね、月が落ちてこない理由は、これなんだよ」

子「地球の周りを回転していると、どうして落ちてこないの」

父「回転している物体には、外側に別の力が働くからさ。これを、<遠心力>というのだよ。この遠心力と引力がつりあって、月は地面に落ちてこないんだ」

子「どうして回転していると力が生まれるの?」

父「それは、<世の中がそんなふうにできている>と答えるしかないね。でも、遠心力はだれでも作り出せるんだよ。さあ、お父さんの手を握ってごらん。お父さんの周りで回転すれば、月になった気分があじわえるよ」

子「ほんとうだね。外側に引っ張られるよ」

父「お父さんが君を引いている力と、その遠心力がつりあっているから、君は回転し続けるんだよ。もう、やめよう。目が回りだしたよ」

子「大丈夫?地球の気分は味わえた?」

父「地球も楽じゃないね。どうだい、月がなぜ落ちないか、なっとくできたかい」

子「うん、そうすると、人工衛星が落ちてこないのもそのためなんだね。それから太陽が落ちてこないのも同じことかな」

父「人工衛星は地球の周りを回っているからね。でも、太陽はどうかな。たしか、地球が太陽の周りを回っているんだったよね。」

子「そうか、太陽が地球に落ちてこないのではなくて、地球が太陽に落ちていかないのだね。それは、地球が太陽のまわりをまわっているからなんだ」

父「すばらしい推理じゃないか。ところで、もし、地球の引力がなくなったら、月はどうなると思う? 実験してみようか。手を出してごらん」

子「いやだよ。痛い目にあいそうじゃないか」


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