橋本裕の日記
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2004年12月15日(水) 選挙ができない国

 地球上に存在する100あまりの国を、選挙制度がある国とない国でわけることができる。たとえばかってのイラクは共和国で選挙制度があった。しかし、サウジアラビアやクウェートは君主国で、選挙制度はない。

 しかし、選挙制度がある国でも、公正な選挙ができる国と、そうでない国がある。サダム・フセインが独裁していたイラクで公正な選挙ができたとは思えない。それではイラクを攻撃したアメリカはどうか。

 森田実さんに言わせれば、アメリカもまた公正な選挙ができない国だという。最近の大統領選挙の混乱を見ていると、たしかにそうかもしれない。今回の選挙のとき、民主党は危機感を覚え、EUに選挙監視団の派遣を要請したそうだが、EUはさすがにこれには応じなかったらしい。

 森田さんに薦められて読み始めたデービッド・カラハンさんの「うそつき病がはびこるアメリカ」には、そうしたアメリカの恐るべき現状がなまなましくレポートされている。弱肉強食社会の末路がありのままに描かれている。

<公正さも誠実さもなくしてしまった。もうこの国では正直者は生き残れない>

<いまやアメリカでは、あらゆる人がうそをつき、ズルをしている。罪悪感はほとんどない。理由はただ、「みんながやっているから」。そうしないと生き残れない、極端な競争社会になってしまったのだ>

 アメリカはイラクに民主国家にするというが、そんなお節介を焼いている場合だろうか。まずは自分の国をしっかり立て直して欲しいものだ。もっともそれができないので、強引にイラクに攻めていったりしたのだろう。

 ところで、選挙ができない国といえば、大統領選のやり直しが決まったウクライナがある。選挙戦中の9月、野党候補のユシュチェンコ氏は秘密警察の長官と会食した後、体調を崩した。顔の皮膚が腫れ上がり、容貌まで一変した。

 オーストリアの病院で検査した結果、体内から通常の1000倍をこすダイオキシンが検出された。毒を盛られた可能性が濃厚になってきた。これまで「ウイルスによる病変」だとしたきたウクライナの検察も、ようやく捜査に乗り出したようだ。

 ウクライナでは、4年前に反体制派の記者が失踪し、首なし死体で発見された。殺害を指示したクマチ大統領の肉声とみられるテープが見つかったが、結局うやむやのうちにもみ消されてしまった。

 そのほか、この数年、ウクライナでは不審な事件が続いている。野党指導者2人があいついで交通事故にあい、一人は死亡している。これも「事故」の真相はわからずじまいに終わっている。背後にクマチ大統領や、ロシアの保安機関の存在を指摘する声もある。

 プーチン大統領は、選挙のやり直しを求める野党や欧米諸国を批判し、「自分が欲しい結果がでるまで、何回でも選挙をやり直そうとするのか」と怒りをあらわにしたという。やりなおし大統領選の行方が気になるところだ。


橋本裕 |MAILHomePage

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