橋本裕の日記
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| 2004年10月30日(土) |
森の文化を継承しよう |
1890年12月ウンデッド・ニーの虐殺により、白人によるインディアン戦争は終結したといわれている。北アメリカ大陸に推定で1000万人いたといわれるインディアンも、この年には25万人にまで減っていた。ナチスに虐殺されたユダヤ人600万人に劣らない数字である。
こうしてアメリカを支配した人々は、森を切り開き、畑や牧草地にした。木材で教会や町を作り、あるいは商船や軍船をつくり世界に乗りだした。この数世紀で、広大なアメリカ合衆国はほとんど丸裸になってしまった。
インディアンを滅ぼした白人は、こんどはアフリカから多量の奴隷を輸入した。アフリカでは奴隷商人による原住民狩りがおこなわた。この結果、アフリカの人口は激減している。明治大学の入江隆則教授は西欧の近代主義を批判して、次のように書いている。
「スペイン人が現れる前には、中央アメリカの推定人口は7千万人から9千万人はいたとされているが、私がすでに書いたようにスペイン人の侵入のわずか一世紀後には、350万人に激減している。またこれも推定であるが、3千万人から6千万人に及ぶ黒人奴隷がアフリカからアメリカ大陸に連れ去られ、その三分の二が航海途上で死亡して、大西洋に捨てられたといわれている」
こうしたことは、人類史で繰り返されてきたことである。ヨーロッパを支配したローマは、同様にして森を滅ぼし、原住民であるケルト族をヨーロッパから消滅させた。そして後世の歴史家はこれを文明の勝利という。
目を日本に向けてみると、この国でも先住民である縄文人と弥生人の対立や抗争はあった。しかし、日本では森の徹底した破壊はおこなれなかった。むしろ二つの文明は長い年月をかけて、ゆっくりと習合し、多様性を残しながら共生してきた。
森を尊ぶ原住民の文化は、いまだに私たちの習俗の中にも、こころのなかにも残っている。これが日本文化のすぐれた点である。このゆたかさを継承し、将来に生かして行くことが、私たちに求められている。
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