橋本裕の日記
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| 2004年10月28日(木) |
活用されない学校図書館 |
昨日は一日、勤務先の高校へはいかず、愛知県図書館研究会に参加した。そこである分科会の世話人を任され、不慣れな体験をしたので、精神的に少し疲れた。分科会では、愛知県の3つの中学校の先生が図書館利用の現状を報告し、それを受けて活発な質疑応答が続いた。
発表した3人の先生方は、30代の女性教諭で、パソコンを駆使し、なかなか歯切れがよかった。壁に写し出された液晶ビジョンの映像も明るく、室内灯をつけたままで鮮明に見える。一昔前のOHPとは雲泥の差である。
私は世話人として、部屋の後ろで黙って聞いていただけで、発言はしなかった。質問が途絶えたら、一つ二つ質問したいことがあったので挙手しようと身構えていたが、結局、その機会はなかった。
最初の打ち合わせでは、発表者の人たちも「そんなに時間がいりません」と控えめで、予定よりもかなり早く終わるかも知れないと思っていたが、結局予定時刻を延長し、他の会場が大方終わっても、しばらく発言が続いていた。
学校図書館をどう活用したらいいのか、それぞれの中学校の現状が報告され、活用に向けた様々なアイデアが紹介されたが、私が驚いたのは、どこの中学校でも、開館時間は昼休みに限られているということだった。
その時間は長くて20分、学校によってはわずか15分だけだという。放課後も開館しているものだと思っていたので、これはとても意外だった。せっかく立派な施設があり、大量の書籍が毎年購入されているというのに、これでは宝の持ち腐れではないかと思った。
私が質問したかったのは、放課後の開館がなぜできないか、ということだった。会場にいる中学校の先生方や司書の人たちからは、こうした開館時間についての疑問や質問がなかったが、議論を聞いている中で、その理由はおおよそ見当がついた。
それは放課後はすべて、部活の時間だという前提があるということだ。だから臨時の図書員会も放課後ではなく、昼休みに行っているらしい。図書委員もどこかの運動部に属しているので、放課後にはそちらに参加する。「部活最優先です」という発言が何度か聞かれた。
当然、図書館担当の教諭もどこかの運動部の顧問をしているわけで、図書館は施錠されることになる。司書も常勤ではなく、週に数日のパートタイマーで、業後図書館を開館するだけのマン・パワーはないようだった。
昼休みにせっかく図書を借りに来ても、予鈴のチャイムに追い立てられ、借りられないで帰っていく生徒もいるらしい。図書館をいかに活用するかというテーマで議論は続いたが、正直言って、これでは図書館の活性化は難しいのではないかと思った。
年間に何冊本を読んだかというアンケートの結果が紹介されていたが、ほとんどの生徒が数冊以内で、図書館の本を一冊も借りたことがない生徒が多かった。こうした現状をどう打開したらいいのか、いろいろ工夫をされているようだったが、開館時間の延長や、人材の確保に向けて働きかけ、校内の教師たちの意識改革を進めることも必要だろう。
私は中学時代、卓球部の部活に毎日参加していたが、ときには部活を遅刻してでも、学校の図書館に行って、本を読んだり借りたりしたものだ。部活最優先ということではなく、文武両道が可能だった。正直言って、今の中学校の不自由な雰囲気に、私はとても息苦しさを覚えた。
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