橋本裕の日記
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| 2004年09月06日(月) |
小さな政府の大きな借金 |
財務省が国の財政状況を、年収650万の平均的な家庭にたとえて説明している。それによると、ローンの残高が6800万円で、返済額は年間250万円に達している。使えるのは400万円しかない。
ところが支出を見ると、生活費が675万円もかかるるうえに、お金を貸してくれという親や親戚親兄弟がいて、彼らへの仕送りもしなければならず、結局あらたに毎年520万円も借金をしなければならない。これではいずれ、一家は破産する。
それではどうしたらよいのか。収入を増やすべく、もっと働く必要がある。しかし、世の中が不景気なのでなかなかそうもいかない。そこで、教育費や医療費を減らした。親たちへの仕送りもカットした。こうしてどんどん財政規模が縮小していく。
一家の主は何を考えているのだろう。「なあに、そのうちに景気が良くなれば収入が増えるさ。あと10年もすれば借金しなくてすむようになるだろう。それまでの辛抱だ」と楽観的だ。しかし、膨らむ一方のローンを見ていると、子供たちは未来に不安を覚えないわけにはいかない。借金を子どもの世代に押しつけようとする親たちはあまりに無責任ではないか。
04年度の政府予算は82兆円だが、税収は45兆しかない。残りの36兆円あまりを国債という借金で賄っている。国債残高が483兆円あり、これに地方の長期債務を加えると、国民の債務合計は719兆円になる。これはGDPの1.6倍である。さらに特別会計まで含めれば債務合計は1000兆円を超えている。
歳出が82兆円もあっても、借金の返済に必要な経費を差し引けば、使える分は限られてくる。しかも、この先、借金の返済に占める割合がさらに増えそうだ。東京大学教授(財政学)の神野直彦さんは、8月12日の朝日朝刊で、<日本の財政には、税収面での「小さな政府」が「大きな赤字」を抱えている矛盾がある>と言う。
借金が増えれば増えるほど、「小さな政府の大きな借金」という矛盾が深まっていく。この悪循環から抜け出すにはどうしたらよいか。神野さんは大型公共事業などの無駄な歳出を減らして、歳出の重点を教育や福祉を重視する方向に転換せよという。財政をその本来の目的である国民の福祉や教育に向ければよいわけだ。それからもうひとつ、アメリカへの仕送りを即刻止めよう。
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