橋本裕の日記
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| 2004年09月05日(日) |
アメリカを支配する人々 |
もうすぐ911多発テロが起こって3年目になる。これに先だってニューヨークでものものしい警戒のなか、8月30日から9月2日まで共和党大会が開かれた。ここで正式にブッシュが次期大統領の候補者として指名された。
大統領候補を指名する党大会をニューヨークで行うことは、3年間前の911事件のあと決められたらしい。大会には全国から共和党支持者が集まってくる。これでニューヨークの経済に活を入れ、その復興を支援しようという思惑があったようだ。
しかし、ニューヨーク市民はこの大会をあまり歓迎しなかった。連日反ブッシュのデモが繰り出し、これを取り締まる警官隊とのいざこざが続いた。逮捕された市民の数は1800名を越える規模になった。
最終日の演説で、ブッシュ大統領はイラク戦争を正当なものであると自画自賛し、「このNYの地にビルは倒れた。だが、同じこのNYの地から我が国(ネイション)は立ち上がった」と勇ましくしめくくっった。この演説の間にも、反対の声を上げた若い女性が現行犯逮捕され、ひきずられるようにして連れ去られたいう。
アメリカでは今、次期大統領選に向けて、世論を二分する熱い戦いが行われている。その熱気がテレビの映像やこれらの記事に読みとれる。まさに二大政党制が機能する民主主義の国のようだ。しかし、私はこうした「対立」をかなり「演出されたもの」だという風に醒めた目で見ている。
大統領選挙には莫大な金がかかる。問題はそのスポンサーだが、共和党に限らず民主党の場合も、そのスポンサーの大御所は世界の3大財閥である。つまり、いずれの党の候補者もロスチャイルド、ロックフェラー、モルガンという大富豪の息のかかった人物なのだ。
これらの財閥は同時に両陣営のスポンサーになっているので、どちらが勝利しようと、実はどうでもよいことである。勝った方に、自分たちの利益を代弁する腹心を送り込み、政権の中枢部をしっかりかためるまでだ。そして大統領はほとんど彼らの操り人形にしかすぎない。
たとえば、ケネディ以前のアメリカ政界を牛耳っていたダレス国務長官はロックフェラー財団の理事長であり、初代ジョン・D・ロックフェラーの孫ネルソン・ロックフェラーは、共和党のフォード政権で副大統領になっている。
ニクソン時代を動かしていたヘンリー・キッシンジャー国務長官もまたロックフェラー兄弟基金のプロジェクトリーダーをつとめ、個人生活では、デヴィッド・ロックフェラーの秘書ナンシー・マギネスと結婚して、公私にわたりロックフェラー家と親密な関係を築いていた。
現大統領の父親であるパパ・ブッシュは、テキサス州でロックフェラー財団に利権を売っていた石油採掘者だったが、ネルソン・ロックフェラー副大統領によって中央情報局(CIA)長官に抜擢され、そして大統領に担ぎ出された。
一方で、ウェストヴァージニア州知事のジョン・D・ロックフェラー4世は、民主党のカーターをホワイトハウスに送り込み、ネルソン・ロックフェラーの弟ウィンシロップ・ロックフェラーはアーカンソー知事になったあと、民主党員のビル・クリントンをアーカンソー知事としたあと、ホワイトハウスに送り込んでいる。
国際ジャーナリストの広瀬隆さんは「アメリカの経済支配者たち」(集英社新書)のなかで、次のように書いている。
<ホワイトハウスと情報収集・軍事体制は、投資銀行の化身である。時の政権が民主党であるか、共和党であるかにによって、対外工作が変化することは、CIAとペンタゴンにとって、あってはならない出来事である。CIAの人事を監督する財閥と遺産相続人にとって、アメリカという国家の経済的威信が揺らぐことは、財産の目減りを意味する重大事となる>
「アメリカには、財閥党というひとつの政党しか存在しないメカニズムがある」と広瀬さんは書いている。大統領選挙はこの事実を隠蔽するために、全国民を巻き込んで繰り広げられる滑稽なお祭り騒ぎでしかないのだが、私たちはこうした異国のパーティ・ショーを面白がってばかりはいられない。日本の場合はどうなのだろうか。
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