橋本裕の日記
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2004年06月23日(水) 地球の大きさを測った男

 水平線上に現れる船を見ると、まずマストの先が現れ、それから帆柱や甲板が見えてくる。こうしたことから、アリストテレスは大地は丸いと考えた。彼はさらに月食を観察して、その丸い影こそ、太陽によって月面に投影された丸い大地(地球)の姿だと考えた。

 大地が球だとして、それでは、その半径はどうしたら計算できるだろう。B.C.230年頃,エラトステネス(B.C275〜B.C194)がこれに成功した。今日彼ははじめて「地球の大きさを測った男」ということになっている。その方法を説明しよう。

 エジプトのシエナでは夏至の真昼には太陽の光が井戸の底まで届くが,その真北に位置するアレキサンドリアでは,太陽の光は井戸の真上から7.22度ずれている。エラトステネスはアレキサンドリアの図書館で知ったこの事実に興味を持った。なぜ、アレキサンドリアでは夏至の日の太陽が斜めのずれているのか。

 非常に遠くにある太陽からの光線は平行とみなせる。そうすると、この角度の違いは「緯度の違い」によるものだろう。エラトステネスはこのことから、地球の中心からみて、シエナとアレキサンドリアの扇形のなす角が7.2度だということに気付いた。

 シエナとアレクサンドリアの距離はおよそ925 kmである。これは実際に歩いて歩幅で測ることができる。彼は一人の男を雇い、実際に歩かせて距離をはかったらしい。距離が分かると、あとは次のような簡単な公式を使って、地球の半径と円周が導きだせる。

 地球の半径=925000×360/2×3.14×7.22
         =7340(キロメートル)

 地球の円周=925000×360/7.22
         =46100(キロメートル)

 これは現在知られている地球の半径(6370キロメートル)と円周(40000キロメートル)にかなり近い値である。 エラトステネスは北アフリカのギリシアの植民市キュレネ(現シャッハート)に生まれ、アレキサンドリアの図書館長になった。アルキメデスとも交流があり、自然科学ばかりではなく、数学や哲学でも業績が知られている。

 数学者としては「素数」についての研究が有名で、素数を効率的に見つける方法は「エラトステネスのふるい」と呼ばれて、今日でも数学の教科書で紹介されている。また、哲学者としては、倫理学の問題について論じている。彼は著書「善悪論」のなかで、次のように述べている。

「人類はギリシャ人と異邦人とに分けるべきなのではなく、良い人と悪い人に分けた方がよい、すべての人は唯一の世界都市の市民となり、宇宙を司る神々によって治められるべきなのである。各国の神々はこうした宇宙を司る神々の現れとも言えよう」

(参考サイト)
http://astro.ysc.go.jp/how-big-earth.html
http://pweb.sophia.ac.jp/~j-masia/philosophy.htm


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