橋本裕の日記
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| 2004年06月21日(月) |
地球の重さを量った男(2) |
昨日の話の続きである。ニュートンが発見した万有引力の法則から、次の式が得られた。これを使えば「地球の質量がわかる。
M(地球の質量)=g×rの2乗/G ・・・・・・・��
g(重力加速度)=9.8(メートル/秒の二乗) r(地球の半径)=6.37×1000000(メートル) =6.37×10^6(メートル)
残された問題は、万有引力の定数Gの測定だ。これは1798年、ヘンリー・キャベンディッシュ(1731〜1810)によって行われた。彼は二箇の鉛の玉をつかい、その間に働く重力を測定した。このため、ねじれの弾力性を使った非常に微量の力をも測定できる装置を開発した。その値はおよそ、次のようであった。
G(万有引力定数)=0.0000000000667 =6.67×10^−11 万有引力がどのくらいの力か、わかりやすく説明してみよう。今1000キログラムの鉛球が二箇あるとする。その球の中心間の距離が1メートルのとき、万有引力の大きさを計算してみよう。
F=G×m×M/rの2乗 =0.0000000000667×1000×1000 =0.0000667(ニュートン)
ここで、1ニュ−ウトンは約9.8キログラム重であるから、これをミリグラム重に換算すると、答えは、約6.8ミリグラム重である。つまり、普通の物体間に働く万有引力というものは大変「弱い力」で、ほとんど日常生活では体感することができない。地球とか月などという巨大な質量を相手にしたとき、私たちはこの力を「重力」と体感する。
さて、たくみな実験によって、重力定数を測定し、実験室の片隅で「地球の重さ」を量ることに成功したキャベンディッシュという科学者はどんな人なのだろうか。彼はイギリスの最高貴族デボンシャー公家の出身で、1749年から1753年にかけてケンブリッジ大学に学ぶが、寡黙でほとんど誰とも言葉を交わすことがなかったという。政治的な名誉や、経済的な成功は望まず、イギリス王室に次ぐ莫大な財産家だったが、生活は大変に質素だったという。
彼は「重力定数の測定」の他に、「水素元素の発見」という人類史にのこる大きな仕事をしている。水素が燃えて水になること、また、水の電気分解により、水が水素の酸素の化合物だということを証明した。さらに公表こそしなかったが、クーロンの法則、オームの法則、ゲイ=リュサックの法則、比熱、潜熱の発見、砒素の発見など、すべて彼の業績だと言われている。
死後、彼の数々の功績を記念して、キャベンディッシュ研究所がケンブリッジ大学に作られた。初代所長は電磁気学の法則で有名なジェームス・クラーク・マクスウェル。3代目所長は「電子」を発見して1906年にノーベル賞を受賞したトムソン、4代目所長が原子核の発見で有名なラザフォード(1871〜1937)、彼は彼自身も含め、ニールス・ボーア(1885〜1962)など13人ものノーベル賞学者を育てた。
(参考サイト)http://www.nararika.com/butsuri/index.html
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